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ナンピン買いのメリット・デメリット

2010年05月16日 21:29

今回は、ナンピン買いと呼ばれる手法について解説を行いたいと思います。そもそもナンピン買いというのが何かということから説明すると、はじめに買った値段から値段が下がればさらに買い増しをしていくという手法です(売建なら逆になります)





具体例を出して説明すると、たとえばドルを92円で1万通貨買ったとして、その後91円まで下がったら、さらに1万通貨買い増すということです。




実は、巷でよく「勝率9割超の投資術!」とか書かれている方法の大体はこれです。何故なら、この方法というのは、「1回の取引で利益を得られる可能性」が高いからです。




為替と言うのは、ほとんどの場合、ある程度のレンジの中で値動きを繰り返します。つまり、値段が下がったものはまた上がる可能性が高いということです。ですから、このナンピン買いというのは、非常に勝率が高いんです。ここも具体例を出して説明しましょう。





先程の例ですが、92円で1万通貨買って、その後91円に下がったとしましょう。この場合、その後92円に戻しても、利益も損失もなく、プラスマイナス0です。ところが、91円でもう1万通貨買い増ししていればどうなるか。その場合、92円で買ったものはプラスマイナス0、一方で91円で買ったものが+1円分の値上がりをするので、1万円の利益が出ます。






そして、さらに90円に落ちた場合に、その上でまた1万通貨買い足しておけば、91円までしか値戻りしなくてもプラスマイナス0で、92円まで戻れば3万円の利益にもなります。そして、さらに89円、88円・・・・と言うふうに、レンジを広げれば広げるほど、それを超える可能性は低くなるため、広げれば広げるほど勝率は高まります。





では、逆にこの方法の問題はなんでしょうか。それは、1回あたりの勝ちの金額が小さいわりに、1回失敗した時の損が大きすぎるということです。





レンジ相場というのは、普通+2~3円程度ですから、大体1回あたりで得られる利益は、およそ2万程度です。





一方、負けたときはどうなるか。例えば、84円まで1円ごとに1万通貨買いたしというルールで、その予測がはずれて83円まで落ちてしまえば、なんとー36万円となります。





つまり、この方法では勝率9割では全然物足りないし(勝率9割なら期待値は-1.8万円です)、最低でも95%はないといけないんですね。






ですが、それほどの勝率があるかというと、それは非常に難しいです。何故なら、「レンジを狭くすればするほどレンジを出る可能性が高くなり、一方、レンジを広くすれば広くするほど、損失が大きくなり、かつ、トレンドとしても大きなものになっているため、損失がでるときはあっさりそれを超えてしまう」というのがあるからです。





たとえばそれこそ今の状態から84円(ここ10年の最安値でもそこまで安くなっていません)になるということは、異常な円高ドル安局面で、それくらい歴史的に異常なことが起こっているなら、そこからさらに暴落しても何もおかしくはないと言うのはおわかりいただけると思います。その場合、1円下がるごとに9万ずつ損していくわけですから、これがどれほどリスクが高いかわかるでしょう。






そして、このナンピン買いの中でも特に危険なのが、「自分の意図した方向と逆に行ったときにナンピン買いする」という方法です。これは自分の意図がはずれていて、その損失の金額が自分が「損切りしてもいい」と思える金額を超えている場合にやる人が多いです。「損切りしたいけど、でもここで切れば大損してしまう。だから、なんとか上がってくれ!」という祈りにも近い感情でやるんですね。






でも、これは多くの場合はずれます。これはなぜか。まず、取引を決めた段階である程度上がりそうだと思ったと言うことは、実際に上がるだけの要因もあったはずなんですね。でも、それなのに下がった。






つまりこのような状態ってどういう状態かと言うと、「なんらかの上がる要因があったにも関わらず、もっと強い下げ要因があり、市場のトレンドとしても下がる方向に行っている」ということなんですね。






それだけ強いトレンドがあるわけですから、当然可能性としては下がる可能性の方が高いに決まっています。ですから、損をする可能性の方が高い。しかも、先程も言ったように、ナンピンと言うのはやればやるほど負けたときに損する金額も大きくなり、かつトレンドも大きくなっているため、「損する危険が高く、かつその場合の損失金額も大きい」という、限りなく最悪に近い条件でトレードすることになるんです。






それがうまくいくかいかないか、そんなのは決まっていますよね。





ですから、「ナンピン買いは危険」と言われ、特に「自分の予想がはずれたときのナンピンは死んでもするな」といわれます。






それでもはじめの方にも書いたように、利益を得られる可能性自体は高い手法なので、初心者がこれをやって最終的に大損を出してしまうリスクが高いという、まさに禁断の果実のような手法です。






ちなみに、経験豊富なトレーダーの中にもこのナンピンをする人がいますが、そういう人がやる場合には、「レンジ相場になる」ということについてかなり強い状況証拠が揃っていて、かつ、仮に損がでても許容範囲内で収められるように取引をコントロールするというように、かなり慎重に計画された方法でやっているので、素人がやっても失敗するだけだと思います。






以上のように、ナンピン買いというのは、仮にやるとしても非常に高度な技術が必要だし、初心者には間違えてもおすすめできない方法だと思います。













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