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イスラム国人質事件等、中東リスクの石油(原油)、株価、為替への影響

2015年01月30日 00:10

今回は、最近人質事件を起こして世界的に再び注目を集めているイスラム国について、どういう集団かということと、そうした事件が原油価格、株価、為替にどのような影響を与えるのかということについて解説します。



「地政学リスクが」とか「中東リスクが」といっても、じゃあ具体的にそれがどういうものなのか?ということをしっかり分かっているのといないのでは、ニュースに対してどう反応すべきかということが全然違ってきますので、今回はそれらを分かりやすく解説します。




・ イスラム国って何?





イスラム国というと、単なるテロ組織・・・・というイメージがあり、実際に人質をとったり、多くの人を処刑したりと非道の限りを尽くしている集団ですが、実際は少し違うので、まずそこから解説します。




まず、彼らはイスラム法を厳守した国を作ることを理念としており、実際に独立宣言をしています。




彼らの指導的立場にあるのが、昔のイラクのサダム・フセイン政権(湾岸戦争やイラク戦争の時のあの人です)で中枢にいた軍人や政治家で、シリアやイラクの一部の地域を占拠し、「国家」としてやっていこうとしています。




そこで占拠された地域の住民への弾圧が激しく、たとえばキリスト教徒は改宗もしくは公開処刑、女性であれば強姦や売春の強要など、「これは本当に現代の話なのか?」と思うような行為を行っています。




イスラム国のたちが悪いのは、中心になっているのがレベルの高い教育を受けた軍人、政治家であり、そのため占拠する際の行動も非常に戦略的に行われています。




例えば、首都バグダッドに進軍して、落とせないとなると今度は北部のクルド人地域を攻撃し、その過程で油田や製油所、ダムといった、国家にとってのライフライン、収入源になる施設をしっかり押さえるなど、イスラム国が「ただのテロ組織ではなく、高い教育を受けた戦略的な組織である」と考えられる行動は非常に多くあります。




現在の勢力としては、面積として3万2000㎢、人口800万人程度が囚われているとみられています。これは、面積としてはオランダが3万7000㎢、台湾で3万6000㎢、であり、人口ではスイスが766万人、オーストリアが839万人ということを考えると、文字通り国家レベルの勢力ということになります。




・ イスラム国に対してどういう対応をしているの?






イスラム国に対して、アメリカは空爆などを行いましたが、実際に兵を送って制圧することについては、かなり慎重になっています。これは、オバマ政権がイラクからの撤兵を公約としていたこと、また、アメリカ国民の間で、米軍を動かして米軍が犠牲になるのが嫌だ、という反戦感情などもあり、政治的に極めて難しい課題だからです。





そこでアメリカはイスラム国と戦う勢力に対して武器を与えたり、軍事訓練を行ったりしていますが、周辺のイラクやシリア自体がそこだけに武力を割くわけにもいかず、また、戦力的にもイスラム国も強いことから、苦戦を強いられているというのが現状です。




アメリカの国防長官自身も、イスラム国の殲滅は数年単位でかかることを認めており、こうした問題が長期化するリスクは高いです。




・ イスラム国が石油(原油)価格に与える影響は?






イスラム国の勢力が拡大することは、市場参加者にとって「石油確保のリスクが高まる」と連想されるため、一般的には石油価格の上昇要因となります。




ですが、実体経済としては、そこまで大きな影響は現時点ではないというのが今の通説です。



というのも、イスラム国はイラクの北部を占拠しているのですが、イラク北部にある石油施設はイラク全体の約1割であり、かつ2014年4月からイラク北部の石油施設からの原油輸出量はゼロであり、イラク南部まで進行しない限り、大きな影響にならないからです。




そして、イラク南部にはそれこそ死ぬ気で石油施設を守るイラク石油警察や、アメリカの空爆などもあり、そう簡単に選挙できないだろうというのが一般的な見方です。




ただし、現在人質交渉で死刑囚を釈放させたり、あるいはそうしたことで各国の現状の体制に不満を持つ若者を戦闘員として集めたりして、勢力を拡大しているので、仮にそうした事態が現実的になってきた場合、原油のリスクは一気に上がり、その結果、原油価格は暴騰すると考えられます。





なので、原油価格に大きな影響を与えるトリガーとしては、イラク南部を占拠する可能性が現実的になってきたということであります(そんなことにはなってほしくないですが・・・・・)




石油への投資については、2015年、原油価格暴落の理由と原油取扱いCFD業者スプレッド比較で記事を書いているので、よろしければそちらもどうぞ。




・ イスラム国が株価に与える影響は?






こうしたリスクが高まった場合、一般的に株価はリスクを嫌って下落します。




ただし、ここも「何がリスクか」というのを突き詰めていくと、「石油価格があがってコスト高になる」「消費マインドが冷え込んで売上が落ちる」「中東でビジネス展開がしづらくなり売り上げが落ちる」ということであり、これらは一瞬は材料として落ちる要素とはなるでしょうが、石油のところでも書いたように、本格的にまずいのは「南部が制圧される」ということであり、それがない場合は、基本的に一過性のものと見てよいでしょう。




個別企業については、商社や原油の仕入れが重要な製造業などはマイナス要素になるでしょうが、そうしたところにとっても結局他の要素(売上の動向など)の方が影響が大きいですし、それ以外の企業にとってはあまり大きな影響を与えず、「どの銘柄が上がる(下がるか)」より、それ以上に、日経平均など、全体としての株価に与える影響の方がわかりやすいと考えられます。




こうした日経平均への投資については、CFDおすすめ業者2015~日経平均225スプレッド比較~で書いております。




・ イスラム国が為替に与える影響は?






為替に与える影響として、まず簡単なのは、トルコリラにとっては大きなマイナス要素になるということがあります。




というのも、トルコはイスラム国が活動しているシリアのすぐ南にあり、イスラム国の勢力が拡大すると、トルコの治安悪化観測→消費の冷え込み→経済悪化というシナリオが、直接的に影響を受けるためです。




それ以外については、短期的な影響として、リスク回避の円買い、もしくはスイスフラン買いが起こりやすいと考えられますが、これらの影響は、やはり実際に大問題となるイラク南部占拠に至らなければ、そこまで長期的なものにはならないと考えられます。





以上がイスラム国の原油価格、株価、為替に与える影響です。このように、短期的に影響を与える事項、本格的にまずい事項があり、それらを情報として集めつつ、本当に大事な情報が何か、と考えるのが大切になってきます。




こうした情報を無料で集め、何が本当に影響を与えたか、を見極める方法について、無料で為替ニュースを集める方法を紹介します!で書いているので、よかったらそちらもご覧ください。




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