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ギリシャのデフォルト、ユーロ離脱の可能性とFX、為替への影響

2015年06月16日 22:24

今回は、2015年に入ってまた大きな話題となっているギリシャ危機について、そもそも何故起こっているのかという理由と、仮にギリシャのデフォルト(債務不履行)やユーロ離脱が起こった時にどうなるかについて為替への影響も含めて解説し、最後に「じゃあFXではどうやって取引すればいいのか?」ということを説明します。




・ そもそも何故またギリシャ危機は再燃しているの?






今回またギリシャ危機が再燃した背景に、今年2015年の1月に政権をとったチプラス首相の影響が大きくあります。




この人はどういう人かというと、端的に言うと「緊縮財政なんてやめる、EUはどうせギリシャを助けてくれるはずだ」という主張をして選挙に勝った人で、つまりは「財政再建にしっかり取り組まず、それより国民への負担を下げることを優先する」という人です。





そして、実際に再建計画もかなり「甘い」ものになっており、ギリシャを支援する側としては「全く不十分」としてギリシャへの支援の打ち切りも検討されており、そこについてお互い妥協が見られないというのが現状です。




ここでギリシャへの支援が打ち切られるとどうなるかというと、ギリシャは今月末にIMF(国際通貨基金)に対する約2,200億円の債務の返済があり、また、その後も7月にはECBへの約6,000億円の返済があり、8月にもECBへの約5,000億円の返済があるというように、多額の返済が今後必要になっているため、支援がなければまず債務返済が不可能になってしまいます。





これがいわゆるデフォルト(債務不履行)という状態で、今は「はたしてギリシャは支援を受けうられるのか」というのが論点となっており、もし受けられない場合、デフォルトになるのは確実だとみられています。




・ ギリシャでデフォルトが起こるとどうなるか?






では次にギリシャがデフォルトを起こすとどうなるかという影響を、まずはギリシャにとってどうかという視点から見て、その次に国際社会にどう影響するかという視点から説明していきたいと思います。





まずデフォルトが起こると、当然「借金を返せない相手に金を貸す人は誰もいない」わけですから、これ以上お金が借りられなくなります。また、いわゆる「預金封鎖」を恐れてギリシャの金融機関の預金が大量に引き出され、金融機関はお金がなくなります。





この「預金封鎖」というのは、お金のなくなった国ではよくあることで、要は「金融機関にある預金を国民が引き出せない状態にして、そのお金を使って政府の支払いを賄う」ということで、そうやって自分の財産が没収されるなんてたまったものではないため、皆預金を引き出そうとして、結果銀行はお金がなくなります。





そうなってくると、銀行からお金を借りる企業が借りられなくなってつぶれたり、また、政府もお金を調達できなくなって年金や公務員の給料が支払えなくなるなど、ギリシャ経済全体に大ダメージとなります(ギリシャ国民の20%以上が公務員で、公務員の給料が支払われなくなると彼らの生活は成り立たなくなります)





こうなってくると、ユーロという「自分でお金を刷れない」共通通貨だとお金がなくなってどうしようもなくなるので、ユーロ離脱という話になってきます。極端な話、例えば日本であれば、お金がないなら日銀がお金を大量に刷れば、形の上ではお金ができて市場にお金を回せるのですが、ユーロという共通通貨ではそういう最終手段もないため、ユーロ離脱というのが出てくるのです。





以上をまとめて非常に単純に説明すると、今回のギリシャ危機は、



1 ギリシャが財政再建をさぼった
2 ギリシャを支援している国が怒った
3 その結果支援が打ち切られるかもしれない
4 支援が打ち切られたら借金が返せない(=デフォルトリスク)
5 デフォルトが起こると共通通貨であるユーロの離脱をせざるをえない




という感じです。




・ ギリシャがユーロを離脱するとどうなる?






では、ギリシャがユーロを離脱するとどうなるかを考えてみましょう。





まず、ギリシャは独自通貨を持つことになります(ユーロになる前のドラクマに戻すと考えられます)。




このドラクマは自分で好きなように刷れるのですが、逆に言うと、そういう通貨が国際的に信用されるはずがないため、ドラクマの価値は非常に低いものとなると考えられます。





そうなると、外国から物を輸入するのも困難になり、国民生活に大打撃となります。





また、ギリシャの借金はユーロ建て、つまりユーロで返さないといけないので、その価値の低いドラクマでユーロを買って、それで返済という、非常に大変なものになります。




「あれ、デフォルト起こしてもまだ返さないといけないの?」と思われるかもしれませんが、デフォルトは「返せなくなった」ということであって、「返さなくていい」ということとは全く違うので、借金の返済義務は当然ありますし、そこで返そうとさえしなければ当然制裁などの対象にもなってきます。





借金を返さないといけないし、他の国も支援してくれないという状態になれば、先ほどあげたような預金封鎖や公務員に給与を払えない、公共投資ができない等のことに結果的になってしまいます。





このようにドラクマに戻したところで何も解決しないのですが、だからといってユーロのままでは自分でお金を刷ることすらままならず、お金はどんどんなくなっていくためどうしようもない、という、デッドロックに陥る可能性が高いといえます。





・ ギリシャのデフォルト、ユーロ離脱が国際社会に与える影響は?






では、こうしたギリシャのデフォルト、ユーロ離脱が国際社会にどう影響するかということを説明したいと思います。





まず1つは、ギリシャに直接お金を貸している金融機関で、それが返してもらえないため、いわゆる不良債権化し、ダメージがあります。金融機関への打撃が様々な形で世界経済に悪影響を与え、また、為替においては円高を招くというのは、リーマンショックや今までの欧州危機を見ていればなんとなくわかると思います。





また、ギリシャがデフォルトしてユーロ離脱ということがあれば、「他のヨーロッパの財政状態が弱い国についても、ECBは支援を打ち切ったりするのではないか」という懸念が広がり、例えばアイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアといった、そういう他の経済基盤が弱い国についても国債の利回りが上がる等、ダメージがいきます





この国債の利回りが上がるというのは、「危ない相手にお金を貸すなら利息は高くしないと割に合わない」という金融の世界での一般的なロジックによるもので、こうやって利回りがあがれば、当然ながら支払うべき利息額が大きくなるということなので、そのこと自体がさらに破たんするリスクを上げ、それによってさらに利回りが上がる・・・・というような悪循環を生みます。




このように、今までも何度も繰り返されてきたように、今回のギリシャ危機も金融機関や周辺国への懸念から、国際社会にも悪影響を与える可能性が高いと考えられます。




・ ギリシャ危機がある中で、FX取引はどうすべきか?






まず今回については、今までの「狼少年」的なギリシャ危機と違い、本当に支援が打ち切られる危険があるというのがポイントです。




というのも、ギリシャのこうした「適当な」姿勢を許すことがあれば、他の国に対しても「なめられてしまう」リスクがあり、このままで支援を続けることはできないためです。実際にドイツなどは、ギリシャがデフォルトした場合に自国にどういう影響があるのかのシミュレーションをはじめ、そのダメージをどう低下させていくかという検討に入っております。





一方で、ギリシャ国民はチプラス政権を選挙で勝たせたように、もはや「緊縮財政」に疲れ果てており、その緊縮財政をとめることを公言して政権をとり、実際にとめているギリシャ側としても、折れることができるかは、難しいことになっております。





このような状況から、市場としては「ギリシャが支援を受けられる」とも「受けられずデフォルトする」のどちらでもない中途半端な状態になっております。






例えばギリシャの長期金利は12%程度で、リスクを警戒して高まりつつはありますが、2012年の欧州危機の時には40%だったこともあわせて考えると、完全に警戒している状態には至っていないというのが現状です。






したがって、「支援を受けられる」「受けられない」のどちらにせよ、その影響はまだ市場には織り込まれておらず、今後為替に影響を与えると考えられます。






なお、その影響というのは、支援が受けられるであれば、当然ユーロにとってプラス要素ですからユーロ高、受けられないならユーロ安になり、また、支援を受けられない場合リスク回避通貨とみられている日本円がまた買われることになると考えられ、円高が進むことになると考えられます。






では、こういう時FXではどうすればいいでしょうか?






まず1つは、しっかりと情報を集め、その情報を基にしっかりした投資戦略をとることが重要と言えます。





そして、今回のポイントは結局「ギリシャが支援を受けられるか否か」ということなので、その観点からこのニュースはどうか、という観点で分析するとよいと思います。






なお、こうしたニュースを網羅的に集め、かつ、どのニュースが市場に影響を与えたのかを事後的に分析する方法を無料でFX関係の為替ニュースをリアルタイムに集める方法で説明しているので、よかったらこちらの記事もご覧ください。






また、他にも方法があり、「ユーロ高かユーロ安かどちらになるかを予想してポジションを持ち、ただそれが外れたときにも損失を限定する」、あるいは「どっちに転ぶかはわからないから、為替があがっても下がってもどっちでも利益が出るようなポジションをとる」という方法があります。





これについては、為替損失をオプション料に限定するオフセット注文というのを使って「保険をかけてポジションを持つ」「とにかく為替が動きさえすれば利益が伸びる」というようなポジションを持つことができ、それについてはオフセット注文の使い方~損失リスクをオプション料に限定!~で詳しく書いているので、こちらもあわせてご覧ください。






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