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トルコリラ今後の見通し2018年10月 | トルコリラはどこまで下がる?

2018年10月10日 21:58

トルコ





政策金利が24%もあり、高金利通貨としてFXでも人気ながら、2018年に入って異常なレベルで暴落ているトルコリラについて、どこまで下がるのか?今後上がることはあるのか?ということも含めて、見通しを予想します。




結論から書くと、



  • トルコ経済のポテンシャルは非常に大きい

  • トルコリラは高スワップで、1年間で4円くらいの下落までであればスワップでカバーできる(現在約18.5円)

  • 10月12日にブランソン牧師の解放があると予想し、20-22円程度まで遠からず戻すが、そこから先の上昇はしばらく先と予想

  • 逆に牧師が解放されなければ、16円を割るリスクもある

  • 中長期的には、2018年と2019年を耐えきれば、ポテンシャルや高い金利が好まれて40円くらいまでは回復する

  • ただし、相変わらず一時的な下落リスクはあるので、数か月単位のポジションでレバレッジ3倍、年単位で持ちたければ2倍以内にするべき




  • という感じで、今の見通しは10月12日のブランソン牧師の裁判や、10月25日の政策金利次第な面もあるものの、基本的には20-22円までは買い推奨、中長期的にも2018年や2019年に潰れなければ上がると考えております。





    そのため、トルコリラをこれからはじめるのであれば、そこまで単位を大きくせず、下がったら少しずつ買い増しで20-22円くらいまで持つか、数年単位での長期保有前提で、スワップの高いところで買いポジションを持つのが良いと思います。





    トルコリラ円は、スワップの高い会社で持っていれば1日118円、つまり年換算すると、年間43,070円(年収益率はなんと20%超!)ものスワップをもらえるため、4円くらいなら値下がりしても、スワップで持ちこたえることができます(執筆時現時点でスワップが一番高いサクソバンク証券のスワップで計算。なお、スワップが一番低いところだと1日60円)





    なお、このサクソバンク証券には、当サイトからの申し込み限定で、特別キャッシュバック3,000円もあるので、トルコリラ投資をしたいと思っている場合、当サイトから開設するのがおすすめです(もちろん、口座開設や口座維持は無料でできます)





    口座開設は、



    サクソバンク証券
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    からできます。





    今はトルコリラはかなり割安感が出ており、その一方でスワップは非常に高くなっているので、これからトルコリラを買ってスワップポイント投資をはじめたいという場合、リスクもありますが、その分リターンも大きいので、個人的には良いと思います。(これからトルコリラのスワップ投資をはじめる場合、トルコリラのスワップポイント投資をあえて今から始める | 月20万円のスワップ生活は本当に可能か?もご覧ください)





    トルコリラの見通しの詳細を、以下の順番で書いていきたいと思います。

  • トルコリラ見通しの基礎 | トルコ経済の基本を解説

  • トルコリラという通貨の特徴

  • トルコリラに大きな影響を及ぼす、トルコ政策金利の今後の見通し

  • これまでのトルコリラの為替推移とその理由の分析

  • USD/TRY(米ドル/トルコリラ)の推移の分析

  • 10月12日にブランソン牧師が釈放され、アメリカと関係改善する可能性は?

  • トルコリラはどこまで下がる?トルコリラ、今後の為替見通し

  • 有識者のトルコリラ見通し(エミンさん、野村證券、ゴールドマンサックス、大和証券)

  • トルコリラFX取引、おすすめ投資方法とFX業者2018年(当サイト内別記事)


  • (※ かなり長文になっているので、興味のある部分から読んだり、時間のある時にゆっくり読んでいただくことをおすすめします)





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    トルコリラ見通しの基礎 | トルコ経済の基本を解説







    まずは、トルコリラが最近では急落しているとはいえ、トルコという国の経済的なポテンシャルは非常に高いということから説明したいと思います。





    トルコリラは名前の通りトルコの通貨なのですが、トルコという国は、ヨーロッパとアジアを繋ぐ位置に存在しているため歴史的にも重要な役割を持った国で、その主要都市であるイスタンブール(旧コンスタンティノープル)は歴史的には東ローマ帝国、オスマン帝国という超大国の首都でした。





    【トルコの地理的な位置】
    turkey map






    今ではトルコに対して「大国」というイメージを持つ人はあまりいないと思いますが、ヨーロッパとアジアを繋ぐ地理的重要性は現代でも変わらず、また、トルコは労働力人口も多いことから、「欧州の工場」として経済成長が続いており、これからも経済成長が期待されております。






    以下、トルコの経済成長率のチャートを示しますが、リーマンショックの影響があった2009年を除けば、常にプラス成長で、その成長幅も大きなものとなっております。






    TRK growth rate






    現在のトルコの産業構成としてはサービス業が57.7%、工業が24.1%と、サービス業(その中でも観光業に強みを持っています)や工業を中心としたいわゆる「先進国型」の経済で、主な輸出品目も自動車が一番多く、11.5%となっております。(出典:トルコ基礎データ | 外務省Jetro トルコ情報)






    また、人口が8,000万人、若年人口も非常に多く今後も伸びていき、2018年にはドイツの人口を抜くことが予想され、その場合、ヨーロッパ最大の人口大国となることが予想されております。






    こうした環境の中、トルコ政府も2023年に世界10位の経済大国となることを目指しており、先ほど書いたような人口の多さ、及び、地理的にもアジアとヨーロッパをつなぐ位置にあることから、「欧州の工場」として、海外からの企業誘致を積極的に行っており、それが功を奏して、経済成長しております。(出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)






    このように、トルコはアジアとヨーロッパを繋ぐという地理的優位、増加している内需や労働力といった要因を活かして中長期的な成長が期待されている国ですが、その一方で、トルコ経済にはリスクもあります。





    まずは、これは「トルコだから」というわけではなくどこの国でもリスク要素になることですが、アメリカや中国、欧米、日本等の先進国で経済が不調になると、そうした先進国への輸出や、先進国からの外資の流入が減少し、経済に悪影響を及ぼします。





    また、それ以外にもトルコ固有のリスク要素もあり、それは

  • エルドアン大統領による独裁状態

  • トルコとアメリカ、EUとの関係悪化

  • トルコの高いインフレ率

  • トルコは直近1年間で多額の対外債務の返済が必要


  • というものがあります。それぞれ見ていきましょう。





    エルドアン大統領による独裁状態







    まず、政治体制としては、実質的にエルドアン大統領の独裁状態にあります。





    エルドアン
    (エルドアン大統領の演説中の画像。出典はラジオ「スプートニク」





    このエルドアン大統領の特徴として、

  • 外資系企業の誘致・インフラの整備に積極的

  • 対外的には超強硬派(領空侵犯してきたロシアの戦闘機を撃墜、トランプ大統領と牧師の解放をめぐって争いを続ける等)

  • 民衆からの人気は高い一方、インテリ層からは嫌われている

  • トルコ中央銀行に利下げ圧力をかける


  • といったものがあり、トルコ国内でも好き嫌いが大きく分かれ、2016年7月にはトルコでクーデター未遂事件まで起きました。





    そのため、トルコリラの為替相場としては、このエルドアン大統領の動向にも大きく左右され、実際にこれまでもエルドアン大統領の動向で為替は大きく動きました(これまでの動きや今後の見通し予想は後述します)





    トルコとアメリカ、EUとの関係悪化







    2017年10月以降、トルコはアメリカやヨーロッパとの関係悪化についても不安視されております。





    アメリカとの関係では、昨年にはトルコの間でビザの発給を相互に停止したり、最近ではブランソン牧師というアメリカ人の牧師をトルコが拘束していることに対して、アメリカが釈放を求めて経済制裁を課すといったこともありました。




    また、対ヨーロッパについては、欧州連合首脳会議でトルコにおける人権問題(昨年のクーデター後の反政権派の逮捕・処刑等の弾圧)からトルコへの資金援助について削減が検討されたりするなど、トルコとヨーロッパの関係も、あまり良くないものとなっております。





    トルコの経済は、欧米への輸出、観光といったものや、また、国内にもヨーロッパの会社が人件費の安いトルコで生産するための工場が多いことから、欧米との関係悪化はトルコ経済への懸念材料となります。





    トルコの高いインフレ率







    高いインフレ率については、トルコは現在高いインフレ率に悩まされており、直近では2018年10月発表の数値で、前年同月比24.52%上昇となっております。





    トルコのインフレ率は、6月と7月発表数値では15%台だったのが、9月発表では17.9%、10月発表の数値で24.52%と、新興国であることを考えても非常に高い数値かつ現状右肩上がりで、市場でも注目が集まっていることから、トルコリラ相場に大きな影響を与えます。





    トルコは直近1年間で多額の対外債務の返済が必要







    トルコは、民間の銀行などを中心に、多額の対外債務があり、それらについて、直近1年内に20兆円、2018年の間でも3.2兆円もの対外債務を返済する必要があります。(出典:ロイター 8/31





    この大部分は外貨建てであると考えられ、外貨建て債務を返すためには、外貨を用意する(=トルコリラを売って返済用の外貨を入手する)必要があるため、トルコリラは実需面からも売り圧力がかかりやすくなっております。




    また、もし返しきれなかった場合は、銀行の倒産などを通じて、トルコ経済に悪影響を与え、さらにその上でトルコへの債権を多く持つヨーロッパの国にもダメージが波及し、トルコ発の欧州金融危機リスクまでありうるという人もおります。





    以上のように、トルコ経済は長期的には成長が期待され、実際に今でも経済成長は続けておりプラス要素があるという強みがある一方で、現在では政治面での暴走リスクや欧米との関係、経済的にはインフレや対外債務の返済というリスクもあり、その結果、トルコリラは2018年に入ってから下落基調にあります。





    トルコリラという通貨の特徴







    トルコリラという通貨自体の特徴としては、その非常に高い金利があげられ、政策金利はなんと24%にもなっております。





    他の高金利通貨では、南アフリカランドで6.5%、NZドルで1.75%、豪ドルで1.5%であることを考えると、非常に高い水準であることがわかります。





    そのためスワップポイントも非常に高く、高いところでは1万通貨持っていれば1日118円(執筆時現時点でスワップが一番高いサクソバンク証券)にもなります。これはこの水準が続けば年間で43,070円にも相当し、今18円程度なので、この水準が続くと、レバレッジ1倍でも収益率で換算して20%にもなります。また、他の考え方をすると、スワップで年間43,070円ということは、トルコリラが1年後4円下がっても収支はトントンということで、為替がよほどの落ち方をしない限り、プラス収支をとれるという魅力もあります。





    なお、サクソバンク証券には、当サイトからの申し込み限定で、特別キャッシュバック3,000円もあるので、口座開設をする場合、当サイトからするのがおすすめです。





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    このように、トルコリラはその金利の高さと、短期的にはリスクはあっても中長期的な成長が期待できるということから、長期保有を前提に投資する場合に人気の高い通貨となっております。





    なお、トルコリラをFXで取引する場合のおすすめの投資方法や、最近の暴落相場での売りのやり方や注意点、さらにはトルコリラがさらに下落することによる為替リスクをほぼ0に抑えたうえでスワップをとる方法等については、トルコリラFX取引、おすすめ投資方法とFX業者2018 | トルコリラFX比較で書いておりますので、よかったらそちらもご覧ください。





    トルコリラ見通しに大きな影響のあるトルコ政策金利の見通し







    トルコリラは、高金利通貨としての人気が高く、また、上でも書いたようにインフレが経済にとっての大問題となっているため、政策金利についての見通しが、トルコリラの見通しに大きな影響を及ぼします。





    トルコの政策金利については、


  • 激しいインフレが起こっているため、中銀としては利上げをしたい

  • エルドアン大統領は利上げに反対姿勢を出している



  • という状況にあります。





    本来であれば、政策金利というのは、中銀の意向によって上下するもので、大統領からは独立したものなのですが、トルコのような独裁国家の場合、大統領が反対しているとなかなか利上げは難しく、実際に今年の7月には、市場が利上げを期待している中で据え置きとしたことで、8月のトルコリラ大暴落の原因となりました。





    しかし、その後、9月には市場予想を超える6.25%ポイントもの大幅利上げを行い、その後エルドアン大統領も「利上げには反対だが、中銀の独立性は尊重する」という発言をしたことによって、10月10日現在、トルコの政策金利見通しは、以前と比べてポジティブなものとなっております。





    上でも書いたように、10月のトルコの消費者物価指数(インフレ率)はとてつもなく悪い数値となったので、次回は10月25日に発表されるトルコ政策金利の動向については、今後も要注目です。





    これまでのトルコリラの為替推移の分析







    では、次に、これまでトルコリラがどういう動きをしてきたのかについて、チャートも使いながら説明したいと思います。まずは、長期的な視点として、直近10年の動きを見てみましょう。





    【トルコリラ円 直近10年チャート】
    TRY chart1810_10year





    このように、トルコリラは過去10年間のチャートを見ると、全体的に下落基調にありますが、何故下落したのか(あるいはたまに上昇していたのか)について、それぞれ細かく見ていきたいと思います。





    2008年から2014年までのトルコリラの推移の理由







    まず、2008年に起こったリーマンショックでは、ほとんどの通貨がリスクオフから円高になりましたが、トルコリラも例外ではなく、2008年後半から2009年にかけて大きく下落しました。また、その後も2010年には欧州債務危機が起こり、ヨーロッパとの経済的なつながりの強いトルコリラは、さらに下落することとなりました。





    2012年末には日本で自民党が与党となり、「アベノミクス」で金融緩和が行われる中、為替相場は全体的に円安(=外貨が高くなる)となり、トルコリラも2013年半ばまでは上昇基調にありました。





    しかし、2013年に入ると、5月のトルコ国内での自爆テロ、6月の10万人以上の参加者が出た反政府デモとそれに対してのトルコ政府の強制排除、さらには2013年末にエルドアン大統領の親族による贈収賄疑惑等の治安・政治面での不安定さが嫌われ、全体的に為替は円安になる中でも、トルコリラは上昇しませんでした。





    2015年にトルコリラが下落した理由







    2015年1月には、トルコの予想外の利下げによって、トルコリラは下落します。この利下げについては、エルドアン大統領が中央銀行に利下げ圧力をかけたための利下げとも言われ、これも広い意味では「トルコの政治面への不安」による下落と言うことができます。





    その後は、2015年7月から下落し、9月から11月の終わりまで戻すも、2015年11月後半から再び下落します。





    2015年7月から下落した理由は、中国経済への懸念の高まりと、トルコの政治に対しての不透明性の高まりが原因でした。





    中国経済という点では、中国の株価である上海総合指数は、2015年6月から下落基調でありました。世界最大の消費国である中国経済が悪化すると、世界的にリスクオフが起こり、円のような安全資産は買われ、トルコリラのような「ハイリスク・ハイリターン」な通貨は売られることとなります。





    また、トルコ国内の事情としては、6月に実施した総選挙の結果、今の与党であるAKPの議席が過半数割れを起こし、再選挙が行われることになり、政治的に混乱が起こっていたというように、リスクオフの動きがある中で、さらにトルコ国内のごたごたもあり、トルコリラは下落することとなりました。





    その後、中国株価については、9月に底打ちして戻す様子を見せ、また、総選挙についても、11月1日に再選挙が行われ、与党が単独過半数の議席を無事獲得したこともあり、2015年の9月から11月終わりくらいまでは底打ちしたような動きを見せておりました。





    しかし、11月後半から再び下落します。これは、トルコの治安悪化を懸念したものでした。





    トルコはイスラム国の活動領域(シリアやイラク)と近接しており、イスラム国についての情勢が悪化したことで、トルコリラは売られました。しかも12月にはそれに加えさらに、ロシアの戦闘機がトルコ領以内に入ったことから撃墜され、ロシアとの関係が一時大きく悪化したということもありました(ロシアの主張としては領域外であるというもので、最終的にはトルコ側が謝罪することで解決しました)





    2016年にトルコリラが下落した理由







    2016年1月に入るとさらにトルコリラは大きく下落し、年始には41.2円前後であった水準が、一時38円前後と、3円近く下落しました。2016年以降のチャートを見てみましょう。





    【トルコリラ円チャート 2016年以降】
    TRY chart1810_2016





    これは、年始から上海総合指数が大幅に下落したこと、および、「トルコで景気回復のために利下げをするのではないか」という観測が流れたことが原因です。





    まず上海総合指数については、年始にいきなり上海総合指数が3,539から3,296まで大幅に下落(6.8%の下落。中国株全体では7%超の下落によって、サーキットブレーカー(一定以上下落した時に売買が停止する制度)が発動しました)というように、大波乱の幕開けとなりました。





    また、エルドアン大統領が景気高揚のために利下げを中銀に要求したことも、その前年の2015年年始にトルコが利下げをしていたことから、「トルコが再び利下げを行うのではないか」という観測につながり、それも原因として一段と安値を付けました。





    しかし、1/19発表の政策金利で、金利の据え置きが決定され、さらにその声明の中で「インフレの抑制が重要であり、そのために慎重に金融政策を行っていく」ということで、利下げどころかむしろ利上げを示唆(インフレを抑制するためには利上げを行うのが金融の世界では定石であるため)し、そのことによって、1月20日を底に、トルコリラは若干戻す動きを見せました。





    さらに、1/29には、日銀がマイナス金利導入も含むさらなる金融緩和を行うことを決定したことにより、円安が進み(マイナス金利ということは、原理原則論としては円を買えば利息がもらえるどころかむしろ払わなければならず、そのため円売りが進みます)、それも追い風となってトルコリラは40円台を回復しました。ただし、マイナス金利の効果については、一時的なものにすぎず、結局元の水準に戻ってしまいました。





    その後、しばらくはレンジ相場だったのですが、5/5にトルコの首相のダウトオール首相が辞任したことで、トルコリラは大きく下落しました。何故この人が辞任するとトルコリラが下落するかというと、この辞任劇が、エルドアン大統領からの辞任圧力に負けてのもので、エルドアン大統領の権力拡大を市場が嫌ったためです。





    エルドアン大統領が大統領権限のさらなる強化をもくろんでいたところ、それをとめていたのがダウトオール首相だったのですが、その人が結局政治圧力に負けて辞任したことにより、エルドアン大統領の権限がさらに強化され、最終的にはトルコの金利引き下げにつながるのではないか・・・・・ということになり、トルコリラは売られました。





    なお、後任はユルドゥルム首相でしたが、この人は完全にエルドアン大統領派の人間で、「大統領権限を強化するための憲法改正」を主張し、必要とあれば議会解散からの総選挙も辞さない、という人で、実際に2016年12月に憲法改正が国会に提案され、2017年1月には承認されました。





    こうした中、トルコリラについては警戒感からあまり手が出されず、動きが小さかったのですが、6/24にはイギリスのEU離脱の国民投票で離脱派勝利による全面的な円高(リスクオフ)、その後、ポンドやユーロを除いた通貨については、ある程度元の水準に戻ったのですが、トルコリラについては、7/15に起きたクーデター未遂事件によって、再び大きく下落し、こうした政治的混乱の影響もあって、下落基調が続きました。





    11月にはアメリカの大統領選挙でトランプ氏が勝利したことによるリスクオフの円買いで、選挙当日の11月9日(日本時間)では下落しましたが、ご存知のようにその下落はすぐに戻しました。ただ、為替では円安傾向がどの通貨に対しても続く中、トルコリラについてはほぼ横ばいというように、トルコについては、政治の不透明さから上昇基調とまでは言えない状態が続きました。





    2017年にトルコリラが下落した理由







    そのような中、2017年年始に大きく下落しました。これは、政治の不透明さやエルドアン大統領の利下げ圧力、中東情勢の不安といったものに加え、トルコの経常赤字が大きくなるのではないか、との懸念によるものでした。





    その後もトルコについては、テロが断続的に発生する治安情勢や、政治的不透明性の高さから下落し、4月18日には29.5円と当時の史上最安値を付けました(なお現在この史上最安値はとっくに更新されております)。





    このような中で、トルコ中銀が通貨防衛を目的に流動性引き締め措置を取ったことや、また、政治的にも改憲案が成立し、エルドアン大統領の権限が強化されたことで、「良くも悪くも不透明性が減少した」ということで、しばらく下げ止まりました。





    しかし、10月から再び下落基調になりました。トルコリラは10/9に一時的に急落し、その後戻したものの、23日以降再び下落し、11/3にも大きく下落しました。これは、


  • アメリカとの関係悪化

  • ヨーロッパとの関係悪化

  • トルコの高いインフレ率が嫌われた



  • という3つの要因があります。





    まず10/9の一時的急落については、トルコとアメリカで互いにビザの発給を停止し、関係が悪化したことが原因でした。これについては、簡単に整理すると



  • トルコが米総領事館の職員(トルコにいるトルコ人)をクーデターに関与した容疑で逮捕

  • アメリカ大使館がそれに反発してトルコ国民へのビザ発給を停止

  • トルコがそれへの対抗策でアメリカ国民へのビザ発給を停止



  • ということでしたが、その後アメリカとのビザの問題については、徐々に解決していく見通しとなり為替は元に戻す動きを見せました(実際にその後12/29にはビザ発給が正常化しました)





    しかし、次はヨーロッパとの関係が悪化し、EU首脳会議でドイツのメルケル首相が「トルコの人権問題は受け入れがたい」「資金援助の削減を強く求める」と発言し、削減の検討が決定されました。





    トルコの人権問題というのは、昨年のクーデター後トルコでは非常事態宣言が発令され、クーデターとの関連ということで反エルドアン派に対して逮捕・処刑等の弾圧が行われていることです。例えば、最近では国際人権団体であるアムネスティ・インターナショナルの幹部がクーデターとの関連の容疑で逮捕されることもありました。





    それに加え、トルコのインフレ率が予想+11.50% であったのが結果+11.90%、さらにトルコ中銀も年末のインフレ率の見通8.7%から9.8%に引き上げたこと等もあり、トルコリラはさらに下落します。(2018年9月現在もっと悪化しておりますが、それは後述)





    その後、12月に入ると、格下げ濃厚とみられていたS&Pの格付けが据え置きとなったことや、アメリカとのビザ発給が再開される等の好材料もあり、トルコリラは12月に動きを見せました。





    2018年にトルコリラが下落している理由







    2018年に入っても、トルコリラはまだ下落が続いております。2018年に入ってからのチャートを見てみましょう。





    【トルコリラ円 2018年以降のチャート】
    TRY chart 1810_2018





    これだけ見ると、単純にトルコリラ円が下落しているだけに見えるのですが、実際は2月までと3月以降で原因は異なり、

  • 2月までは、円高が原因

  • 3月に入ってからは、トルコリラ安が原因

  • 5月にはトルコリラ安が大きく進行したが、貸出金利、政策金利を相次いで引き上げたことで少し戻した

  • その後エルドアン大統領が再任され、最安値水準を何度も更新

  • 9月以降はトルコリラが盛り返している


  • となっております。それについては、USD/TRYで見た方が分かりやすいので、そちらを見ていきましょう。(後で書くように、トルコリラは今USD/TRY7.1というのが一つの重要な節目となっており、USD/TRYで見た方が良いです)





    USD/TRY(米ドル/トルコリラ)チャートの分析







    トルコリラ円というのは、為替市場では「USD/TRY」と「USD/JPY」を合成した合成通貨ペアであり、テクニカル分析的には、「TRY/JPY」で見るより、「USD/TRY」を見た方が意味があると言われております。また、2018年に入ってから2月までのトルコリラ円の下落は、トルコリラが原因と言うより、円高が原因なのですが、それについてもUSD/TRYのチャートを見てもらった方が分かりやすいので、USD/TRYについても、簡単に分析したいと思います。まず、2016年以降のチャートを見てみましょう。





    【USD/TRY 2016年以降のチャート】
    USD TRY1810_2016





    このように、


  • 2016年は、トルコの不透明さ(エルドアン大統領の権限強化、クーデター等)や、米ドル上昇もあってUSD/TRYは上昇(トルコリラは下落)

  • 2017年始は上昇するも、2月から9月まではUSD/TRYは下落(トルコリラが上昇)

  • 2017年10月に急上昇(トルコリラが下落)

  • 2017年11月から2018年2月までは下落基調(トルコリラは上昇)

  • 3月に4.00を超えると、そこからは一方的に上昇基調(トルコリラは下落)し、一時7.1超えも

  • 最近では利上げ期待と、実際に24%に利上げしたことで、6.0付近まで戻す



  • となっております。ちなみに、先ほどから何故7.1という中途半端な数値を出しているかというと、ゴールドマンサックスが、USD/TRYが7.1を超えるとトルコの銀行に大打撃を及ぼすという予想を出しており、市場もそれに注目しているからです(ロイター 8/8)





    2018年に入ってからのUSD/TRYのチャートをより細かく見てみましょう。





    【USD/TRY 2018年以降のチャート】
    USD TRY1810_2018





    このように、2018年以降では、2月まではトルコリラが悪いというより、円高ゆえのトルコリラ円の下落であったのが、3月に入ってから急激にトルコリラが下落したというように、2月までのトルコリラ安と3月のトルコリラ安では、事情が異なることが分かります。





    まず、2月まで何故円高が進んでいたかと言うと、NYダウの急落から、株式市場が全体的に下落しており、リスクオフの空気が高まっていることが原因でした。その一方でトルコリラ自体は、ドル/トルコリラのチャートを見ても分かるように、そこまで悪くなく、単純に円高が原因で下げておりました。





    しかし、3月に入ると、ムーディーズが高インフレや経常赤字を懸念して格下げを行ったことや、経常赤字額が市場予想より悪化していたことを嫌って、トルコリラが下落し、それ以降は基本的にはトルコリラは下落基調にあります。





    5月に入ると、

  • エルドアン大統領が中央銀行に利下げ圧力をかけはじめた→トルコリラ安要因

  • アメリカがイラン核合意から離脱等、中東情勢が怪しくなる→トルコリラ安要因

  • 格付け会社のフィッチがエルドアン大統領の中銀への介入に苦言を呈す→トルコリラ安要因

  • 5月にトルコ中銀が貸出金利、政策金利と相次いで利上げし、トルコリラは上昇→トルコリラ高要因

  • 6月7日に政策金利を17.75%までさらに引き上げた→トルコリラ高要因


  • と一進一退の様相を呈しておりました。





    とはいえ、市場はさらなる利上げを求めていることや、また、6月24日にトルコ総選挙を控えていることから、「上昇トレンド」にはいたりませんでした。





    そして、その後総選挙でエルドアン大統領が勝利したことによって、一時的にトルコリラ高になったものの、エルドアン大統領の利下げ発言を受けて下落し、その中で注目されていたエルドアン大統領再任後初の政策金利発表では、市場予想が1.0%ポイントの利上げであったのに対し、結果は据え置きとなり、そこで失望売りも起こりました。





    こうした背景の中、8月に入ると、これまでに見たことないレベルでの急落が起こります。





    8月2日には、ブランソン牧師の解放を求めるアメリカからの経済制裁(これについて詳しくは後述)によって、トルコリラはこれまでぎりぎりで耐えていたUSD/TRY5.0、TRY/JPY22の壁を突破し、その後も下落基調が続き、8/10にはTRY/JPYが20円から一気に16円台まで急落、8/13にもUSD/TRYが一時7.1を超え、TRY/JPY15円台前半をつけるなど、暴落と言ってもよいレベルの落ち方をしました。





    8/10と13の下落については、これまでのトルコリラの暴落を受けて、9月に予定されていた中長期経済計画発表を、8/10にわざわざ前倒しをして、エルドアン大統領とアルバイラク財務相が演説したにも関わらず、そこで利上げや為替介入等の通貨防衛策について一切言及がないまま、トルコ国民に対して「外貨建て資産を売ってトルコリラを買いなさい」というだけという、想像を超えた無策さによって、市場が失望売りしたことと、そのタイミングを狙って、トランプ大統領がトルコへの鉄鋼とアルミニウムの輸入関税引き上げを発表したことが原因でした。





    その後は定期的にブランソン牧師の解放見通しが出たり、また、トルコで外貨預金の税率を引き上げ、トルコリラ建て預金の税率を引き下げ等もあって、トルコリラは一進一退を繰り返す状態となりました。





    そんな中で、9/13にトルコ中銀の政策金利発表があったのですが、そこで17.75%→24%と大幅に利上げ(市場予想はバラバラだったものの、中央値は21-22%程度)したこともあって、トルコリラは大きく上昇し、USD/TRYは逆に6.0を目指す動きとなりました。





    10月に入ると、消費者物価指数が市場予想以上に悪い結果であったり、アルバイラク財務相がインフレに対しての重大な発表があると言いながら、ふたを開けると「野菜と果物の値段を下げるための対策を取る」といった内容で一時的に失望売りをされたりしながらも、10月12日にブランソン牧師の公判が行われ、そこでブランソン牧師の釈放が決定されるのではないかという期待もあって、トルコリラは底堅く推移しております。





    以上がUSD/TRYの分析でした。なお、上のUSD/TRYのチャートは、サクソバンク証券のものを使っております。USD/TRYは、上で書いたようにテクニカル的には一番重要なチャートであるのですが、FX会社で取り扱いが少なく、なかなか見れる機会がありません。





    その中で、サクソバンク証券ではUSD/TRYだけでなく、南アフリカランドやメキシコペソ等も対米ドルでチャートを表示することができるので、それらのチャートを見たい場合、サクソバンク証券でも口座を持っておくことをおすすめします。





    また、サクソバンク証券については、当サイト限定キャッシュバック3,000円ももらえるので、口座開設は、当サイトから行うのがおすすめです。





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    10月12日にブランソン牧師が釈放され、アメリカと関係改善する可能性は?






    次に、トルコリラにとっての最近一番大きなテーマである10月12日にブランソン牧師の釈放はあるのか?という論点について書いていきたいと思います。





    これらについては、私は、ブランソン牧師は釈放され、トルコリラは20-22円を目指す可能性が高いと予想しております。





    アメリカとの関係改善には、上でも書いたブランソン神父の解放が一つ重要な論点ですが、このブランソン牧師というのは、アメリカ人の牧師の方で、2016年のクーデター未遂事件を起こした反政府勢力を支援した罪でトルコで拘束されており、その牧師の釈放をアメリカが求めるも、トルコ側がそれを拒否している、ということがあります。





    何故トルコが拒否しているかというと、トルコがブランソン牧師をアメリカと交渉するための「人質」と考えている節があり、実際にエルドアン大統領は、牧師の釈放の代わりにクーデター首謀者でアメリカにいるギュレン師の引き渡しを求めたり(出典:毎日新聞 7/28)、最近ではトルコ国営ハルク銀行への捜査中止を要求(出典:産経ニュース 8/20)しております。





    このようにトルコがブランソン牧師の釈放を拒否し続けていることで、8月2日にはついに経済制裁を開始し、まずはソユル内務大臣とギュル法務大臣個人に制裁を科され、8月10日にはさらに鉄鋼とアルミニウムへの輸入関税を2倍にするとトランプ大統領が発表し、今後もブランソン牧師の解放が行われない場合、さらなる経済制裁が検討されており、予断を許さない状況にあります。





    とはいえ、トルコ側も様々な条件を出しているように、絶対に解放しないというよりは、あくまで取引材料としていること、さらにアメリカ側としては、中間選挙に向けて実績を作りたく、最終的には多少譲歩しても解放を優先すると予想しております。





    最近では、アメリカ側としては、中間選挙に向けて牧師解放などの実績をアピールしたいと考えられ、トルコ側もインフレや通貨安を改善するためにはアメリカに歩み寄らざるを得なくなっていると考えられることから、ブランソン牧師も解放され、アメリカとの関係も改善に向かうと予想しております。





    10月12日にはいよいよブランソン牧師の裁判が行われますが、そこは要注目です。





    ちなみに、この裁判について、エルドアン大統領としては、「あくまで司法の判断」と言っており、現時点で解放見通しは不明としております。





    エルドアン大統領はロイターのインタビューで「これは司法の問題だ。ブランソン牧師はテロ容疑で拘束されている。10月12日に新たに審理が行われる予定で、どんな判断が下さるかはわからない。政治家は裁判所の決定に関与しない」と述べた。

    出典:ロイター9/26





    とはいえ、トルコのような独裁国家で、ここまで政治的に重要な意味を持った裁判について、「司法が独立して判断を下す」というのは、ほぼ不可能なことだと考えられ、エルドアン大統領としても「司法の判断を尊重した」という建前が欲しいのではないかと考えており、実際には釈放の可能性が高いと予想します。





    以上のことから、ブランソン牧師解放でのアメリカとの関係改善があれば、トルコリラはまたもう一段階上昇(20-22円程度)すると予想しております。





    ただし、一点心配なのは、エミンさん(トルコ人エコノミストの方で、日本でおそらく最もトルコリラ相場に精通した人)が、最新の見通しで釈放の可能性後退と論じられている点があります。





    以前、当コラムでエルドアン大統領のドイツ訪問後にトルコ政府と欧米の関係改善を期待して、ブランソン牧師の釈放の可能性も高まったと書きましたが、マッキンゼーの解雇を受け、釈放への期待が後退しました。

    出典:トルコ中銀は年内にさらなる利上げが必要!?米国人牧師の釈放期待後退で相場要注意





    もしブランソン牧師の釈放がなされなかった場合のシナリオについては、次で詳しく説明しますが、かなり荒れた相場になり、予想が難しい状態になると考えております。





    以上がブランソン牧師の釈放可能性についての私の考えでした。では、次にトルコリラの今後の見通しを詳しく見ていきましょう。





    トルコリラはどこまで下がる?トルコリラ、今後の為替見通し







    それでは、今後トルコリラの為替の見通しがどうなるか、予想したいと思います。





    結論から書くと、


  • 短期的にはブランソン牧師解放などでアメリカとの関係改善があれば、20-22円まで戻す

  • ただし、インフレ問題や対外債務の返済などは残っており、そこから先の上昇に入るのはまだ先

  • 中長期的(3-5年程度)にはエルドアン大統領の独裁体制が解消(政権交代や、IMFの介入による強制的な失脚、そこに至るまでのエルドアン大統領の「改心」等を想定)し、周辺国との問題やインフレ問題などにきちんと手を付けられるようになれば、トルコのポテンシャルを考えると伸びない理由がない



  • と考えており、そのため、投資方法としては、スワップポイントの高いFX業者で買いポジションを持つのが良いと考えております。(詳細はトルコリラFX取引、おすすめ投資方法とFX業者 | トルコリラFX比較





    その根拠を書いていきたいと思います。





    トルコリラの今週、来週の見通し






    トルコリラの今週、来週の見通しとしては、何よりも10月12日に行われるブランソン牧師の裁判で、釈放の判決が出るかどうかという点に尽きると思います。





    ここで釈放の判決が出れば、トランプ政権としても「キリスト教徒に向けての大きなアピール材料」となり、対トルコの経済制裁の解除なども期待されることから、トルコリラは20円を超えての上昇も期待できると考えております。





    一方で、ここで釈放がなされない場合、今週から来週にかけてのトルコリラの見通しは、かなり荒れたものとなることが予想され、最悪16円くらいまで下落する展開もありうると思います。





    とはいえ、そうなると、今度は逆に通貨防衛の観点から10月25日の政策金利の見通しが改善することも考えられることから、ある程度下落すると買いも入ってくると考えられ、上でも書いたように「荒れた相場」となると考えられます。(後でまとめますが、大和証券がそのような予想をしております)





    上でも書いたように、管理人個人としてはブランソン牧師釈放を予想しているので、基本的には今週・来週のトルコリラの見通しはポジティブなものと考えておりますが、この釈放がなされなかった場合は、シナリオが変わるので、注意が必要です。





    トルコリラの2018年末から2019年末までの見通し







    2018年、2019年にかけてのトルコリラの見通しについては、9月に政策金利の利上げが行われ、政策金利の見通しが改善していることや、今後ブランソン牧師解放に向けて動くと予想することから、基本的には上昇を予想します。





    そのレートとしては、過去10年間のUSD/TRYの値動きを見ていても、1.0ポイント上昇したことすら2016年に一度あるくらいであり、既に最大3ポイント上昇、年初から2ポイント上昇という現在はさすがに上がりすぎ(トルコリラは下落しすぎ)であり、USD/TRYは5.0-5.5程度が妥当な水準と考え、ドル円110円で20-22円程度と予想しております。





    【USD/TRY 過去10年間チャート】
    USD TRY1810_10year





    とはいえ、トルコのインフレは利上げしてすぐ解決するような問題ではなく、また、対外債務の返済による実需も2019年にむしろ返済が本格化することを考えると、そこからさらに上昇するというのは難しいのではないかと予想しております。





    管理人個人としては、上で書いたように短期的には上昇、その後しばらく停滞ないし下落と予想しており、19.85円で一度ポジションの半分以上を利確し、その後値動きや状況の推移を見守りながら残りのポジションの調整や今後のトレードをすることを予定しております。





    トルコリラの長期見通し予想(10年後まで)







    これまでの直近の10年間での為替推移が動いた理由と同様、今後も注目ポイントは、やはり「中国経済」「トルコのインフレ率」「トルコと欧米の関係」「世界的なリスクオフ(NYダウの動向や、Brexitの影響やトランプ大統領の行動もここに含む)」「日本の緩和が続くか」の5点が主な要因となると考えられます。





    まず、中国経済については、中国株価(上海総合指数)・経済の今後の見通しで詳しく書いているのですが、結論を要約すると、中国経済は好調だとみられているものの、再び暴落するリスクはあると考えております。





    その理由としては、中国経済は現在不動産業にかなり頼っているが、それはバブルである可能性が高いこと、買い支え等の人為的な要素は平時には耐えられてもこうしたショック時には耐えきれないといったことがあげられます。





    また、最近では米中貿易問題から大きく上海総合指数は下落しており、中国経済へのネガティブな見通しが、今後出てくる可能性はそれなりにあると考えております。その場合、円高が進行することから、トルコリラ円にとってはマイナス要素となると考えております。





    次のトルコのインフレ率については、収まるのは当分先と考えられ、今後も注目の必要があります





    直近発表のトルコの消費者物価指数は、ついに政策金利を超えた17.9%と高い数値となっており、今後どうなるか注目が必要です。(仮に今すぐ利上げをしても、インフレが収まるにはしばらく時間はかかります)





    そして、このインフレについては、引き締めをしても2019年末くらいまでは続くと考えられます。

    関連記事:【トルコリラ暴落要因】トルコのインフレ悪化の原因と、今後の見通し





    トルコと欧米の関係という点について、まずアメリカとの関係については、上でも書いたように、ブランソン牧師解放後は、しばらく安定化すると考えられますが、エルドアン大統領は基本的に喧嘩っぱやく(アメリカ以外にも、2015年にはロシアの戦闘機を撃墜してプーチン大統領と非難合戦をしていたことも)、中長期的に見るとまた問題が再燃するリスクはあります。





    またドイツをはじめとしたヨーロッパとの関係については、今後も関係が悪化する場合、トルコの経済がヨーロッパとの関係によって成り立つ部分が多い(例えば輸出の最大の相手先はドイツ)ことから、トルコリラにとっても下落要因となります。





    とはいえ、ヨーロッパの国にとっても、債権を多額に保有しているトルコがデフォルトなどを起こすと、一気に債務危機などが広がりかねない状態にあるので、今の下落局面が続いている状態で、さらに「とどめを刺す」ようなことはしないと考えられます。





    実際に、ドイツのメルケル首相も、今のトルコに対しては、「支持を表明する」としているので、これは「当面のリスク」というより、当面の危機を乗り越えられたとして、その後の問題だと考えており、そこで上値を重くする材料となるのではないかと予想します。





    世界的なリスクオフについては、これは「世界的な株安」、「戦争」、「原油の暴落」、「イギリスのEU離脱の影響がどう波及していくか」、「トランプ大統領の政策」など、正直「起こってみないとわからない」ものであり何とも言えませんが、ただ、最近の世界情勢の不安定さを考えると、こうしたリスクによって急落するリスクに備える必要はあると考えられます。






    まず最近のNYダウ安からはじまった世界的な株安状況については、NYダウ見通し予想2018年 | 最近のダウ暴落の理由と今後の見通しで詳しく書いておりますが、要約すると、現在もまだ割高水準にはあるため、再び下落調整が起こってもおかしくはない状態にあります。





    ただし、NYダウは数十年単位で見るとほぼ右肩上がりであり、一時的に調整することがあっても、長期的に低迷する可能性は低いと考えられ、長期見通しではあまり気にしなくてよいと思います。





    昨年頻繁にミサイル発射や核実験を行った北朝鮮については、最近では国際社会への歩み寄りを強調しており、米朝首脳会談も友好的な雰囲気で終了しました。そんな中で、7月に入っても核開発が続けられているというような報道がなされたものの、現時点では基本的には大人しくしていることから、リスクとして認識されることはしばらくはないものと考えられます。





    ただし、中長期で見ると、北朝鮮にとってアメリカから国を守るために核とミサイルで反撃できる状態を作るという戦略を変えるとは到底考えづらく、再びどこかのタイミングでリスクとして出てくる可能性が高いと考えられます。





    イギリスのEU離脱については、来年にはいよいよ離脱が行われますが、経済への実体的な打撃は「実際に離脱してみないと分からない(離脱するまではイギリスも従来通りの条件でEUとの交易や往来が可能)」上に、その影響もポジティブに予想する人もいれば、ネガティブに予想する人もいて、見通しは極めて難しい状態になっております。





    最後の日本の緩和動向については、7月31日の日銀の金融政策発表では、「金融緩和の副作用を懸念して、緩和路線を弱める」という事前報道もありましたが、実際には緩和の継続が明言され、また、自民党総裁選も安倍首相の勝利が予想されていることから、しばらくは警戒する必要がないと思いますが、数年後にインフレが高まってきた時には、注意する必要が出てきます。





    以上のように、トルコリラについては、短期的には20-22円まで戻すと予想するものの、そこから先は重く、ただしそんな中でインフレの改善、他国との関係改善等が地道に続けば、中長期的にはトルコの高いポテンシャルへの期待から、40円を超えて戻すと予想しております。





    また、仮に11円まで下がっても、現在の17円からでは6円、スワップで2年ちょっとで利益が出るレベルであり、かつ、中長期的にはトルコ自体の持つ人口の多さや、中東と欧州をつなぐ位置にあるという地政学的な重要性があり、経済成長も続いているのは間違いないため、中長期的な成長は期待出来て、そうした意味で、短いスパンで売るか、中長期保有目的で買いを入れる、もしくは取引単位を大きくせず、安くなった時に買う、というナンピン戦略がおすすめとなります。





    トルコリラ円は、スワップの高い会社で持っていれば1日118円、つまり年換算すると、年間43,070円(年収益率はなんと20%超!)ものスワップをもらえるため、4円くらいなら値下がりしても、スワップで持ちこたえることができます(執筆時現時点でスワップが一番高いサクソバンク証券のスワップで計算。なお、スワップが一番低いところだと1日60円)





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    有識者のトルコリラ見通し(野村證券、ゴールドマンサックス、大和証券、エミンさん)






    上に書いたのが管理人のトルコリラ見通しですが、有識者の意見もまとめましたので、それも見てみましょう。




    ざっくりとまとめると、



  • トルコリラ見通し上昇予想:エミンさん、大和証券

  • トルコリラ見通し下落予想:ゴールドマンサックス、クレディ・アグリコル(フランスのメガバンク)

  • トルコリラ見通しを明示していない:野村證券



  • というように、有識者の間でもトルコリラの見通しは大きく割れております。




    トルコリラの上昇見通し:エミン・ユルマズさん






    エミンさんは、Zai FXで毎週トルコリラのコラムを連載されておりますが、その中で、ブランソン牧師解放で20円超えという予想をされてます。




    エルドアン大統領のドイツ訪問を受けて、10月12日(金)の裁判でブランソン牧師の釈放の可能性が高まったと考えています。引き続き、牧師の釈放が実現すれば、トルコリラは20円を超えると予想しています。

    出典:エルドアン大統領のドイツ訪問は好材料!米国人牧師釈放ならトルコリラ/円20円超え




    ただし、最新の見通しでは、トルコのマッキンゼーとの契約解除から、ブランソン牧師の解放見通しが悪化したと書かれており、その点については注意が必要です。




    以前、当コラムでエルドアン大統領のドイツ訪問後にトルコ政府と欧米の関係改善を期待して、ブランソン牧師の釈放の可能性も高まったと書きましたが、マッキンゼーの解雇を受け、釈放への期待が後退しました。

    出典:トルコ中銀は年内にさらなる利上げが必要!?米国人牧師の釈放期待後退で相場要注意





    トルコリラの上昇見通し:大和証券






    大和証券のトルコリラの今週・来週の見通しとしては、基本的にブランソン牧師の釈放や、アメリカとの関係改善を予想しており、ポジティブなものと考えられます。




    今週は10月12日にトルコの裁判所で行われる米国 人牧師の聴聞が注目されます。米国人牧師の拘束は 米国との関係悪化の主因の一つでしたが、エルドアン 大統領の体面を保ちつつ、司法判断の下で釈放に至 るのではないかと市場で期待されています。


    また直近で、米国を拠点にして自国を批判していた 著名なサウジアラビア人ジャーナリストがトルコのイスタ ンブールにあるサウジアラビア総領事館で失踪したと される事件について、トランプ米大統領が懸念を表明 していました。トルコ当局は積極的な捜査協力姿勢を 見せており、米国との関係改善が進むのではとの思惑 が浮上しそうです。経済指標では、経常収支が発表さ れます。

    出典:大和証券ウィークリーレポート10/10




    トルコリラの下落見通し:ゴールドマンサックス






    一方で、トルコリラの見通しをネガティブに予想している有識者としては、投資銀行のゴールドマンサックスがあります。ゴールドマンサックスでは、2019年8月末のトルコリラのレートをUSD/TRYで7.5と予想しており、これはドル円を110円とすると、トルコリラ円のレートとしては14.6円程度となります。




    米ゴールドマン・サックスは直近のリポートで、リラの安定には「大幅な利上げと包括的な財政計画、米国との緊張緩和が必要だ」と指摘。為替スワップ制限や、カタールが支援を表明した1兆6千億円規模の対トルコ直接投資の効果は疑問だとした。1年後のリラ相場の予想を従来の1ドル=5.5リラから7.5リラへ大幅に切り下げた。

    出典:日経新聞8/24




    トルコリラの下落見通し:クレディ・アグリコル(フランスのメガバンク)






    Bloombergの英語の記事でクレディ・アグリコルのストラテジストの予想が書かれていますが、この予想は、ゴールドマンサックスより下落の度合いが大きく、USD/TRYのレートで8.3までトルコリラが下落すると予想しております。





    クレディ・アグリコル(フランスのメガバンク)のストラテジストであるGuillaume Tresca氏が2018年末にUSD/TRYは8.3くらいまで弱まると予想している。

    出典:Bloomberg(英語) 9/13





    USD/TRYのレートが8.3ということは、ドル円を110円とすると、トルコリラ円のレートとしては13.2円までの下落という予想で、かなりネガティブな予想となっております。





    トルコリラ見通しを明示していない:野村證券







    野村證券は、多くの通貨に対して、今後1年間のレートの予想を書いているのですが、トルコリラについては、10/10現在レートの予想を行っておりません





    見通しについての文章も、以下のように「今後どうなるか様子を見ましょう」という感じのニュアンスで、「あまり予想をしたくないんだろうなあ」というのが、一目で分かる感じでした(笑





    市場では、大幅利上げ後の次回10月25日の会合においては、追加利上げ見送りを予想する向きもありますが、インフレリスクの高まりや対米関係悪化などで再びリラ安が加速する場合、追加利上げの可能性も考えられます。トルコ裁判所が10月12日の審理で米国人牧師の解放に向けて前向きな判断を下すかどうかは、トルコの対米関係およびリラ相場の行方を占う上でカギを握ります。

    出典:野村證券マーケットアウトルック 10/1更新





    このように、トルコリラの見通しについては、有識者の間でも意見が分かれてます





    そのため、トルコリラに投資する場合、買いにしても売りにしても、常に逆に動く可能性は考えて、ロスカットの設定や、余裕を持ったレバレッジでの運用が重要です(逆に、多少ギャンブル要素があっても大きく利益を出したいなら、ロスカット覚悟のうえでハイレバ取引という考え方もありますが、個人的にはあまりおすすめしません)





    なお、上で書いたように、トルコリラのスワップポイントが一番高く、レバレッジ1倍でもスワップ年利回り22%超を期待できるサクソバンク証券については、当サイト限定の3,000円の特別キャッシュバックもあるので、口座開設は当サイトからがおすすめです。





    色々と見通しが分かれるとはいえ、トルコリラはレバレッジ1倍で運用していれば、価値が0にでもならない限りはロスカットのリスクも低く、サクソバンクの最低単位である5,000通貨なら、レバレッジ1倍でも10万円以内で投資できるので、まずは小さい単位から少しずつ勉強して、その中で高いスワップを貰う感覚をつかんでいくのが良いと思います。





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    なお、もう少し詳しい投資方法や、どこで取引すればいいのかという点については、別記事で解説しているので、よろしければそちらもご覧ください。

    関連記事:トルコリラFX取引、おすすめ投資方法とFX業者 | トルコリラFX比較





    なお、今回の記事でも書いたように、トルコリラの動向を読むためには「中国経済」「アメリカの動向」「トルコと欧米の関係」「世界のリスクオフ」等、様々な要素が関係しており、こんなに色々な情報をどうやって集めたらいいのかと思われるかもしれませんが、それについては無料でFX関係の為替ニュースをリアルタイムに集める方法で解説しているので、よかったらそちらもご覧ください。





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