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米ドル円見通し予想2017/11 | アメリカ経済・為替今後の予想

2017年11月24日 18:21

星条旗






今回は、2017年11月時点の最新情報も踏まえて、今後の米ドル円為替・アメリカ経済の見通しについて予想します。






また、ドルを分析する前提条件として、「アメリカ経済が好調」とか、「アメリカは世界一の経済大国」というようなことは皆さんも聞いたことあるかと思いますが、それを数字を用いて「どのくらい好調なのか」ということや、「何故好調なのか」といったことも踏まえて分析したり、トランプ大統領の今後の動向も予想もしていきますので、是非最後までお付き合いいただければと思います。






以下、

  • アメリカ経済の基本

  • 米ドルという通貨の特徴

  • これまでの米ドル円の為替推移とその理由

  • 米ドル円為替の今後の見通し予想


  • という順番で書いていきたいと思います。






    基本的に毎月更新することを予定しており、更新した際にはTwitterでお知らせしますので、よろしければフォローお願いします。







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    アメリカ経済の基本








    アメリカは、皆さんご存知のように世界最大の経済大国・軍事大国であり、もっとも世界に影響を与える国であります。






    具体的な数字で説明すると、IMFのデータによると、アメリカのGDPは2015年実績で17兆9,470億USDで、世界全体のGDPの73兆694億ドルに対して、たった1国で世界全体のGDPの24.6%を占め、軍事費については、ストックホルム国際研究所のデータによると、アメリカの軍事支出は、5,960億ドルで、世界全体の軍事支出1兆6,760億ドルに対して、たった一国で世界の軍事費の35.6%を占めるというように、文字通り桁違いの経済大国・軍事大国です。






    ちなみに、GDP、軍事費ともに世界2位は中国であり、GDPが10兆9,820億ドル、軍事支出が2,150億ドルとなっており、2位の中国に対してGDPでは1.6倍、軍事費では2.8倍というように、アメリカがいかに圧倒的かということが分かるかと思います。






    また、世界全体の経済成長が鈍化する中で、アメリカ経済はリーマンショックのあった2008年、2009年を除けば、安定して成長を続けております。






    USA_GDP1.png
    (出典:世界経済のネタ帳






    2%の経済成長というと、「安定した成長」くらいにしか思えないかもしれませんが、アメリカの場合、分母となる元々のGDPが大きいため、2%成長すると、絶対値としては非常に大きなものとなり、その結果、GDPの規模は、他の国を置き去りにして圧倒的な伸び方となっております。






    USA_GDP2.png
    (出典:世界経済のネタ帳






    何故アメリカ経済がここまで好調なのかというと、いくつか要因はありますが、代表的なものとしては、


  •  量的緩和に対して、すぐにお金を借りて投資をしようとする国民性

  •  シリコンバレーのIT企業を中心に、好調な企業に優秀な人が集まってさらに成長する好循環

  •  シェール革命による大量の安価なエネルギー資源の獲得



  • といったことがあげられます。






    まず、はじめの国民性の話ですが、アメリカは国民性として、「リスクをとってリターンをとる」というような志向を持つ人が多く、金融緩和に対して、反応が大きいということがあげられます。金融緩和をした場合、「金利が下がる→企業や投資家はお金を借りやすくなる→借りたお金を使って投資や雇用の拡大をする→景気が回復する」という効果が期待されますが、これがうまくいくためには、「金利が下がったからお金を借りて、それを投資に回す人」というのが不可欠となります。






    アメリカは、「フロンティア・スピリット」などの言葉にも表れるように、こうした時にリスクを恐れずお金を借りて投資する人が多いため、2009年の金融緩和以降、急速に経済が回復しました。






    このように、経済が回復してくると、今度は逆に「経済が過熱しすぎてインフレやバブルのリスクが高まる」ということから、利上げが検討されるようになりますが、それがまさに今アメリカで起こっていることで、「今後どういうペースで利上げをしていくか」という議論が出ているのもそのためです。






    次のIT企業を中心に人が集まってさらに成長というのは、GoogleやAppleの成長を見れば分かるように、「優秀な企業に優秀な人が集まって、さらに成長する」という好循環が働いております。シリコンバレーは「世界中のITを志す人」にとってあこがれの場所であり、ここに世界中から優秀な人が集まり、そうした人たちが協力して良い企業を作り、さらにまた人が集まる・・・・・というような状況になっています。






    最後のシェール革命については、一昔前ですと、「原油生産量の世界一位はサウジアラビア」「天然ガス生産量の世界一位はロシア」というイメージだったかと思いますが、今では原油生産量・天然ガス生産量の世界一位はどちらもアメリカになっており、価格は従来の天然ガスと比べて3分の1というように、アメリカは「資源大国」ということもできる状況になっております。






    シェール革命というのは、ものすごく簡単に説明すると、シェールと呼ばれる岩を砕いて、その中にある天然ガスや石油を取れる技術が開発されたことによって、天然ガスや石油を採れる量が「革命的なレベルで」増加したことと、そこからの社会的な影響(エネルギー資源が安くなったり、それを使って色々な技術が実現可能になること)のことです。






    2008年から2010年にかけてリーマンショックの影響で870万人もの雇用が失われたのですが、こうした経済成長の結果、それ以降は毎月大体20万人くらいずつ回復し、2014年にはリーマンショック前の水準まで雇用状態を戻し、2015年からは賃金の上昇も見られたため、「では、そろそろ金融緩和もやめるか」ということになり、ご存じのように2016年12月、2017年3月、6月に利上げを行い今後この利上げペースはどうなるか、ということに焦点が移るようになってきました。






    そして、現在アメリカの経済はかなり好調な状態が続いており、最近でもアメリカの第三四半期のGDP成長率は2.6%と予想されております。






    以上をまとめると、アメリカは金融緩和による景気拡大、IT企業を中心とした成長、シェール革命等によって、安定的に経済成長を続け、その結果、世界経済の中で文字通り桁違いの位置づけとなっており、さらには資源生産量でも世界一位になる等、圧倒的な大国となっております。






    なお、こうしたアメリカ経済により直接的に投資したい場合、Appleやディズニー、ゴールドマンサックスなどの世界的なアメリカ企業に、4万円の証拠金から投資して配当金ももらえるくりっく株365のNYダウ取引もおすすめしているので、よろしければこちらの記事もご覧ください。

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    米ドルという通貨の特徴








    米ドルという通貨の特徴としては、現在では


  • 相対的な安全資産としての米ドル

  • 今後金利が上がることが期待される数少ない先進国通貨



  • というのがあげられます。






    まず前者の相対的な安全資産としての米ドルという点では、「有事のドル買い」と言われるように、世界で何かリスク(テロ、戦争、中国株安等)があると、ドルが買われるという動きがあります。






    これは、世界の基軸通貨であるドルは、アメリカの圧倒的な経済力・軍事力といった要素もあるため、有事に買われやすく、逆に新興国通貨などは、そうした「リスク」があったときに売られ、ドルが買い戻される傾向にあります。






    ただし、「米ドル円」という観点で見た時には、「円」の方が安全資産として買われやすいため、有事にはドル安(=円高)となります






    これが何故かというと、その説明は人によって色々な説がありますが、

  • 日本は国の借金は多いものの、対外的な債権も多く、世界最大の対外純債権国(債権>債務の国)だから

  • 治安が良くて政治リスクが低いため(アメリカはテロが起こったり戦争をすることがありますが、日本はほぼない)

  • リーマンショックによってドルへのイメージが悪化し、当時の名残


  • などが代表的なものです。






    このどれが本当の理由かということは正直分かりませんが、いずれにしても、市場が「リスクがあったらドルより円を買う」という方向になっているのは間違いなく、例えば東日本大震災の時でさえ「リスクオフの円買い」が進みました。






    ですので、米ドル円で投資する場合、「有事のドル買い」といった言葉にまどわされないのが大切かと思います(一方で、例えばユーロ/ドル、ポンド/ドル、豪ドル/ドル等で投資する場合は、「有事のドル買い」で問題ありません)






    もう一つの「今後金利が上がることが期待される数少ない先進国通貨」という点については、米ドルの政策金利は1.25%なのですが、日本はマイナス金利やさらなる金融緩和を検討していたり、高金利通貨である豪ドルやNZドルも利下げのトレンドにあるというように、世界的には「金融緩和」の流れがある中で、アメリカは利上げを検討しており、今後金利が上がっていくことが期待される珍しい通貨と言えます。






    そもそも、アメリカはリーマンショック前の2006年には政策金利が5.25%だったように、元々は低金利な通貨ではなく、そのため、昔はFXと言えば、「ドルを買って、下がったらスワップをもらい、上がったら売って為替差益をとる」という、キャリートレードをする人がほとんどでした。






    アメリカが利上げを検討しているのも、こうした「リーマン以前のように金融を正常化」させることを目的としたもので、このように経済成長が続き、雇用が堅調であれば、その時期がいつになるかということはともかくとして、「高金利通貨」としての側面も出てきて、その時にはまた「キャリートレード」が主流になる時代が来るのではないかと考えております。






    これまでの米ドル円の為替推移とその理由








    それでは、これまでの米ドル円がどのように推移してきたか見てみましょう。まずは、直近5年間のチャートを見てみましょう。






    USD chart1711_0






    このように、2012年12月に安倍内閣が成立して以降、2015年8月までは一貫して「ドル高、円安」の傾向にあったのが、8月以降は下落トレンドに変わって2016年に入り一段と下落し、ただ大統領選挙後は上昇基調で、ただ今は上昇基調は終わり今後どうなるか・・・・・という状態になっております。






    民主党時代は、金融政策について、「たまに円売り介入をするだけで、全体的な金融緩和をしない」という方針であったため、米ドル円は歴史的な円高水準になっていたのですが、それがいわゆる「アベノミクス」によって、大幅な金融緩和を宣言し、実際に実行したこと、また、アメリカの経済について述べたように、アメリカ経済も順調にリーマンショックのダメージから抜けてきて、「米ドルの利上げ」という機運もあったことにより、一貫して米ドル円はドル高・円安の方向となっておりました。






    しかし、2015年8月にある出来事が起こったことで大きく下落し、その後一時戻すも、12月以降また下落トレンドに入り、1月に一瞬戻すも、すぐにまた下落した、という状態になりました。






    以下、詳しく見てきましょう。






    2015年8月に米ドル円が大きく下落した理由








    2015年8月に米ドル円が大きく下落したのは、中国の株価が大幅に下落したことが原因で、特に8月24日には、米ドル円が120円を切り、日経平均が2万円を割るなど、大きな動きとなりました。






    当時の中国株価の下落は、以下のチャートをご覧ください(2016年2月時点の上海総合指数の半年間の推移)




    shanghai1602.png






    このように、中国株価は8月に大きく下落しました(何故暴落したのか、その後どうなったのか等は、中国株価(上海総合指数)・経済の今後の見通し2016年で書いておりますので、そちらもご覧ください)






    こうしたことが起こると、上でも書いたような「リスク回避の円買い」が起こるため、米ドル円についても、円高(=ドル安)ということになりました。






    2015年9月から12月までに米ドル円が戻した理由








    先ほど8月に大きく下落したのは中国が原因だと書きましたが、逆に2015年12月まで戻す調子だったのも、中国経済への底打ちという見通しによるものでした。






    先ほどのチャートでも分かるように、中国株価は9月から12月までは安定して推移しており、こうした底打ち見通しや、また、利上げ観測の高まりもあり、米ドル円は12月までは戻す動きを見せておりました。






    2015年12月から2016年1月に米ドル円が下落した理由








    しかし、12月に入ると、また米ドル円は下落し、1月に入るとさらに落ちました。直近2年間のチャートを見てみましょう。






    USD chart1711_01






    まず12月に米ドル円が下落した理由は、原油価格が大きく下落したことや、ロシアとトルコの関係悪化、イスラム国の活動に対してロシアが核ミサイルの使用を示唆する発言をする等、世界的にリスクオフの動きが大きく広がったことが原因となっております。






    このあたりでは、リスクオフによってほとんどの通貨で円高に振れており、米ドル円も例外ではなく、円高に振れました。






    アメリカは2015年12月に利上げを実施したのですが、このこと自体は市場が完全に織り込んでいたため特に為替相場に影響を与えることはなく、まさに相場の格言である「噂で買って事実で売る」というようなことになりました。このあたりは、市場に対して利上げの空気を浸透させ、その中で為替相場にショックを与えずに利上げを実施したFOMCの手法がうまかった、ということも可能です。






    そして、その後1月に大きく下がったのは、再び中国経済の影響や、サウジアラビアとイランの対立によるリスクオフやが原因となります。中国株価(上海総合指数)は、例えば年始には「連日株価が7%下落したためサーキットブレーカーが発動した」というのを聞いたかと思いますが、1月にふたたび大きく下落しました。






    また、1月にはサウジアラビアとイランの対立、北朝鮮の水爆実験など、様々な「リスク要因」がクローズアップされ、それによって、米ドル円についても円高が進みました。






    2016年1月末に米ドル円が一瞬上昇し、すぐ下落した理由








    1月末に一瞬上がって、すぐに戻した動きがあったかと思いますが、これは、1/29に日銀がマイナス金利導入も含む追加金融緩和を発表したことによるものでした。






    これについては一瞬市場は全面的な円安に振れたのですが、マイナス金利の導入は逆に言うと「これ以上の追加緩和が難しい」ということの表れにもなってしまい、すぐに戻してしまい、効果はほとんどありませんでした






    2016年4月に米ドル円が下落した理由








    2016年3月の終わりから4月にかけて、米ドル円は再び下落しました。これは、3/16のFOMCの声明発表で、アメリカの利上げペースを、元々の年4回というものから2回に引き下げられたこと、及び、4月に入ってからは安倍首相が「恣意的な為替市場への介入は慎まなければならない」と発言したことによるものです。






    その後は麻生大臣が「急激な変化は最も望まない」と述べて上がったり、米財務省が日本を為替介入の監視国としてあげたことによって下がったり、それに対して麻生大臣が「為替介入の用意は当然ある」と発言して上がったりというように、一進一退を繰り返し、レンジ相場となりました。






    なお、4月の終わりに大きく下落しているのは、4/28の日銀発表で、さらなる追加緩和が発表されるのではないかという市場の期待があった中、追加緩和がなかったことによる失望売りが原因で、ただ、それも大きく大勢に影響を与えることはなく、一進一退のレンジ相場が続いていました。






    2016年6月に米ドル円が下落した理由








    4月から5月にかけてはレンジ相場を形成していたのが、6月に入ると明確に下落トレンドとなりました。






    6月に入って下落した理由は、イギリスのEU離脱の国民投票で離脱派が優勢という観測から、リスク回避の円買いが進んだことによる影響です。実際の投票直前には「やはり残留派が勝つだろう」という予測から上がりましたが、結果はみなさんご存知のとおり、離脱派が勝利し、それによって大きく円高が進みました。






    2016年7月に米ドル円が少し上がってすぐ戻した理由








    7月以降も、大統領選挙まではレンジ相場が続き、方向性が見えない展開が続きました。7月に入ると、Brexit(イギリスの離脱)で大きく売られた反動と、日本の参院選で自民党が圧勝したことにより、アベノミクスがより強く進められるとの見通しから、円が一時的に売られ、ドルが上がりました。






    しかし、こうした日本の経済政策についての期待も、前回のマイナス金利の時と同様やはり長続きせず、すぐに戻すこととなり、次の焦点としては、11月の大統領選挙がどうなるか、利上げが今後どうなるかということにシフトしていき、その中でレンジ相場が形成されました。直近1年間のチャートで見てみましょう。





    USD chart1711_1







    2016年11月の動き








    日本時間11月9日、アメリカの大統領選挙が開票され、その結果、トランプ大統領の誕生が決定しました。






    これに対しての市場の反応は、上で書いたように「定石通り」一時的に大きく下落しましたが、その後トランプ氏もしばらくは「おとなしく」していたことや、保守的な政策よりも財政支出や減税等の「ドルを強くする」政策が強調されたこともあり、米ドルが強くなり、逆に「安全資産」である円は売られました。






    2017年に入っての動き








    2017年に入ると、ドルの上昇は止まり、若干の下落基調となりました。






    3月から4月にかけて下落しているのは、3月には医療保険制度改革が議会で賛成を得られない見通しとなり、撤回したことが大きな要因となっております。






    これは、トランプ大統領が議会をコントロールできていないことを市場が嫌ったもので、医療保険制度改革以上に反対派も根強い減税・財政支出増加といった、「トランプ相場」の要因となっていたような政策を実行できるのかということについて、かなり大きな疑問がつけられたことによる下落です。






    また、4月に入ると北朝鮮による挑発行為もあって、全体的に「リスクオフによる円高」に振れておりました。






    しかし、北朝鮮についても注目度が下がる中、ドルは全体として大きな方向性はなく、上がったり下がったりを繰り返しております。直近半年のチャートが以下の通りです。






    USD chart1711_2






    米ドル円為替の今後の見通し予想








    それでは、今後の米ドル円為替の見通しを予想したいと思います。






    結論としては、2017年中は基本的にはレンジが続き、2018年末予想は116円~120円、中長期で考えた時には一時的にリスクオフで下げることはあっても最終的には上昇と予想しております。






    以下、具体的に説明していきます。






    まず、2017年というスパンで見た時にどうかというと、この場合レンジが継続することを予想します。






    その根拠を書いていきます。






    まず、トランプ大統領の動向については、「税制改革」「公共投資」など、米国景気にとってプラスとなる政策が現実に実行されることとなれば、それはプラス要素にも働きえます。ただし、実際にそれらを実現できるか、ということについてはきちんと考える必要となります。






    例えば、税制改革法案については、トランプ大統領の支持率が下がり、また、議会としても基本的に減税はあまり好まれない中、議会で通って実際に実行まで移されるか、という点について、論点になると考えております。






    アメリカは大統領制とはいえ、大統領が好き勝手できるわけではなく、議会の協力が得られない場合、ほとんど大統領は何もできない状態になります。これは「レイムダック(死に体)」という言葉にも象徴されますが、大統領の支持率が落ちたり、あるいは任期終了間近になると、議会が大統領の指示に従わなくなり、結果法案どころか予算すら通らない、というような事態に陥ることもあります。






    そのため、「税制改革法案が出されたとして、それが承認され実施されるか」ということになると論点が異なり、「法案提出」で上がったドルが「実際の実効性」ないし「減税の幅」等で失望売りされるということは、ありうると考えております。






    アメリカ議会上院は10月19日、多額の財政赤字を認めた2018年度の予算の大枠を定めた決議案を賛成51、反対49で可決し、税制改革について一歩前進しましたが、ここでもかなりの僅差での可決であり、また、これについても今後下院でも可決され、さらにその上で税制改革についても過半数の賛成での可決が必要というように、まだハードルは多くあり、今後どこまで実行できるのかということを注目する必要があります。






    次にアメリカの利上げという点については、2016年12月、2017年3月、6月に利上げが実施され、今後どのくらいのペースで実施されるかというのが注目されております。






    市場の予想では2017年のうちにもう一回利上げが実施されるというのが予想されておりますが、これについてはそれ以上の利上げを行うことは考えづらく、そのため少なくともプラス要素とはならないと考えております。






    10月から開始されるFRBのバランスシート縮小については、中長期的にはアメリカの市場金利の上昇に繋がり、日本との金利差からドル円に対してプラスになると考えられます。ただし、FRBの売却は「徐々に行っていって最後に大きな金額となる」という性質のものであり、その方針自体は既に織り込まれているため、短期的な影響ではなく、中長期でのドル円上昇要因にとどまると考えられます。






    このバランスシート縮小について簡単に説明すると、金融緩和の際に市場から国債等を買うことで、市場にお金を回す(FRBが買うことでその代金であるキャッシュが市場で増える)ことをしていたのが、緩和の終了に伴い、徐々に売却していくというものです。






    これをするとどうなるかというと、

  • 市場で国債が多く売られる

  • 国債の価格が下がる(需要と供給の関係で、売りが多いと値段が下がる)

  • 国債の利回りが上がる

  • 市場金利も上がる(例えば銀行が低い利率でどこかの会社に貸すより、利回りの上がった国債を買った方が得なため、市場の利回りも上がる)


    ということです。






    国債の価格が下がると国債の利回りが上がるというのは、例えば1年後に100ドル償還される国債を99ドルで買えると100÷99=101.01%⇒1.01%の利回りであるのに対し、国債を例えば97円で買えれば100÷97=103.09%⇒3.09%の利回りになり、利回りが上昇するという意味です。






    このように、アメリカ国内の状況としては、


  • 税制については、今後も材料が出てくると思われるが、2017年内では明確に決定するものではない

  • 利上げについては、年内もう一回という予想を上回るとは考えづらい

  • FRBのバランスシート縮小は、短期的な影響というより長期的な上昇要因



  • と予想しております。






    次に、アメリカ以外の情勢を考えてみます。まず中国経済については、中国株価(上海総合指数)・経済の今後の見通し2017年で詳しく書いておりますが、結論的には中国の経済は底打ちしたように見えつつも、経済を支えている不動産業がかなりバブルに近い状態になっていることから、リスクはあると考えております。






    北朝鮮情勢については、北朝鮮のミサイル発射と核実験考察 | 今後の戦争の可能性と被害想定で詳しく書いておりますが、短期的に戦争になる可能性という点ではそこまで高くないと考えておりますが、中長期ではどこかで衝突が起こるものと考えております。





    今後トランプ大統領が中国や日本、韓国に訪問する中で、北朝鮮についても当然論点となると考えられ、ここについては注目が必要と考えております。






    イギリスのEU離脱については、経済への実体的な打撃は「実際に離脱してみないと分からない(離脱するまではイギリスも従来通りの条件でEUとの交易や往来が可能)」上に、その影響もポジティブに予想する人もいれば、ネガティブに予想する人もいて、見通しは極めて難しい状態になっております。






    これについては正直なところ、変動相場制になってからこのレベルの事象が起こったことがないため、「どちらに振れるか」「どれくらい動くか」ということについての見通しはかなり難しく、したがって「リスク」として考えておいて、ロスカットなどをしっかり入れておくことが重要かと思います。ただし、2017年の内にこれについて大きな動きが出てくるとは考えづらく、実際に交渉が本格化していく中でどうなっていくかといのがポイントと考えております。






    日銀の政策については、金融緩和の継続が市場のコンセンサスとなっており、先日の衆議院選挙でも自民党が勝利したことから、これについてはあまり大きな影響はないと考えております。






    前回の参議院で自民党勝利によってアベノミクスの期待で円安方向になりましたが、これも長続きせず、すぐに戻りました。また、10/22の衆議院選挙でも、10/23の12:00時点で、若干上昇したものの、戻す動きも見せいていることから、この自民党勝利による影響もそこまで大きなものではなく、長続きもしないと考えております。






    このようなことから、「短期的に影響を与える要素」はあまり多くなく、むしろ中長期的に「上がる要素」と「リスク要素」が混在しているため、短期的にはレンジが続くものと予想しております。






    ただし、中長期で見た時には、リスクはある一方で、アメリカが経済的にも軍事的にも世界最強国であり、現在の経済状態も非常に良いことは間違いなく、そうした経済状態から利上げ、バランスシートの縮小があることから、一時的にリスクオフで円高になることはあっても、最終的には金利差が拡大することでドル円は上昇に向かうことが予想され、2018年末時点では、116円~120円を予想します。






    以上、2017年中は基本的にはレンジが続く、中長期で考えた時には一時的にリスクオフで下げることはあっても最終的には上昇というのが米ドル円についての今後の見通し予想です。





    この記事でも、「アメリカの減税政策」「FRBの金融政策」「中国経済」「北朝鮮情勢」「EUの状況」等、様々な要素が為替に影響すると書きましたが、為替については、様々なものの影響を受けるというのが予想を難しくする要因としてあります。






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