2010年04月28日 22:05
今回は、「ファンダメンタルズ分析」について説明をしたいと思います。
まず、ファンダメンタルズ分析というのは、非常に大雑把にいってしまえば、「この国の経済状況がこうだから、為替はもっと上がるはず(あるいは下がるはず)」と予測することです。例えば、「アメリカ経済はこれから持ち直すだろうからドルを買っておこう」とか、逆に「アメリカ経済はだめになるだろうからドルを売っておこう」という感じです。
この方法は、実体経済と言うしっかりと実体のあるものをバックに持つため、確実性のある予測をすることができます。ですが、この方法には、一つ大きな落とし穴があります。
それは、「じゃあ、経済って何?」ということです。
人によっては、「GDPの成長率だ」というでしょう。また別の人であれば「消費者の景況感だ」というでしょう。また、海外の高い金利を目的として投資をしている人は、「金利」という指標を重視するでしょう。このように、「ファンダメンタルズ」と一言で言っても、「どの指標が大事なのか」というのが分からないということです。
「じゃあファンダメンタルズって役に立たないの?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。大事なのは、「どの指標を見ればいいか」ということです。
で、ここで思い出していただきたいのが、前回の記事でも書いたように、「為替が動く理由は、投資家の期待だ」ということです。「投資家の期待」、つまり究極的にはこれが大事なんですね。ここから、ファンダメンタルズ分析を行う上で重要な、2つのことが分かります。
まず1つ目は、「どの指標を見るか」ということです。これはつまり、「その時の投資家が気にしているであろう指標」ということです。これではなんの答えにもならないように思われるでしょうが、例をあげて説明したいと思います。
例えば、今のアメリカ経済の「問題」というのは一般になんだと考えられているでしょうか?それは、サブプライムの破綻からはじまった金融商品や不動産への信頼の低下、さらにはそういった経済の停滞に伴なう大量失業というのが「一般的な」回答ではないでしょうか。
ということは、じゃあ「金融商品市場や不動産市況が活性化した」とか、「雇用が改善された」というニュースは、当然投資家も重要視するものとなるはずです。実際、ここ1年くらい、「非農業部門雇用者数」や「中古住宅販売件数」がドルレートに非常に大きな影響を与えております。一方で、オーストラリアドルや南アフリカランドなどは、高金利を狙った投資が多いと考えられるため、金利の低下などが起これば大幅に価値を下げる可能性もあります。
このように、「その国の経済状態で、今どこが注目されるだろうか」ということを考えて、そこで重要と考えられる指標を見るようにするというのが答えとなります。これは「どこの国か」というのや、「いつの時代か」というのが非常に重要になってきます。実際に、アメリカの貿易赤字が拡大していた頃には、貿易収支が一番重要な指標とされておりました。「今この国の経済ではここが注目されている」ということをきちんと考えるのが大事だというのが、1つ目のポイントです。
2つ目のポイントは、「大事なのは投資家の期待だ」ということで、つまり、実際に何かが発表される前でも、その国の指標について「マーケットの予想」が出た時点で、価格に反映されるということです。この「予想」には経済アナリストの分析もあれば、政治家の発言なども影響を与えます。
ですから、例えば「アメリカで非農業部門雇用が6万人の増加となった」ということが発表されたとしても、それ以前の予想で「20万人の増加」となっていれば、予想より低い結果となっているため、ドルの価値は下がる可能性が高いということです。
この市場の予想というのは、FX業者に口座を開いていれば、様々な情報をFX業者が提供してくれて、それである程度把握することができます。「ある程度」というのはこれはあくまで「予想」ですから、色々な見方があるのが当然で、そこの業者が出す情報というのは、あくまでその中の一つに過ぎないから「ある程度」としました。だからこそ、FXはできるだけ多くの業者に口座を持つべきなのですが、それについては後日詳しい記事を書きたいと思います。
とにかく、経済指標が発表されるときに大事なのはあくまで「予想と比べてどうか」ということであって、経済指標を単体で見てもあまり意味はないと言うことです。
以上のように、ファンダメンタルズ分析においては、「投資家がどの指標を重視していて、そして、それがどうなると予想されているか」というのが一番大切になってきます。そこを意識して投資するだけでも、結果はかなり変わってくると思います。
さて、次回は「テクニカル分析」について、その「意義」を書きたいと思います。「そもそもなんでチャート見ただけで未来の予想がつくはずがあるの?」という疑問にお答えしますので、お楽しみに。
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