ズロチ、ユーロさや取りは危険?リスク・利回りをバックテストで検証

2018年09月27日 17:56

【バックテスト検証】




最近FXトレーダーの間で、為替リスクを抑えながら利回り10%超のスワップポイント運用も狙えるという、ポーランドズロチ買い、ユーロ売りのさや取り運用が大流行の兆しを見せており、私も運用をはじめました。

関連記事:【当サイト限定3,000円のキャッシュバックあり】ズロチとユーロのさや取りはじめます【実績公開】





この記事でも書いてますが、私の設定は、



  • 使う会社:FXプライムbyGMO

  • 投資資金:25万円

  • ポーランドズロチ買い:5万通貨

  • ユーロ売り:1万通貨



  • としております。「ポーランドズロチ・ユーロさや取り運用」なんて書くと難しそうに見えるかもしれませんが、要はFXプライムbyGMOに25万円入金して、5万ポーランドズロチを買って、1万ユーロを売ったというだけで、何も難しいことはしておりません(笑





    そんな中で、つい先日当サイト管理人のTwitterのフォロワー数が1,000名を超えたこともあって、その感謝も込めて管理人が自分の投資の検証用に作ったバックテストツール(Excel。マクロ機能は使っておりません)を期間限定で公開しました。(2/11追記、3,000フォロワー達成記念に再公開しました!)

    ズロチ・ユーロサヤ取りシミュレーター





    そこで、今回はこのツールを使って、ポーランドズロチ買い、ユーロ売りのスワップポイントさや取り運用の最強設定は一体何なのか?ということを検証したいと思います。また、その検証の中で、色々と面白いことも分かったので、それも合わせて公開します。





    そもそもズロチ・ユーロサヤ取りの危険性(リスク)を、どのようにして検証するか?







    ズロチ・ユーロサヤ取りは、基本的には「長期で安定してスワップポイントが欲しい」という人に向けた戦略です。





    こういう場合、基本的には含み損があっても放置するので問題ないが、ただし「ロスカットされるのはまずい」ということで、危険性の評価とは、ロスカットされるかどうかという点だと考えられます。





    そこで、私の作成したバックテストツールでは、2008年以降にあったユーロとズロチのレートを日ごとにとって、ズロチ・ユーロサヤ取りにとって最悪の日のレートでロスカットされる可能性があるかどうか、という点を、危険性の評価としております。つまり、これは、ドル円の買いで言うと、「2008年以降のレートで、最も低いレートになった時にロスカットされるかどうか」というようなものです。





    スワップ投資や自動売買でも、「過去〇年の安値でも耐える」というような考え方をすることが多いと思いますが、それと同じ発想で作ったのがこのバックテストツールです。





    このバックテストの結果で、

  • 直近3年の最悪レートでロスカットされるなら、危険

  • 直近3年は耐えるが、5年の最悪レートでロスカットされるなら、それなりに危険

  • 直近5年は耐えるが、10年の最悪レートでロスカットされるなら、それなりに安全

  • 直近10年の最悪レートで耐えるなら、安全


  • というように評価し、その場合、利回りがどの程度であったかを検証しました。





    このように検証した結果、以下のようなことが分かりました。





  • ポーランドズロチ5万、ユーロ1万で、危険を抑えるなら必要資金は〇〇万円。利回りは?

  • ポーランドズロチ5万より、4~4.3万の方が低リスク。利回りは〇%ポイント落ちる

  • 使用口座をFXプライムbyGMO VS くりっく365で利回りの違いは〇%ポイント

  • ポーランドズロチ買いだけより、ユーロ売りもした方が同じ資金量でも安全

  • ポーランドズロチ単独で買う場合、安全なレバレッジは〇倍

  • 2008年開始想定のバックテストの結果が非常に悪い。その理由は?

  • 今はポーランドズロチ・ユーロさや取り運用開始に良い時期

  • 結論:ポーランドズロチ買い、ユーロ売りさや取り運用は有用




  • もちろん、このシミュレーションは過去の相場や、今時点の情報からいくつかの仮定を置いたうえで、簡易的に検証したものであり、この数字が絶対というわけではないので、あくまで一つの参考データという位置づけとして、投資は自己責任でお願いします。





    それでは、それぞれ説明していきます。





    ポーランドズロチ5万、ユーロ1万で、危険をおさえるのに必要資金は〇〇万円。利回りは?







    まず私の設定をこのツールに入れると、このような結果になりました。





    output1.png



    この「安全性」や「為替差損益込みの平均年利回り」については、【期間限定ツール公開】ズロチ・ユーロさや取りシミュレーターで詳しく説明しているのですが、ざっくりというと、





    安全性:過去3年の相場でロスカットされたら危険、5年なら少し危険、10年ならそれなりに安全、10年で耐えられるなら安全
    為替差損益込みの平均年利回り:バックテストでの為替差損益+想定スワップ類型額で算定(年率)





    というものです。つまり、私の設定では、過去5年間の相場では耐えられるが、10年では耐えられない、想定スワップ利回りは11%で、為替差損益込みだと6.0%という意味です。





    為替差損益込みで利回りが落ちる理由は、下で詳しく書きますが、2007年や2008年のレートが今とかなり離れていたことと、2018年がレートが悪い方向に動いた割りに、スワップはまだ1年分も貯まっておらずマイナスになったことが原因で、その期間を除くと10.6%となり、おおむねスワップ想定利回りと同じ結果になります。




    では、これを安全になるように投入資金を色々といじっていると、32万円なら安全という結果になりました。





    output2.png





    この場合、想定スワップ利回りは8.6%まで落ちます。その差分は2.4%ポイントで、これをどう考えるかということですが、私は、5年間大丈夫であれば、困った時に資金を追加すればいいという判断で、このリスクを受け入れることにしました。





    この辺りは、人によって考え方が違う部分だと思いますので、もしポーランドズロチ5万通貨、ユーロ1万通貨で、10年間(リーマンショックも含むように2008年全体を入れてます)耐えられるようにしたいなら、32万円入れるのもありだと思います。





    ポーランドズロチ5万より、4~4.3万の方が低リスク。利回りは〇%ポイント落ちる







    次に、トレーダーの間でも好みが割れている、ポーランドズロチの最適量は一体どこなのか?ということを検証します。大体皆4万、4.3万のどちらかなので、その両方を見てみると、実は、ポーランドズロチ買いを4万にしていれば、10年間耐えられる計算になります(4.3万だとぎりぎりアウト)





    【ポーランドズロチ買い4万通貨のケース】
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    【4.3万通貨のケース】
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    このように、想定利回りは11%からそれぞれ8.8%、9.4%まで落ちますが、安全性は高まります。基本的にリスクが高くなればリターンも高くなるものなので、この違いは自然なことだと思っております。





    その上で、私が何故5万通貨を選んだかというと、


  • 4万通貨とはスワップ利回りが2.2%ポイントも違って、さすがに差が大きい

  • 4.3万通貨も同様に利回りが1.6%ポイント違い、さらに1,000通貨単位で3銭の手数料やスワップも端数切捨てになるのが嫌



  • というのがその理由です。





    なので、ここも先ほどと同じように、どちらが良い、悪いというよりは、リスクとリターンの関係をどうとらえるかによって、好みが割れる論点だと思います。





    使用口座をFXプライムbyGMO VS くりっく365で利回りの違いは〇%ポイント







    次に、FXプライムbyGMOとくりっく365での想定利回りの差を見てみましょう。FXプライムbyGMOではスワップ想定11%、為替差損益込みで6%だった私のポジションで、そのままスワップの金額だけ変えて見てみましょう。





    output5.png





    このように、スワップ想定利回りは11%→9.9%で、1.1%ポイントの違い、為替差損益込みでも6.0%→5.0%と1.0%ポイントの違いとなります。





    もちろん、リスクは変わらないので、やはり基本的にはスワップ条件の良い方でやった方が得で、利回りにもそれなりに大きな影響を与えることが分かります。なので、FXプライムbyGMOを別の通貨ペアで使っている等の事情がなければ、FXプライムbyGMOでの取引をおすすめします。





    なお、FXプライムbyGMOは、当サイト限定の3,000円の特別キャッシュバックもあり、管理人のポジションをマネしてもらえると、このキャンペーンの条件を満たすこともできるので、口座開設は当サイトからがおすすめです。





    口座開設は、FXプライムbyGMOから。





    ポーランドズロチ買いだけより、ユーロ売りもした方が同じ資金量でも安全






    これは、シミュレーションをいじっていて気が付いたなかなか面白いことで、資金量を同じ、ポーランドズロチの買い数量も全く同じのままでも、ポーランドズロチ単独で買うより、ユーロ売りも組み合わせた方が安全性が逆に高まることが分かりました。




    【ポーランドズロチのみ5万通貨買った時の結果】
    output6.png





    操作としては、ユーロ売り1万通貨を消しただけなのですが、これを消すと、それなりに安全→危険と、いきなりリスクが上がります。




    これが面白いのは、レバレッジ自体は11.51倍→6.19倍とユーロがなくなった分だけ下がっており、にも関わらず、ロスカットされる危険性は増しているということです。





    何故こんなことが起こるかというと、ユーロ売りが為替差損をカバーしているおかげで、いわゆる「ヘッジ」と呼ばれる効果があるためです。





    投資の世界では、よく「値動きが異なるものに分散投資しろ」と言われ、例えば米国株(リスク資産)と金(安全資産)への分散投資などは代表的ですが、「ユーロ売り」と「ポーランドズロチ買い」は、値動きとしてはほぼ真逆であり、分散投資の効果を持ちます。(ポーランドズロチとユーロの値動きがほぼ同じなので、ポーランドズロチ買いとユーロ売りだと逆になります)




    そのため、このポーランドズロチ買い・ユーロ売りというポジションは、レバレッジは11倍とかなりのハイレバレッジですが、それにしては比較的安全性の高い投資となっております。





    ポーランドズロチ単独で買う場合、安全なレバレッジは〇倍






    ポーランドズロチ買いだけにしてみたので、せっかくなので、「じゃあどのレバレッジならズロチ買いだけで安心なのか?」ということも検証したいと思います。ポーランドズロチ買い5万に対して25万円の資金(レバレッジ6.19倍)では「危険」と出ましたが、これが変わる水準まで資金を増やしてみます。




    すると、36万円まで資金を増やすと「それなりに安全」に変わりました。





    output7.png




    この時レバレッジは4.3倍で、想定スワップ利回りは7.6%となりました。なお、ポーランドズロチについては、最安値が過去3年間と過去5年間で同じ(2016/6/28に記録した25.08円)なので、「少し危険」という水準はありませんでした。





    では、これが「安全」まで変わるのはいくらか、また資金を増やしてみましょう。すると、52万円で安全に変わりました。





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    この時レバレッジは2.98倍、想定スワップ利回りは5.3%となりました。





    FXの世界では「長期投資ならレバレッジ3倍以内が基本」とはよく言われますが、この一般論はポーランドズロチについても当てはまり、ちょうど3倍くらいであれば、過去10年間の最安値をつけてもロスカットされないことが分かります(なお、過去10年と言いながら、リーマンショックの動きを含めたかったので、2008年初からの数字で計算しており、つまりリーマンショック後の下落のレートでも大丈夫ということです)





    そして、ポーランドズロチ5万通貨で「安全水準」の資金が52万円、想定スワップ利回りが5.3%に対して、そこにユーロ売り1万通貨を付け加えると、資金は32万円、想定スワップ利回りは8.6%で済みます。





    (再掲:ユーロ1万通貨、ポーランドズロチ5万通貨で安全になった時の画像)
    output2.png






    そのため、単純にポーランドズロチを買うだけではなく、ユーロ売りを組み合わせてさや取り運用する方がおすすめです。





    2008年開始想定のバックテストの結果が非常に悪い。その理由は?







    実は、バックテストの結果を見ると、2008年開始と2018年開始の時にかなり悪い成績となります。





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    これは何故かというと、2008年と2018年(今年)の年初は、ユーロ/ポーランドズロチが3.61、4.15と現在の4.29という水準と比べて低く、為替差損が出てしまうためです。





    output10.png





    ユーロ/ポーランドズロチというのは、ユーロを買ってポーランドズロチを売る取引で、今回のさや取りとちょうど反対の取引なので、ユーロ/ポーランドズロチが上がれば損、下がれば利益になります。





    なお、これを見ると2007年も3.84とかなり低い数字になってますが、それでもスワップを貰える期間が長いので、トータルではプラスとなっております(とはいっても、年収益率が他の年より少ないのはその為替の変動が原因です)





    今はポーランドズロチ・ユーロさや取り運用開始に良い時期






    このように、ユーロ/ポーランドズロチが上がれば損、下がれば得ということは、ユーロ/ポーランドズロチが高い時に始めれば得、逆に低い時にはじめれば損になりやすいことになります。





    そして、過去の平均から見ると、今は過去の平均と比較してレンジのほぼ真ん中でありながら、ユーロ/ポーランドズロチが若干高い水準にあり、はじめるのには良い時期と言えます。





    output11.png




    結論 ポーランドズロチ買い、ユーロ売りさや取り運用は有用







    以上、長々と書きましたがこのポーランドズロチ・ユーロさや取りシミュレーターで色々と分かったことでした。





    結論としては、ポーランドズロチ買い、ユーロ売りという戦略は、



  • 単にポーランドズロチだけ買うより低リスク

  • 10倍程度までレバレッジを高めても過去10年のレートでロスカットされないようにもできる

  • スワップ利回りもよく、今は為替レートとしてもはじめるのによい時期



  • ということで、かなり有望なんじゃないかと思っております。





    このポーランドズロチ・ユーロを取引するのにおすすめのFX業者は、上でも書いた通りFXプライムbyGMOなのですが、当サイトからの申込限定で、3,000円の特別キャッシュバックもあるので、口座開設は当サイトから是非どうぞ。





    口座開設は、



    FXプライムbyGMO
    FXプライムbyGMO



    からできます。





    またフォロワー数が増えていったら、こういう感じの企画を考えますので、この記事を面白いと思っていただけたなら、是非当サイト管理人のTwitterアカウントのフォローをよろしくお願いいたします。(普段はFXや資産運用についての有益な情報や、様々な通貨の見通し、重要イベントや経済指標の結果予想、経済政策へのコメント等をつぶやいております)











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    トライオートETFのデメリットやリスク(運用実績あり)

    2018年09月24日 09:19

    triauto demerit






    トライオートETFは、ETF(上場投資信託)を全自動売買できる唯一のツールで、最近有名ブロガーのイケダハヤトさんもはじめられたことで、一気に有名になったものでした。



















    トライオートETFでは、例えばNASDAQ(米国株の指数)や日経平均、MSCIワールド(世界株の指数)に連動した投資信託や、金(ゴールド)や原油といった資産にも個人で投資できることで、一部の投資家の間では非常に人気の高いサービスで、実際に私が参加した非公開の金融系セミナーでも話題になっておりました。(詳しくは、トライオートETFで自動売買開始します | 概要と私の投資先で書いております。)






    また、利益が出るかという観点でも、私も実際に自動売買で運用しており、6ヶ月経過時点で、確定収益ベースが元本の22%、含み損を入れても元本の15%の利益と、年換算するとそれぞれ年利回り44%、30%と、かなり好調な結果となっております。(9/24追記)





    年利回り換算で約30%というのは、伝説の投資家であるウォーレン・バフェットでも平均20%前後、都心の不動産で各種費用控除後では4%から5%程度ということを考えると、非常に凄まじい数字で、自動売買でこれだけのリターンがあるというのが、トライオートETFが投資家から人気となっている大きな要因でもあります。(もちろん、こんな数字が続くとは思っておりませんが・・・・(笑))






    また、「自動売買で年利回り○%」というのが重要なのは、複利の力で数年後、数十年後に大きな差になるためで、例えば年利回り5%でも、15年後には元本が2倍になり、50年後にはなんと11倍にもなっているというように、凄まじい差になります。





    このように、投資は「複利でずっとやり続ける」ことが重要なのですが、自動売買はまさにそうした複利運用には最適な投資方法であり、そこでこれだけの利回りを出すことができるという点が、トライオートETFの大きな魅力です。





    ただし、ではこのトライオートETFが本当に「手放しで素晴らしいと言える、ノーリスク・ハイリターンなものか」といわれると、決してそんなことはなく、上で紹介したイケダハヤトさんのツイートでも、「全自動で凄く儲かっている」と書いている一方で、「ハイリスク・ハイリターン」とも書かれているように、トライオートETFはまさに「ハイリスク・ハイリターン」なもので、実際に運用をしてみてもそのことは感じます。





    ※6/26追記 そのイケダハヤトさんも、ロスカットを食らったようです・・・・・







    ※7/10追記 その後相場が戻って含み損も解消されたようです。







    その一方で、最近はじめた人の中には、「世界中の資産に全自動で投資」「忙しいサラリーマンにもおすすめ」といった話から、なんとなく「長期安定投資」と思われているのか、「ローリスク」「デメリットはない」と認識している人も多いようなので、今回は、あえてトライオートETFのデメリットやロスカットのリスクという点に焦点をあてて解説していきたいと思います。





    以下の順番で書いていきます。



  • トライオートETFとは何か?簡単に概略を説明

  • トライオートETFのデメリット1 下落すると一気に含み損が膨らむ

  • トライオートETFのデメリット2 推奨証拠金で取引すると危ない

  • トライオートETFのデメリット3 スプレッドが広い

  • トライオートETFのデメリット4 金利負担額(マイナススワップ)がある

  • 結局どうすればいいのか?

  • もう少しリスクを抑えて世界中の資産に長期で自動売買したい場合は?

  • (参考)筆者のトライオートETFの運用実績と投資銘柄






  • トライオートETFの詳細を公式ページから見る





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    トライオートETFとは何か?簡単に概略を説明








    トライオートETFは、上で書いたように、世界中の様々なETFに自動売買できるものなのですが、以下のようにもう少し具体的に特徴を説明します。



  • トライオートETFの対象資産は何があるか?

  • 自動売買というのは、具体的にどのようなものか?






  • トライオートETFの対象資産は何があるか?








    トライオートETFの対象資産には、株だけでなく、債権や原油・金といった商品もあります。






    株式銘柄としては、

  • MSCIワールド(世界全体の株式への分散投資)

  • NYダウ(アメリカを代表する30社への投資)

  • 日経平均225(日本を代表する225社への投資)

  • シェアーズ中国大型株(中国を代表する50社への投資)


  • 等の株価指数に投資でき、また、その中でも業種を選んだ

  • 米国インフラ株

  • 金融株

  • ヨーロッパ優良企業株

  • 中国、インド、ブラジル、メキシコ等の新興国株式


  • 等もあります。






    株式以外だと、

  • 比較的安全性の高い投資適格社債

  • 高利回り社債


  • 原油


  • 等にも投資可能です。






    NYダウや日経225、金、原油等は、CFDでも投資できる場合がありますが、MSCIワールドや中国株、また、業界を選んだ株式や、社債などに投資できるものはほとんどありません。






    このように、幅広い資産に全自動で投資できるというのがトライオートETFのメリットです(今回の記事のメインはデメリットですが、メリットについても一応書きます)






    自動売買というのは、具体的にどのようなものか?








    自動売買と一言でいっても、複雑なロジックを組んでやるものから、選ぶだけでできるものまでありますが、トライオートETFは、選ぶだけでの自動売買が可能なため、初心者にもやりやすいものです。






    invast5.gif






    ここで「何を売買するか」というのは、リターン重視、リスク重視、バランス重視などから選ぶこともでき、さらには過去の実際の損益も見ることができます。






    INVAST1.png






    INVAST2.png






    INVAST3.png






    このように、「何を取引するか」さえ選べば、あとは全自動での売買が可能です。







    逆に、自分で詳しくロジックを組みたい場合には、それも可能で、対象の銘柄、取引戦略、値幅、取引数量などを自分で決めて、全自動売買のロジックを組むことも可能です。






    また、このトライオートETFを使ったマネーハッチというサービスも提供されており、これは

  • インヴァストカードという手数料無料のカード(※)を使えば、買い物ごとに1%のポイントが付与

  • そのポイントだけを使って投資できるので、実質元手ゼロでも投資が可能

  • 毎月一定額の積立投資も可能であり、全自動で積立投資も可能


  • という特徴があります。

    ※ 初年度手数料無料、翌年度は1回でも使用すれば手数料無料となります
    マネーハッチの詳細はこちら






    1%のポイント付与というとと小さく聞こえるかもしれませんが、今のご時勢ではほとんどの固定費や大きな支出はクレジットカード払いに対応しているので、例えば年間150万円使うとすると、毎年1.5万円ずつ何もしなくても貯まる計算になり、もう少し消費水準が大きく、年間500万円だと毎年5万円と、意外と大きな違いになります。






    また、このマネーハッチは、上で書いた元手ゼロという点が強調されることが多いため、私も最近まで知らなかったのですが、毎月一定額を貯金から引き落として積立投資として使用可能です。
    (あさかぜ様より以下のツイートで教えていただきました)










    このように、幅広い商品に、選ぶだけで簡単に取引ができるというのがトライオートETFの強みであり、人気の秘密でもあるのですが、では、逆にデメリットやリスクはないのか?というと、実際にはトライオートETFも完璧なものではなく、デメリットも存在しているため、次にトライオートETFのデメリットについて見ていきたいと思います。






    トライオートETFのデメリット1 下落すると一気に含み損が膨らむ








    自動売買にはどうしてもついて回る問題なのですが、トライオートETFにもある弱点として、損失が膨らむときは一気に膨らむというのがあります。






    自動売買は、「下がったときに買い、上がった時に売る」というものであるため、どうしても「上がっているときはポジションも利確されて小さくなる」「下がっているときにはどんどんポジションが溜まって大きくなる」ということが必然的に起こります。






    そのため、調子が良い時は利益がどんどん確定されて気持ちよくいられる一方で、一度下落局面に入ると、加速度的に含み損が膨らむことになります。






    また、トライオートETFでは、「ここまで下がったらロスカットを入れる」というようなルールを設定することができず、自分で手動でロスカットをしなければ、継続保有か強制ロスカットかの2択になっております。






    強制ロスカットのルールとしては、レバレッジをかけて取引する場合、口座維持率が100%を切るという明確なルールがあるのですが、しかし、「ではいつ口座維持率が100%を切るか」というと、その計算は非常に難しく、「どこまで下がればロスカットになるか」ということが分からないまま、含み損が膨らみ、強制ロスカットというリスクがあります。(トライオートETFのロジックでは、特にライジングやトリプルカードなどのストラテジーを採用していると、「値上がりしたら、買っていく基準も上がっていく」という性質があるため、厳密にどこまで下がればロスカットになるかということを計算することがかなり難しいです。)





    このように、調子が良い時は良い一方で、相場が下落してくると、一気にロスカットの危険も出てくるというのが、トライオートETFのデメリットです。






    トライオートETFのデメリット2 推奨証拠金で取引すると危ない








    デメリット1とも関連することなのですが、トライオートETFの弱点として、ここが一番大きなポイントだと思っているので、あえて独立した項目としました。






    トライオートETFでは、購入する際に推奨証拠金というのが出ます。これは、過去の値動きから、「このくらいあればおそらく大丈夫だろう」という金額です。






    実はこの「推奨証拠金」というのが曲者で、この推奨証拠金の範囲内で取引していても、ロスカットの危険があります






    実を言うと、私も推奨証拠金ギリギリで取引していてトライオートETFを運用していて、ロスカットギリギリのところまで追い込まれ、一部ポジションを手動でロスカットすることで、ギリギリ回避したということがあります(詳しくはトライオートETF実績報告3週目 | ギリギリ強制ロスカットを回避した話を参照ください)





    「では推奨証拠金よりどれくらい多く持っておくべきなのか?」ということについては、「どのくらいリスクを許容して、リターンを増やしたいか」ということによっても違ってくるので一概には言えませんが、個人的な意見としては、資金額が推奨証拠金の2倍から3倍くらいになるポジションに抑えておくのがよいかと思います。






    このように、トライオートETFは、下落相場では一気にロスカットまでいくリスクがあり、冒頭のイケハヤさんもおっしゃっていたように、ある程度「ハイリスク・ハイリターンな投資」と考えておくべきです。





    ただし、「強制ロスカット」といっても、口座の資金全てが吹っ飛ぶということはなく、私がロスカット寸前に言ったときは、大体口座資金の30%程度下落すると危ないくらいの水準だったので、「ロスカットになったら一気に資金がなくなる」というようなものではありません。






    トライオートETFのデメリット3 スプレッドが広い








    これは手数料無料の自動売買である以上仕方のないことでもあるのですが、スプレッドは普通の取引と比べて広めになっております。






    例えば、日経225のETFだと、先ほど確認すると28円のスプレッドとなっておりましたが、CFDでは、DMM CFDが7円程度であり、比較的広い水準となっております。






    ただし、これを見ても分かるように、決して「法外に高い」という水準ではなく、ある程度利益が出ると「誤差」の範囲内ですむレベルではあるので、デメリットとしてそこまで大きなものではないと思っております。






    トライオートETFのデメリット4 金利負担額(マイナススワップ)がある








    トライオートETFは、スプレッドのほかに、金利負担もあり、そのレートはLibor+0.9%となっております。






    Liborは上場市場がどこかによってレートが変わってくるのですが(通貨ごとにLiborが決まっているため)、一番人気の高いNASDAQだと米ドルなので、0.9%を足した後の金利費用は2.88246%と、約3%近い水準となっております(毎月の金利負担がいくらなのかについては、今月の金利から確認できます)






    もちろん、自動売買なので、年間通して保有している可能性は低く、決済されれば決済されるまでの金利コストしかかからないのですが、とはいえ仮に1年間持っているとなると年3%なので、そこそこの負担額になります。






    そうしたことから、トライオートETFは、長くても数ヶ月程度で決済できるレベルの利幅で取引するとよいと思います。






    結局どうすればいいのか?








    トライオートETFには、上で書いたように、


  • 下落すると一気に含み損が膨らむ

  • 推奨証拠金で取引すると危ない

  • スプレッドが広い

  • 金利負担額(マイナススワップ)がある



  • といったデメリットがあります。これらを踏まえてトライオートETFでどのように取引をしたらいいかということを、次に考えたいと思います。






    まず、デメリット1と2については、ロスカットのリスクがあるということに集約されます。






    そうなると、取ることができる方法としては、


  • ポジションを小さくして、取引頻度も少なくすることで、ある程度長く持つ気持ちで取引する

  • ある程度ハイリスク・ハイリターンと割り切って、高頻度で取引する



  • というものがありますが、デメリット4でも書いたように、金利負担もあってあまり長期投資には向かないことから、個人的には後者のある程度ハイリスク・ハイリターンと割り切って投資するということがおすすめです。





    強制ロスカットされるとしても、口座資金が全て吹っ飛ぶというようなものでもないため、ロスカットされたらその後またポジションを作り直すということでも対応は可能です。





    デメリット3で書いた手数料については、確かに他と比べると比較的高い水準ではあるものの、とはいえ法外に高いわけではなく、ある程度売買差益が出せるならばそこは誤差の範囲内といえることもあり、そこまで大きなデメリットではないと考えられます。





    上でも書いたように、年数十%ものリターンも見込める投資先というのは、世の中そうそうないので、ハイリスク・ハイリターンの投資先として、トライオートETFはやはり魅力的といえます。






    以上のように、トライオートETFは、ローリスクで利益をあげたいという場合にはあまりおすすめできませんが、ハイリスク・ハイリターンであることを前提にしたうえで、世界中の資産に全自動で投資したいと考えて居る場合には、おすすめできます。トライオートETFは、自動売買での複利運用が基本なので、投資時期が早ければ早いほど複利の力で利益が大きくなるものです。





    そのため、やるかどうか迷っているのであれば、数万円からでも投資可能なので、少額からでもまずはやってみるというのがおすすめです。






    トライオートETFの詳細が知りたかったり、口座開設を考えている場合は、


    トライオートETF
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    から詳細を見れます。





    また、上でも書いた、インヴァストカードで1%の事実上のキャッシュバックを受けられたり、毎月自動で積立投資をするマネーハッチについては、

    マネーハッチ
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    から詳細を見れます。






    もう少しリスクを抑えて世界中の資産に長期で自動売買したい場合は?








    トライオートETFは、上でも書いたように、「世界中の資産に、全自動で投資」という、一見「長期安定運用」のように見せかけて、実際のところ、どちらかというと、「短期で自動売買を回転させる」「ハイリスク・ハイリターン」な投資商品であり、年間数十%の利回りを得られる可能性もある一方で、ロスカットになる危険もあります。







    これを知人に説明すると、「なんか思ってたものと違った」「積立とかで使えるような、もっと安定したものはないの?」とよく言われるので、そういう方はどうすればよいかということも、書きます。





    結論から言うと、

  • 世界中の資産に分散して、長期で投資したい

  • 忙しいので積立も含めて、全自動で資産運用してほしい

  • 資産を複利運用したい


  • と思っている人には、トライオートETFより、WealthNaviのロボアドバイザーの方がおすすめです。






    WealthNavは、まさに「初心者でも手軽に、全自動で世界中の資産に分散投資できる」というのがテーマの商品で、自分の年齢、年収や資産総額、運用目的などを回答すると、自動でリスク許容度を計算して、そのリスク許容度によって、あとは全て自動で投資先(ポートフォリオ)を決めて投資してくれるものです。






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    (参考)筆者のトライオートETFの運用実績と投資銘柄







    最後に、参考までに、筆者のトライオートETFの運用実績と、投資対象銘柄を書きます(9/24追記。約半年経過)





    トライオートETF0923





    triauto etf0924





    トータルで見ると、30万円スタートで確定利益で65,694円(約22%)、含み損込みでも44,988円の利益(約15%)と、年換算すると収益率30%と、絶好調と言っても過言ではないような結果となっております。





    このポートフォリオを選んだ理由は、経済・軍事両面で世界最強のアメリカを背景にしたNASDAQトリプルと、先進国から新興国まで、バランスよく銘柄を取り入れているMSCIワールドを買ったうえで、開始時点では北朝鮮情勢や、米中貿易戦争、さらには米国株価の動向がどうなるか見えず、リスクオフの可能性も考えてSPDRゴールドも買っておりました。





    今振り返ると、SPDRゴールドが完全に蛇足で、NASDAQトリプルがとにかく絶好調で、これだけ買っていれば、もっと良い利益率のサンプルを出せたのかなと思います(笑





    ただ、やはり世界全体で投資することでリスクをヘッジしたいというのと、株式だけではなく、金のような「安全資産」にも投資しておきたいと考えているので、しばらくはこのままのポジションで今後も運用する予定です。(金はさすがにどこかのタイミングで上がると思うのですが、今はドルや米国債が強すぎて、金にはなかなか資金が来ないようです・・・・・)





    この水準が長期で安定して続くとは思えませんが、このくらいのリスクであれば数年間で平均して年10%も出れば十分すぎる(年10%なら7年で約2倍、25年で約10倍)と考えているので、今の運用成績には満足しております。





    複利の力で2倍とか10倍とか書いているように、自動売買での運用は、投資時期が早ければ早いほど複利の力で爆発的に利益に差が出るものなので、やるかどうか迷っているのであれば、数万円からでもまずはやってみるというのがおすすめです。





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    ブラジルレアル今後の見通し2018年9月 | 下落理由は?どこまで下がる?

    2018年09月15日 19:47

    ブラジル





    今回は政策金利6.5%と高金利のブラジルレアルについて、2018年9月時点での為替推移の分析と、今後の見通しを予想します。最近ブラジルレアルは下落傾向にありますが、何故下落しているのかの理由や、どこまで下がるかということも含めて見ていきます。






    この記事の要点をまとめると、



  • ブラジル経済は、2015年、16年と大不況に陥っていたが、2017年からプラス成長に復帰

  • ブラジルの政策金利の低下は、普通の為替相場とは異なり、レアル安につながらない

  • ブラジルレアルについては、信用格付けが「投資適格」に戻せれば大きく伸びる可能性が高い

  • ただし当面ブラジルの信用格付が戻すとは考えづらく、しばらく下落が続くと予想




  • という感じで、ブラジルレアルの具体的な予想レートとしては、2018年内は24円~30円と、下落を予想しますが、中長期的に構造改革が進み、投資適格に戻せば、2014年の水準である40円台半ばくらいまでは戻ると考えております。





    ただし、その「構造改革が進み、投資適格に戻す」のがいつになるかは、今年の10月に予定されているブラジルの大統領選挙が肝になり、その大統領選挙については、現在明確な有力候補すらおらず、不透明な状態となっており、こういう状況で財政再建のような反対勢力も大きい改革をするのは困難と考えられるため、しばらくはあまり期待できない状態が続くと考えられます。





    ブラジル大統領選挙で誰が選ばれて、その人がどういう政策を志向するかによっても、「構造改革ができて信用が回復する時期」が大きく異なってくるので、ブラジルレアルに買いで入る場合、数年単位で持っていられるくらいの金額規模でのポジションとしておくべきと考えております。





    何故そう考えたのかについて、これから以下の順番で書いていきます。

  • ブラジル経済の基本

  • ブラジルレアルという通貨の特徴

  • ブラジル政策金利とインフレ率・為替の関係

  • これまでのブラジルレアルの為替推移とその変動理由

  • 今後のブラジルレアルの見通し予想


  • という順番で書いていこうと思います。











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    ブラジル経済の基本







    まずはブラジルレアルのベースとなるブラジル経済がどういうものか説明します。ブラジルは資源・人口の観点から今後経済的にかなり成長すると見込まれている国です。





    あまり知られていないことですが、ブラジルは、世界有数の資源大国です。例えば原油についてほぼ全て自給できる水準であり、鉄の原料である鉄鉱石生産量世界2位、アルミニウムの輸出量世界1位等、様々な資源を持っております。






    資源価格については、最近では中国経済の持ち直しもあって底堅く推移しており、そのこともブラジル経済が少しずつ安定感を取り戻しつつある要因となっております(資源価格は需要と供給のバランスで決まりますが、需要としては中国等の消費量の多い国の経済動向、供給としては資源国での採掘状況や地政学的リスク等が原因で上下します)






    また、人口も増えており、経済の基盤となる内需についても、今後底堅く推移することが予想されています。ブラジルの人口は2億人を超え、その内訳も65%が40才未満というように、少子高齢化が進む先進国と対照的に、人口が増加し、今後は労働力を求めてブラジル進出ということも増えていくことが見込まれています。






    こうしたことから、ブラジル経済については中長期的な成長が見込まれております。






    ただし、こうした底堅さは、中長期的なものであり、ブラジルの経済については、端的に言うと、「中長期的には成長が見込まれるが、短期的には難しい局面にある」という状態です。





    IMFのブラジルの実質GDP成長率について、最新の見通しが以下です。




    BRL growth1806

    (出典:IMF World Economic Outlook Databases 2018年4月より管理人作成)





    2015年、2016年と2年連続で実質GDP成長率はマイナス3%超となりましたが、2017年は、ようやく底打ちをして+0.9%(元々の予想0.2%から上方修正されております)、2018年は+2.26%となる見通しです。





    何故マイナス成長となったかというと、詳しくは後で説明しますが、中国経済のダメージ、資源価格の暴落、ブラジル国内政治の大混乱等が理由でした。





    ただし、現在中国経済や資源価格は安定的に推移し、政治的にも前大統領のルセフ氏が更迭され、新政権は財政再建についても積極的であり、そうしたことが市場で好感されたことで、2017年にはプラス成長に転じ、2018年には成長軌道に戻ることが予想されております。





    このように、基本的に成長路線にあったものが、2015年、16年にはマイナス成長となり、ただしその後現在も徐々に回復傾向にある、というのがブラジル経済の概要です。











    ブラジル政策金利とインフレ率・為替の関係







    ブラジルは、最近では利下げトレンドにあります。2016年8月には14.25%であった政策金利は、徐々に引き下げられ、9/15現在では6.5%となっております。





    BRL kinri






    ブラジルではここ数年ずっと「不景気にもかかわらずインフレ率が高い」という、いわゆるスタグフレーションの状態にあり、「不景気への対策のために利下げをしたい」「その一方で利下げをするとインフレに悪影響だから利下げはできない」という板挟みの状態にありました。





    このスタグフレーションというのは、マクロ経済的には一番まずい状態と言われており、それは「不景気で雇用や賃金は増えないのに、物価だけが上がっている」というように、国民生活にとってダメージが大きいことに加え、好況&インフレなら利上げ・引き締め、不況&デフレなら利下げ・緩和というように、通常のインフレやデフレであれば金融政策でまだ対応はしやすいのに対して、利上げ・引き締めをしてしまうとインフレは抑えられるが景気にはダメージを与えてしまい、逆に利下げ・緩和を行うと今度は景気刺激にはなるがさらなるインフレを起こしてしまうというように、非常に難しい局面のためです。





    その中で、ブラジルではまずはインフレ率を抑えるということを優先課題としたことや、それ以外にもアメリカの利上げ観測の中で、「利下げを行うとブラジルレアルが買われなくなってしまい、大幅な通貨安(=輸入などがしづらくなる)になってしまう」ということもあり、まずは金利を高く設定しておくことを選んでおりました。





    しかし、最近ではようやくインフレが落ち着いてきており、政策金利の引き下げ(=本来であればインフレ率引き上げ要因。日本でインフレ率を高めるためにゼロ金利政策を行っていることを考えてもらうと分かりやすいかと思います)を行いながらも、インフレ率は明確な低下傾向にあります。





    BRL inflation1808





    6月と7月にインフレ率が高まっているのは、ブラジルのトラック運転手のストライキによるものです。このストライキによって、ブラジルでは物資が届かないため、食糧品や輸入品が高騰しており、その影響でインフレ率も上昇しております。ただし、ブラジル中銀のインフレ目標は3%から6%であり、また、このストライキによるインフレへの影響は一時的とみられ、実際に8月はむしろ物価下落しておりました。





    このように、インフレ率が落ち着いてきたことから、ブラジル中銀は利下げや財政緩和を行ってきており、それによって上でも書いたような経済成長路線への復帰を計画しております。ただし、この利下げについては、ブラジル中銀は、新興国に対しての見方が厳しくなったことから、金融緩和を見直す動きを見せており、しばらく利下げが行われない可能性が高まっております(出典:Bloomberg 5/17)





    また、ブラジルはこのように利下げを続けているのですが、ではそれが為替にネガティブな影響を与えているかというと、実際はむしろ逆にポジティブにとらえられております





    これは、ブラジルの利下げは、「インフレや通貨安といった問題に目途がある程度立ったため、経済成長路線への復帰のため」というように、ポジティブな理由に基づくからであり、実際に、次の過去の推移でみてもらうと分かるように、ブラジルの政策金利は下がる一方ですが、為替にはマイナスの影響を与えておりません。





    では、次にブラジルレアルの実際の推移と、そこで動いた理由を分析していきたいと思います。





    これまでのブラジルレアルの為替推移と変動理由








    まずは、ブラジルレアルの長めに過去10年間のチャートを見てみましょう。




    【ブラジルレアル 直近10年間チャート】
    BRL chart1809_10year






    このように、2008年にはリーマンショックで急落し、その後少しずつ戻して40-50円で推移していたものの、2015年には年初と中ごろに大きく下落し、ただし2016年以降は基本的には戻す傾向にあるということが分かります。以下、それぞれ何が起こったのかを見ていきましょう。





    2015年はじめにブラジルレアルが大きく下落した理由







    2015年初に下落したのは、ブラジルの経済的停滞と、ペトロブラス汚職事件を嫌ってのものでした。





    ブラジルの経済停滞は、上でも書いたようにブラジルは資源大国であり、その輸出の最大を占めるのが鉄鉱石なのですが、鉄鉱石価格は2013年は年間平均価格が135ドル/トンであったのが、2014年には97.4ドル/トン、2015年には56.1ドル/トンと、なんと2年間で60%も鉄鉱石価格が下落したこともあり、ブラジルの経済は低迷しました。





    もう一つのペドロブラス汚職事件は、ブラジルの国営石油会社ペトロブラスが、取引先に水増し請求を行った上で、その水増し分から有力政治家に賄賂を贈ったというもので、その中で前大統領のルラ大統領や、当時大統領であったルセフ大統領の側近にまで疑惑が浮上したことで、ブラジルの政治が大きく混乱しました(ルラ元大統領は現在有罪判決が出ております)





    この汚職事件に対して、元々の経済的不況もあって、2015年3月には百万人規模の反政府デモが起こるというように、ブラジルの政治が不安視され、それによってブラジルレアルも売られました。





    ブラジルレアルが2015年7月からもう一段下落した理由







    このように、ブラジルの経済・政治面で混乱が起こっている中で、2015年7月からもう一段階ブラジルレアルが下げます。その要因は、中国の上海総合指数が暴落したことによるものでした。





    当時トレードをしていた人は、「いきなり上海総合指数が注目されはじめて、それで一気に円高、株安が進んだ」という記憶もあるのではないかと思いますが、上海総合指数は2015年6月から下落基調にあり、8月には1日で8%超下落する日もあり、「世界同時株安」を招きました。





    ブラジルレアルのようないわゆる「新興国通貨」は、株安などの「リスク資産が危険」という認識はマイナス要素となること、また、そもそもブラジルにとって中国は最大の貿易相手国であり、実体経済面からもマイナス要素であることから、大きく下落する要因となりました。





    その後、2015年10月に入るとこうした悪材料も出尽くし、また中国経済も底打ちしたような様相を見せたため、ブラジルレアル安も底打ちし、少し戻り始めました。しかし、12月に入ると、再び大きく下落が起こっております。





    ブラジルレアルが2015年末から2016年始に下落した理由







    2015年末から2016年始にはブラジルレアルはまた下落します。





    これは何があったかと言うと、大きく「ブラジルの政局へのさらなる不安視」「原油安」「中国株価の二度目の下落」という3つの要因があります。





    まず1つ目の政局へのリスクについては、12/2にルセフ大統領の弾劾手続きが開始されました。また、他にも財政再建について積極的であったレビ財務相の辞任が12/18にあり、これはかなり為替相場に影響を与えました。





    このように、政局がごたごたしていることが、為替市場で嫌がられ、ブラジルレアルは下がりました。





    また、もう一つの要素として挙げた原油安については、これはロジックとしては、ブラジル自体が資源国であることに加え、いわゆる「新興国通貨」であるため、こういう「原油安」などのリスクに対してネガティブに反応します。これは、ロジックとしては、


    原油安→原油を売ってドルや円などの安全資産を買う→ドルや円が新興国通貨に対して相対的に強くなる


    というイメージで、こうした動きを市場がある種「定石」としているがために、「何かあったら新興国通貨を売ってドルや円を買う」という動きになります。





    このように12月から下落トレンドがあったのですが、2016年1月に入ると、今度は中国経済の影響で、さらに大きく下落しました。2016年1月には、開始早々上海総合指数が7%以上下落し、「サーキットブレーカー」(一定以上株価が下落すると株式の取引を停止するもの。中国では2016年1月に導入され、導入直後に適用された)が適用される等、年始から大きく荒れた展開になり、その影響でブラジルレアルも下落しました。





    なお、その後1月終わりに一瞬上げてすぐ戻したのは、日銀のマイナス金利導入も含めた追加緩和によるもので、これによって一時期全面的に円安が進みましたが、その効果は長続きせず、すぐに戻りました。





    ブラジルレアルが2016年2月以降上昇した理由







    しかし、その後2月終わり以降は上昇に転じました。





    これは、中国の底打ち観測や、また、ブラジル国内の状況としても、ルセフ大統領の弾劾手続きがはじまり、政権交代が実際に起きて、逆に政治が安定するのではないかという期待からでした。






    実際に、2016年の5月12日にルセフ大統領は停職となり、かわりにテメル副大統領が大統領に就任しました。こうした大統領の交代によって、政治が安定するのではないかという期待から、7月くらいまでは30円から32円の間でレンジ相場となり、また、7月に入ると、メイレレス財務相が2017年のプライマリー財政収支(利払い前財政収支)目標を1,390億レアルの赤字というように、現実的かつ市場予想を下回る水準(つまり財政再建をしっかりと実行していく意思を見せる)となったことから、レンジの上だった32円を抜けました。





    その後は33円のところで上値が重く、レンジ相場に戻りましたが、アメリカでトランプ大統領が誕生してから、再び上昇トレンドになりました。直近2年間のチャートを見てみましょう。




    【ブラジルレアル 直近2年間チャート】
    BRL chart1809_2year





    トランプ氏の当選決定後は、世界的にリスクオンとなり、どの通貨に対しても円安が進み、ブラジルレアルについても同様に円安(=ブラジルレアル高)となり、上昇することとなりました。





    なお、上でも書いたように、昨年から何度も利下げを行っているのですが、これについては悪影響を与えることなく、むしろ「景気に良い影響を与え、経済成長が現実的になる」ということで好感されました(金利が下がる→お金を借りやすくなる→景気が良くなる→経済成長というロジック)





    新興国通貨投資の目的には、「経済が強くなって通貨の価値も上がる」、「今保有している分について高金利で運用できる」という二つの目的があるため、基本的な定石としては「利上げ=価格上昇」「利下げ=価格下落」なのですが、このような理由から「利下げしたことを好感して上昇」ということもあります。





    ブラジルレアルが2017年5月に一時急落した理由







    トランプ政権誕生後、ブラジルレアルは安定して推移していたのですが、5月に大きく下がります。これは、テメル大統領の汚職疑惑が浮上したことによるものです。この汚職は、ブラジル大手食肉加工会社JBSがテメル氏からの求めに応じて賄賂を支払ったというものです。





    この汚職疑惑については、前任のルセフ大統領も汚職での弾劾であったことから、ブラジル国内でも非常にイメージが悪く、大統領退任を求めるデモが起こったり、連立与党内でも疑惑が証明された場合には連立解消を主張する声もあり、政局の混乱を嫌いブラジルレアルは大きく下落しました。





    しかし、テメル大統領への起訴は回避され、ブラジルレアルについても元の水準でレンジ相場となりましたが、2018年に入ると下落基調になります。直近1年のチャートを見てみましょう。





    BRL chart1809_1year





    2018年に入ると、年始には全体的に円高が進み、それによって、ブラジルレアルも下落しました。





    その後4月には、円高傾向は解消され、ドル円等は戻す動きを見せているのですが、ブラジルレアルについては、

  • 10月の大統領選挙でどうなるか予想が極めて難しくなっており、不確実性が嫌われている

  • 隣国のアルゼンチンで政策金利40%に緊急利上げいうのもあり、南米への見方が厳しくなっている

  • アメリカの金利が上がることで、「高金利通貨」への人気が相対的に下がっている


  • といったことがあげられます。





    特に、上でも書いたように、ブラジルにとっては年金改革をはじめとした財政構造改革がどうなるかというのが極めて重要なことから、大統領が誰になるか見通せず、構造改革がきちんとなされるかが疑問視されている点が痛く、それによって、2018年は下落基調にあります。





    また、6月からは、上でも書いたブラジルのトラック運転手のストライキによって、ブラジルの物流網がマヒし、景気に悪影響を及ぼすという見通しから、さらに下落しました。





    このブラジルのストライキについては、餌の配達が止まったため約7000万羽の鶏が処分され、牛肉やコーヒー、砂糖、大豆の輸出が支障を来している。何年にもわたる景気後退をようやく脱したブラジル経済自体、足元の微弱な回復基調が損なわれる恐れもある。(出典:ロイターコラム 5/30)というように、非常に深刻なもので、今後もブラジル経済に悪影響を及ぼすリスクもあります。





    以上がこれまでのブラジルレアルの値動きの分析でした。では、今後ブラジルレアルはどうなるか、次で見ていきましょう。





    今後のブラジルレアルの為替見通しの予想







    それでは、次にブラジルレアルの今後の見通しについて予想したいと思います。今後の見通しとしては、「中国経済が今後どうなるか」「ブラジルの政治的混乱が収まるか」「世界のリスクオフがどうなるか(トランプ大統領やBrexitの影響も含む)」というところが論点となると考えられます。





    結論的には、短期的には下落相場の継続と考えられるが、長期的には一時下げることはあれど最終的には上昇すると考えております。





    以下、細かく見ていきます。





    まず、中国については、中国株価(上海総合指数)・経済の今後の見通しで詳しく書いておりますが、結論だけ要約すると、今は安定的に推移しているが、その好調の要因である不動産はバブルである可能性があり、いつになるかは分からないもののバブルが破裂した場合、中国経済に大打撃となるリスクがあると考えております。





    最近では米中貿易戦争の影響もあって、上海総合指数がチャイナショックの時と同レベルにまで下落しており、いつチャイナリスクが再燃してもおかしくないと言われており、中国経済に悲観的な見通しが強まれば、ブラジルレアルもリスク回避で大きく売られて下落すると考えられます。






    次の政局については、今のところを見ていると、財政再建に積極的であることや、また、ブラジルの貿易黒字拡大により経常収支が黒字化したこと等、ブラジル経済については、成長軌道に戻ったといってもいいような状態です。ただし、これらは財政再建に積極的であったテメル大統領の功績という面も大きく、次期大統領選でどうなるかがポイントだと考えられます。





    その2018年10月の大統領選挙については、ルラ元大統領(財政改革反対派)が出馬予定であり、世論調査ではルラ元大統領がトップとなっておりました。しかし、ルラ元大統領は、収賄疑惑についての控訴審が行われているところで、ここで有罪が確定したことによって、出馬をとりやめました。





    それによって選挙戦はかなり混とんとしており、その中であえて誰が優勢かというと、そわずかにリードしているボルソナロ氏は、政敵に対する「銃殺してやる」といった暴言やマイノリティーへの差別発言で知られている人(出典:日経新聞8/17)で、選挙戦でもこの人を嫌う暴漢にナイフで刺されたりもしており、正直に言って、あまり期待しがたい状況となっております。(一時重体となりましたが、容体は安定したようです。Bloomberg 9/13





    そのため、ブラジルの次期大統領についても、そこまで期待は持てず、これもブラジルレアルにとって下落要因となると考えられます。




    最後の世界的なリスクオフについては、これは「テロ」や「戦争」や「原油の暴落」「イギリスのEU離脱の影響がどう波及していくか」「トランプ大統領がどのような政策を実際に行うか」など、正直「起こってみないとわからない」ものであり何とも言えませんが、ただ、最近の世界情勢の不安定さを考えると、こうしたリスクによって急落するリスクに備える必要はあると考えられます。






    トランプ大統領は、最近では中国との通商問題や、追加関税等、タカ派色の強い政策を実行しておりますが、この傾向は、11月に行われるアメリカの中間選挙までは続くと考えられるため、今後もこうしたリスクオフからの円高はありうると思っております。





    以上のように、ブラジルの政局の難しさや、世界的なリスクオフの動向から、ブラジルレアル円については、しばらく下落相場の継続を予想します。





    ただし、長期的にはブラジルは資源・人口大国であり、経済成長も期待できることから、ブラジルレアルについても経済成長に伴って上昇していくことが考えられ、構造改革がきちんとなされた場合、信用格付けも投資適格となり、機関投資家からの資金が入ってくることが予想されるので、安い時に買って、スワップをもらいつつ長期で保有し、上がった時に売るということもありだと考えられます。





    なお、上で書いたように、為替に影響を与える要素は世界情勢、アメリカの動向、その国の特有の事情と、様々な要素がからんでくるもので、そうした情報をどうやって集めればいいのかと思われるかもしれませんが、それについては、無料でFX関係の為替ニュースをリアルタイムに集める方法で解説しているので、よかったらそちらもご覧ください。





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    何故トルコのインフレ対策に利上げが必要なのか?為替、政策金利、インフレの関係

    2018年09月04日 22:22

    try kinri






    トルコの政策金利って、今でも17.75%と凄く高いのに、なんでまだ利上げが必要なの?





    7月24日、トルコ中銀が政策金利を発表し、そこで市場の利上げ予想に対して実際は据え置きとなり、その結果への失望売りでトルコリラは22円台に下落しましたが、そんな中、友人からそのような質問を受けました。




    これは面白い質問だと思ったので、マクロ経済学の観点も含めて、今回はそれについて簡単にまとめたいと思います。(分かりやすくするため、マクロ経済的には本来であれば通貨と書くべきところをお金と表現するなど、表現を緩めておりますが、その点はご容赦いただければと思います)





    9/4追記 その後案の定トルコリラは大きく下落、さらにはインフレ率も悪化しております・・・・・





    以下の順番で書いていきます。



    1 そもそも政策金利やインフレって何?

     1-1 政策金利って何?

     1-2 インフレって何?

     1-3 トルコリラ為替と政策金利、インフレ率の関係は?


    2 トルコに利上げが必要であった3つの理由

     2-1 インフレ率に金利が追いついていないことが疑われているため

     2-2 「インフレが収まるまで利上げ」という姿勢を示すことが大事なため

     2-3 中銀の独立性について、世界が注目していたため


    3 トルコリラの今後の投資方針について






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    1 そもそも政策金利やインフレって何?







    まずは、基本から復習ということで、FXでは当たり前のように使われている政策金利という概念や、インフレについて、どういうものなのかということ、それらがトルコリラ為替にどう影響するのか?ということから説明します。





    1-1 政策金利って何?






    政策金利とは、「中央銀行から一般の銀行にお金を貸し付ける時の金利」のことです。





    中央銀行は、お金(通貨)を発行するという大きな仕事がありますが、そこで発行したお金をどうやって市中に回すかというと、一般の銀行に中央銀行から貸し付けて、そこで借りた銀行が消費者であったり、企業であったりにお金を貸し付ける、というルートでまわします。





    銀行としては、中央銀行から借りたお金にも金利を支払わないといけないので、そこの金利より低い利率で貸してしまうとマイナス(逆ザヤと呼ばれます)になるので、基本的には政策金利より高い金利で消費者や企業にお金を貸すことになります。






    そのため、

    政策金利を上げる→銀行はより高い利息で貸し付ける→消費者や企業はお金を借りにくくなる

    政策金利を下げる→銀行は低い利息でも貸し付けられるようになる→消費者や企業はお金が借りやすくなる

    ということで、政策金利を上げることは金融引き締め(市中にお金を出にくくする)とも言われ、逆に政策金利を引き下げることは金融緩和(市中にお金を出しやすくする)とも言われます。





    1-2 インフレって何?






    次にインフレについて簡単に説明します。





    インフレというのは、物の値段がどんどん高くなるということです。





    そして、物の値段が高くなるということは、裏を返せばお金(通貨)の価値が下落しているとも言うことができます。





    経済学の世界では、お金(通貨)を交換価値として、相対的なものとみなすこともあり、その中ではお金の価値も相対化され、「物の値段が上がるということは、お金の価値が下がるということだ」という発想が必要になります。





    このインフレが何故起きるかというと、理由は様々ありますが、



  • 景気が良くて皆が積極的にお金を使うから

  • 通貨の価値が信用されなくなってきている

  • 「インフレが起こる」と思うことで、予言の自己実現的にインフレが起きる




  • などがあります。




    はじめの景気が良いとインフレが起きるというのは、景気が良くなって皆が物を買ったり投資したりすると、「そんなに皆が欲しいなら値上げしよう」となり、物の値段が上がります(いわゆる需要と供給の関係。皆が欲しがるものの値段が上がるというのは、コンサートチケットや人気の商品などをイメージしてもらうと分かりやすいかと思いますが、それのマクロ経済版だと思ってもらえれば大丈夫です)





    次の通貨の価値が信用されなくなってインフレというのは、通貨というのは信用がなければ単なる紙切れなので、価値はほとんどありません。そうなると、物と交換しようにも、「そんな紙切れいらない」となってしまうという状態になります。





    例えば第一次大戦後のドイツはそのような状態になり、当時買い物かごいっぱいのお札を持たないと買い物できなかったということもありました。





    ドイツインフレ
    第二次世界大戦前の、ドイツでハイパーインフレが起こった時の写真の普通の買い物の様子





    最後の「インフレが起こる」と思うことで、予言の自己実現的にインフレが起きるというのは、これは

    インフレになると予想する→物の価値が上がると思って早く物を買おうと思う→物の需要が増える→もっと物の価格が高くなる→もっとインフレになると予想する

    ということで、こうした状態をインフレスパイラルと呼びます(日本ではその逆の「デフレスパイラル」の方が馴染み深い言葉ですが・・・・・)




    このように、インフレとは「物の価値の上昇=通貨価値の下落」ということで、その原因としては「好景気」「通貨への信頼低下」「インフレ予想」等があります。




    1-3 トルコリラ為替と政策金利、インフレ率の関係は?







    それでは、次にトルコリラの為替と政策金利、インフレ率の関係について見て行きたいと思います。





    結論から言うと、政策金利の上昇がインフレ抑制、トルコリラ為替維持のために必要であるということです。





    まず、インフレ率と政策金利の関係については、利上げを行うことによって、インフレの抑制は可能です。





    これは上でも見たように、利上げには市中に出回るお金を減らす効果があり、それによって需要と供給の関係で「資金の供給」を減らすことで、お金の価値の上昇=インフレ抑制につながるからです。





    これは、むしろ「デフレに利下げが効く」という逆の効果を想像したほうが分かりやすいかもしれないので、そちらを例に出すと、

    利下げをする→銀行はお金を借りやすくなる→消費者や企業は銀行からお金を借りやすくなる→お金が市中に回る→皆お金を使うようになる

    という効果があり、デフレや不況には利下げというのが、金融の世界には鉄則となっております。





    そのため、逆に言うとインフレ抑制を考えるなら、利上げが鉄則となります。





    また、トルコリラ為替との関係で言うと、やはり利上げ=トルコリラの上昇につながります。





    これは、上で書いたように通貨価値の下落であるインフレを抑制するという効果に加えて、政策金利が上がることで、市中の金利も上がり、従ってFXでいうスワップに相当する金利相当額も上がることで通貨自体の魅力が上がるというのがその理由です。





    このように、トルコにとって深刻な問題であるトルコリラの下落、インフレの抑制という問題に対して、利上げというのが鉄則となります。




    2 トルコに利上げが必要であった3つの理由






    それでは、次に「トルコリラに何故利上げが必要なのか?」ということについて書きたいと思います。ここまで読んだ人なら、「そりゃ利上げが必要なんじゃないの?」と思われているかもしれませんが、冒頭にも書いた、「そもそも今の17.75%で不十分なの?」という疑問にも答えていくように、書いていきたいと思います。





    トルコが17.75%という高金利から、さらなる利上げをすべきだったと考える理由は3点あります。


  • インフレ率に金利が追いついていないことが疑われているため

  • 「インフレが収まるまで利上げ」という姿勢を示すことが大事なため

  • 中銀の独立性について、世界が注目していたため





  • 2-1 インフレ率に金利が追いついていないことが疑われているため






    金利の高い低いを論じる場合、単に金利の数字(名目金利)を見るだけではなく、金利とインフレ率との差異が重要になります(これを実質金利といいます)





    トルコの政策金利は17.75%なのですが、これでインフレ率が例えば1%であれば、その差分の16.65%分は丸々利益であり、大儲けできます。そのいっぽうで例えばインフレ率が100%であれば、いくら17%の利息をもらえたとしても、1年後に半分の価値になるので、何の意味もありません。





    では、トルコのインフレ率はいくらかというと、2018年6月実績で、前年同月比15.39%となっております。なお、5月は12.15%だったので、そこからさらに上昇してのこの結果です。(出典:日経新聞)





    これを見ると、17.75%という金利は一応インフレ率よりは高く、実質金利はプラスだとなりますが、5月から6月に3%ポイント以上上昇しているというように、インフレ率が上昇傾向であることを考えると、17.75%では不安、というのはお分かりいただけるかと思います。





    9/4追記 先日発表されたトルコの消費者物価指数は、17.9%と、ついに政策金利を超えて、実質金利もマイナスになってしまいました・・・・・





    また、さらにいうと、この公表されているインフレ率が怪しいという説もあり、実態は25%くらいあるのではないかとも言われております。








    (この引用した方は、トルコ出身の著名なエコノミストの方です)





    これが本当だとすると、実質金利はマイナスで、17.75%では全然足りていない、ということになります。





    2-2 「インフレが収まるまで利上げ」という姿勢を示すことが大事なため







    上でインフレが起こる理由に、「今後もインフレが起こると予想する」というのをあげましたが、ここに効いてくるのがこの話です。





    「インフレが起こる」と思うとインフレが起こるということは、インフレを止めるためには、その「インフレが起こりそうだ」という市場の期待(経済学的な意味であり、ポジティブなニュアンスだけではありません)を消すことが重要ということです。





    そして、インフレを止めるためには利上げが必要なので、その期待を消すためには、「インフレを何が何でも止める」「金利は今後どんどん上がる」という「市場の期待」を形成する必要があり、そのためにも、「利上げをして絶対に何が何でもインフレを止める」という姿勢を示すことが重要になります(これをコミットメントといいます)





    そのためには、やはりエルドアン大統領就任直後の今回の政策金利発表でも利上げをすることで、「利上げは続く」という姿勢を市場に示すことが、非常に重要でした。





    2-3 中銀の独立性について、世界が注目していたため







    トルコは先月6月に大統領選挙があり、そこでエルドアン大統領が再任されましたが、このエルドアン大統領は、「中央銀行に圧力をかける」「利下げを好む」という特徴があります(エルドアン大統領の政策や発言、これまでのトルコリラ為替に与えてきた影響はトルコリラ今後の見通し2018年7月 | トルコリラはどこまで下がる?で詳しく書いております)






    トルコ中央銀行は、5月に政策金利を8%→16.5%→17.75%と一気に引き上げてきておりましたが、エルドアン大統領はこの利上げ姿勢に不満を示し、選挙中も選挙後も一貫して「利下げしろ」と言い続けてきており、トルコ中銀がその中でも利上げができるのか、ということについて、世界が注目しておりました。





    建前上は、中央銀行というのは大統領から独立した機関なのですが、トルコでは選挙後に中央銀行の総裁の任命権を大統領が持つことにする法改正を行うなど、エルドアン大統領がトルコ中銀への干渉を強めており、その中で、中銀がどういう判断を下すかが注目されておりましたが、結果は残念ながらエルドアン大統領の意向を「忖度」したのか、利上げはできませんでした。





    以上の3点の理由から、今でも17.75%と高金利ではあるものの、トルコ中銀はやはり利上げすべきだったと考えております。





    3 トルコリラの今後の投資方針について






    私のトルコリラの投資方針は、トルコリラFX取引、おすすめ投資方法とFX業者2018年 | トルコリラFX比較で書いてある通りで、


  • 長期で自動売買でゆっくりと運用

  • 長期で昔から持っていたポジションの塩漬け+手動で気が向いたときに積立

  • 数日から長くても1ヶ月以内決済を前提に、買いエントリー

  • 短期のデイトレで売りエントリー



  • を組み合わせております(現在長期投資系が凄い含み損になっていますが・・・・・)





    トルコリラ円は、今16円台で、数年前は40円、50円だったことや、今のトルコの問題は、「エルドアン大統領の暴走」がほぼ全ての原因であることを考えると、長期ではそのくらいまでは戻すと考え、長期投資は継続します。(詳しい見通しはトルコリラ今後の見通し2018年 | トルコリラはどこまで下がる?をご覧ください)





    ただ、その一方で、短期トレードでやるなら圧倒的に売りエントリーがおすすめで、テクニカルで買われすぎ、上がりすぎの時に、売りを積み重ねていくと勝ちやすいです。(トルコリラ売りの注意点については、

    暴落中のトルコリラのショート(売り建て)は儲かるか?FXでの注意点

    でまとめております)





    短期トレードに長期のトレンドは不要という意見もたまに見ますが、長期トレンドが下がっているのであれば、短期のスパンでも上がるか下がるかで言えば下がる確率の方が当然高く、その点でいうと、トルコリラは現在分かりやすく暴落傾向にあるので、短期トレードでは売りエントリーがおすすめです。





    高金利通貨を売るというとマイナススワップのこともあって抵抗を感じる人も多いようですが、マイナススワップは日をまたがないと発生せず、また、1日2日マイナススワップが発生したところで、利益が出ればそのくらいは余裕で回収できるので、あまり気にせず売りエントリーしても良いと思っております。





    ただ、トルコは今通貨防衛の観点はかなり重視しており、「下がったら利上げ」という可能性もあり、その場合、急に上昇する可能性もあるので、ロスカットなどはしっかり入れるべきです。














    このことは、裏を返せば今後サプライズ利上げで積立分や自動売買分が上昇するかもしれないということで、その点には期待もしております。






    ちなみに、こうした取引をする場合、


  • 長期自動売買なら外為オンラインのiサイクル注文

  • 長期でのスワップ積立なら、スワップポイントが一番高いみんなのFXか、1通貨単位から取引可能なSBIFXトレード

  • 数日から1ヶ月程度での決済ならスプレッド、スワップの条件が一番良いみんなのFX

  • 短期トレードならスプレッドが原則固定で一番狭く、1,000通貨取引も可能なセントラル短資FX





  • がおすすめです(詳しくはトルコリラFX取引、おすすめ投資方法とFX業者2018年 | トルコリラFX比較もご覧ください)






    今は史上最安値を何度も更新している状態で、エルドアン大統領も通貨防衛の点についてはそろそろまずいと思っているようなので、今後のトルコリラの復活を見込むのであれば、今投資をはじめるのがおすすめです。(そうした長期での買いポジションであれば、自動売買の外為オンラインのiサイクル注文、スワップポイントが一番高いみんなのFX、1通貨単位から取引可能なSBIFXトレードあたりがおすすめです)





    以上がトルコリラの為替、政策金利、インフレ率の関係についての説明と、それを踏まえた私の投資方針でした。結論としては、トルコには早急に利上げをして欲しいですね・・・・・・





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