2019年06月19日 22:51
※:本記事にはプロモーションを含みます。

人口の伸び率や、今後の成長余地などから、「21世紀はアフリカの時代」と言われることもありますが、そのアフリカ経済を牽引しているのが、南アフリカ共和国です。
南アフリカは、2017年までは評判の悪い大統領だったのですが、2018年に入って大統領が交代し、新大統領(ラマポーザ大統領)は、昔ネルソン・マンデラ元大統領の右腕で、ビジネスマンとしても超一流だった人であり、非常に期待されております。
また、中長期的な成長性については、PwCのレポートでも非常に高く評価されており、2050年までの平均GDP成長率は5.8%と非常に高く予想され、これは同じく高金利通貨として人気の高いトルコやメキシコよりも高いものとなっております(どちらも4.7%で予想)
出典:Pwcレポート 2050年の世界
その南アフリカの通貨が南アフリカランドなのですが、政策金利6.75%と、FXでも高金利通貨として非常に人気で、将来の経済成長による為替レートの値上がりを期待しつつ、当面は高いスワップポイント(FXにおける金利みたいなもの)を貰うというトレードを、多くの人がやっております。
そこでこの記事では、南アフリカランドが今後どうなるかについて、2017年12月に高騰した理由や、2018年や2019年にかけて下落が続いている理由を分析し、その上で今後南アフリカランドがどうなるかを予想していきたいと思います。
結論から言うと、
と考えております。
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南アフリカ経済の基本
まず、南アフリカという国の経済的なポテンシャルや、経済の基本について説明します。アフリカの労働人口が2040年には中国やインドを上回ると予想されることや、経済の伸び代などから、「21世紀はアフリカの時代」と言われることもありますが、そのアフリカ経済をけん引しているのが南アフリカです。
南アフリカは、1996年に金融政策・貿易の自由化や規制の撤廃等の自由化をすすめた結果、経済成長をしてきており、IMFによれば、サブサハラアフリカ(サハラ砂漠より南のアフリカ。下の地図を見てもらえれば分かるように、アフリカのほぼ全域)の全GDPの26.9%を占めるに至っております。
【サブサハラアフリカの地図】

(画像出典:外務省 外交青書2010)
GDPも、21世紀に入ってから、リーマンショックの影響のあった2009年を除き常にプラス成長となっております。

そのGDPの内訳は、農業2.6%、鉱工業21.7%、サービス業75.7%と、鉱工業とサービス業がメインとなっております。
鉱工業が強いのは、南アフリカが資源大国であるためで、例えば金については世界の産出量の1/4は南アフリカで、当然世界一の産出量をほこり、また、白金、マンガン、クロムといった、工業製品で不可欠なレアメタルも多く産出しております。
こうした資源が主要な輸出商品であるため、輸出先は中国、アメリカ、日本、ドイツといった、レアメタルを多く消費する先進国が中心となっており、世界的に景気が良い時はこうした資源も多く求められるため南アフリカ経済は好調に、逆に世界的に景気が悪ければ不調になります。
また、サービス業の中では特に金融関係に強みを持っており、GDPの21.5%を金融・保険が占めております。
以上をまとめると、南アフリカは、レアメタルを産出する資源国家として強みに加えて、自由化による金融を中心としたサービス業によって成長しており、サブサハラアフリカのGDPの26.9%を占めるようになった、ということです。
一方で、GDPが成長している中で、経常収支では赤字が続いており、「財政健全化への見通し」もよく話題にあがります。
GDPと経常赤字の関係について、誤解を恐れずに噛み砕いて説明すると、一般企業で言うと「売上」と「利益」の違いのようなものと考えてもらうと分かりやすく、GDPは成長(=売上が成長)しながらも、費用がかさんで経常赤字(=利益は出ない)と考えていただけると分かりやすいかと思います。
新興国では、インフラや社会保障の拡充等の支出の必要も大きくなるため、GDPが成長しながらも経常赤字というのはよくあることなのですが、これについては最近格付けについて話題になることも多いので、少し詳細に説明したいと思います。
南アフリカの財政状態は悪いのか?
南アフリカというと、前大統領のズマ氏の時代には、「財政健全化への道のりが遠ざかった」「格付けの下落」等、財政状態について言及されることが多く、それが為替に影響を与えてきました。
では、実際に南アフリカの財政状態はどれくらい悪いのかを見てみたいと思います。まず、経常収支については、2003年以降連続して赤字が続いております。

(IMFレポートを基に管理人作成)
このように、経常赤字が続いているため、それを減らすために緊縮財政を行うべきではないかと考えられており、その緊縮財政を積極的に行おうとしていたネネ財相やゴーダン財相が更迭された際には、格付けの見直しが行われたり、為替にも影響を与えるといったことがありました。また、2017年11月にはムーディーズ等の格付け会社が格下げを検討している中で、ズマ大統領(前大統領)が教育の無償化を検討しているという報道がなされ、その報道でも財政への悪影響を懸念して、南アフリカランドは下がりました。

教育無償化を打ち出したズマ元大統領(青枠画像は日経新聞社より引用部分)
何故経常赤字が続いているかというと、発展途上国ではよくあることですがインフラ投資や社会保障等の拡充に投資が必要であり支出が大きいこと、また、リーマンショック後は資源の売上低迷等により景気が悪化して税収が減少したこと等があり、現在も赤字が続いております。
しかし、では南アフリカが財政的に悪く、デフォルト(財政破綻)に陥るかというと、それは論点が異なります。
まずそもそもデフォルトとは何かというと、ざっくりというと、「国が借金を返せなくなる状態」であり、ここ数年話題になっているギリシャ等でも、国債の償還期限が近づくたびにデフォルトの論点が出てくるのはそのためです。
つまり、デフォルトという論点については、経常収支以上に、債務残高の方が重要ということです(もちろん、赤字が続けば債務を増やさざるを得なくなるので、赤字がどれだけ続いても大丈夫というわけではありませんが、デフォルトが近い将来起こるかどうかという観点からは、今債務がどのレベルであるかという方がより重要ということです)
では、南アフリカの債務がどうかという点について見ていくと、これについては、政府総債務残高対GDPという比率でみると、増加傾向にあるものの、今後は60%程度で推移していくと予想されております。

(IMFレポートを基に管理人作成。2018年以降はIMF予想値)
この60%前後という値をどう見るかというと、例えば日本は239.2%、ギリシャは181.3%、アメリカでも107.4%、ドイツが67.7%ということを考えると、そこまで高い水準ではなく、今すぐにデフォルトリスクを意識するようなレベルではないことが分かります。
このように、デフォルトに陥るかと言うと、まだそんな段階にはないのですが、その一方で、「格付」という観点については、ムーディーズが南アフリカランド債を格下げする可能性があり、今は格付発表が延期されたものの、今後も市場は格付がどうなるかについて注目すると考えられ、これについては今後も動向を見守る必要があります。
以上のように、南アフリカは直近でいきなりデフォルトリスクがあるかというと、その段階ではまだないが、格付が下げられる可能性があり、そこに対しての注目は高いというのが現状です。
南アフリカランドという通貨の特徴
南アフリカランドという通貨は、「高金利」「単位当たり価格が安い」「レンジ相場がかなり多い」というのが投資家にとって大きな魅力となっております。
一番はじめにも書いたように、南アフリカの政策金利は6.75%もあり、他の国では、例えば日本は0.1%、利上げしたアメリカでも2.5%、イギリスも0.75%、EUにいたっては0.0%、高金利として有名な豪ドルやNZドルでもそれぞれ1.25%、1.5%と、非常に高金利と言えます。
南アフリカランドのスワップポイントが一番高いみんなのFXでは、スワップが10万通貨あたり1日150円ですが、これは365日で54,750円となります。南アフリカランドは1通貨7.3円程度なので、10万通貨で73万円分のポジション、つまり、この水準が続けば、年換算すると、レバレッジ1倍でも収益率7.3%と、非常に高い収益率となっております。
もちろん、先進国通貨と比べると、値動きが荒かったり、リスクオフの際にはより売られやすいということもありますが、逆に言うと、「為替の変動でもスワップでもどちらでも利益が出る可能性もある」ということで、是非一度はトライしてみてほしい通貨といえます。
次の「1単位が安い」というのは、先ほども述べたように、1ランド7.3円程度なので、1万通貨持っても7.3万円分、10万通貨でも73万円と、かなり細かい単位で投資ができます。例えば米ドルでは110円くらいなので、1万通貨持つと110万円程度のポジションになりますが、南アフリカランドでは、10万通貨持っても米ドル1万通貨より少ないポジションになります。
南アフリカランドランドについて一番スワップポイントの高いみんなのFXやLight FXでは、1,000通貨単位で取引が可能、つまり7,300円分のポジション単位で取引できるため、少額からでもはじめることができるので、興味があればまずは少額からでも投資してみるのがおすすめです(投資は、実際にやってみないと分からないことも多いので、まずは少額からはじめるのがいいです)。
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最後のレンジ相場が多いというのは、南アフリカランドについてはかなり多くの期間でレンジ相場になり、そのレンジの中での値動きとなっております。これは、南アフリカは新興国なので下がるときは下がる一方、政策金利の高い通貨であるため、「下がりすぎたら金利差を狙って買われる」という特徴があり、その結果として、レンジ相場となりやすいためです。
また、南アフリカ自体も、自国通貨防衛(通貨が安くなり過ぎないようにする)という発想を持った国であるため、南アフリカランドが大きく下げそうな事態になると、金利を上げるなどで対抗措置をとることが多く、それによって、「下がってもその時に金利狙いで買われる」ことが起こりやすいのもその理由となります。
このレンジ相場の多いことの何が良いかというと、レンジの幅を広くとりつつ、きちんとロスカットさえ入れておけば、ほとんどの場合レンジ相場なので、下がった時に買い、上がった時に利確すれば利益を上げられる可能性が高いということです。
ただし、レンジを破って下にいくこともあるので、それに対してはロスカットや、あるいはかなり手広くレンジを想定することで対応するのが良いです。
以上のように、高金利かつ、1単位を非常に小さく取引できる、相場がレンジ相場になりやすいのが、南アフリカランドのFXでの魅力と言えます。
ラマポーザ大統領はどういう人?市場での評価や、ネルソン・マンデラ元大統領との関係
先ほど「ラマポーザ大統領になって、市場からの信頼が回復した」という話を少し書きましたが、このラマポーザ大統領がどういう人なのかについて、簡単に説明したいと思います。
ラマポーザ大統領は、2017年12月のANC(南アフリカの与党)の総裁選挙で党首に就任した人で、2018年2月にズマ大統領が辞任したことで、大統領に就任しました。

党首選に勝利したラマポーザ氏(2017年9月25日撮影、(c)AFP PHOTO / Glyn KIR)
ラマポーザ氏は、元々はネルソン・マンデラ元大統領の側近で、南アフリカのアパルトヘイト(人種差別思想に基づいた様々な法律)の廃止にも尽力した人です。
ネルソン・マンデラ元大統領といえば、このアパルトヘイトの廃止によってノーベル平和賞なども受賞した伝説的な南アフリカの大統領ですが、この人が右腕として重宝したのが現大統領のラマポーザ氏であり、ネルソン・マンデラ元大統領が自身の後継者となることを望んだとも言われております。(出典:毎日新聞 2017/12/20)
しかし、当時は党内で支持が集まらず、実業家に転身しましたが、そこでも大成功を収め、コカ・コーラやマクドナルドの株を保有するなどして財をなし、推定資産は4億5千万ドル(約480億円)とも言われております(出典:産経新聞 2018/2/15)
そのようにビジネスの世界でも大成功を収めたラマポーザ氏は、2012年にANC副議長として南アフリカの政界に復帰し、昨年末のANC党首選では満を持してANC党首となり、2018年2月には大統領となりました。
ラマポーザ氏は、就任に際して、反汚職と経済の再建を宣言し、実際に財務相に財政改革を断行しようとしてズマ大統領に嫌われて退任させられたネネ氏を起用し、また、同じような理由で財務相を退任させられたゴーダン元財務相も閣僚として登用する等、人事面でも財政再建に積極的な人を重用しております。
このように、ラマポーザ大統領は非常に優秀で市場からも高く評価されている人なのですが、とはいえすぐに全ての問題が解決するものでもなく、実際に南アフリカの赤字は解決するのか、今後どのように成長していくのか、汚職等の問題は解決していくのかということについて、注目が集まっております。
経済については、2018年7月に中国の習近平主席が南アフリカに1.6兆円超の投資を約束する、9月にはGDPのマイナスに対して500億ランドの景気刺激策を行い市場から評価を受けるなど、ラマポーザ大統領の手腕が発揮されつつありますが、南アフリカは今月発表のGDPも前期比マイナス3.2%と、まだ苦境が続いている状態にあります。
ラマポーザ大統領の政策の中で、不安の種があるとすると、白人から土地を補償なしで収容し、貧困対策に使おうとしているというのと、最近では中銀を国有化しようとしていること、さらには反汚職をかかげながら、最近汚職疑惑も出てきているということがあります。
白人の土地収用というのは、南アフリカでは黒人が8割を占めておりますが、その黒人の貧困問題が南アフリカの高い失業率や治安といった問題を引き起こしており、その解決策として、裕福な白人から土地を収用し、黒人に再配分をすることで貧困問題の解決を図るというものです。
この白人から土地を収用して黒人に再配分するという方法は、かつて南アフリカの隣国であるジンバブエで失敗した手法であり、また、人種差別的な手法でもあるため、投資家からは心配されている部分でもあり、アメリカのトランプ大統領も8月23日に問題視してわざわざ言及する等、注目が高まっております。
ただし、白人土地収用問題については、まだ検討段階であり、また、トランプ大統領も言及することはあっても、さすがにこれを理由に制裁等までやるとは考えづらいため、注意する必要はあるものの、そこまでクリティカルにマイナス材料とはならないと考えております。
そして、次の銀行の国有化というのは今年になって出てきた論点で、こちらも投資家から心配されている政策案です。
金融政策において、建前上中銀が国から独立性を持って政策を行うようにするのは世界の常識ですが、それを国で管理しようとしているのは、懸念材料となります(もちろん、現実には中銀が完全に独立性を持つことはありえないのですが、建前上は独立させるのが大原則です)
また、最近ではラマポーザ大統領自身にも汚職の疑惑も出てきており、ボササ社という会社のCEOからラマポーザ大統領の息子が不正献金を受けた疑惑があり、それにラマポーザ大統領も関連しているのではないかという疑いが出ております。
以上がラマポーザ大統領についての説明でした。それでは、次に南アフリカランドはこれまでどのように推移して、今後どうなるかということについて見ていきたいと思います。
南アフリカランド、これまでの為替推移とその理由
南アフリカランドの推移をまずみましょう。まずは期間を長めにとって、過去10年間分見てみましょう。
【過去10年間 南アフリカランド円チャート 月足】

これを見ると、
といったことが分かります。では、次に、それぞれの時期に何が起こって変動していたのか見ていきましょう。
2014年までの南アフリカランドの推移とその理由の分析
まず、2007年のアメリカにおけるサブプライムローン問題、2008年のリーマンショックによって、2008年中は南アフリカランドは大きく下落しております。
これは、こうしたリスクオフに対して、日本円が円高になった(円は安全資産として、リスクオフの流れが強くなった時に買われやすい)ということに加えて、2007年まで南アフリカランドのような高金利通貨を買い持つキャリートレードが流行し、それが一転してリスクオフによって売られたということもあり、大きく下落しました。
その後、南アランドの高金利が好感されて少し戻すものの、2011年の8月から9月にかけては、米国国債の格下げ、9月にスイス中銀によるスイスフラン為替相場への介入(ユーロに連動するように為替介入を行い、大幅にスイスフラン安となった)等もあり、下落しました。
一方で、逆に言うとそうしたリスクオフが発生していないときは、基本的にレンジ相場を形成し、2015年8月までは上がったり下がったりを繰り返しておりました。
2015年の南アフリカランドの推移とその理由の分析
2015年8月には、上海総合指数が大きく下落し、中国経済への見通しが悪化したことで、世界的にリスクオフが高まり、全体的に円高となりました。そして、その中でも、中国への輸出割合が大きい南アフリカについては、他の通貨と比べても大きく下落しました(南アフリカの貴金属類の多くは中国に輸出され、南アフリカの輸出の相手先として1番大きいのは中国となっております)
2015年9月から11月にかけては、中国経済への見通しが底打ちしたこともあって南アフリカランドも戻す動きを見せましたが、2015年末から2016年始にかけて再び下落しました。
2015年12月の下落は、12/10に世界的な原油安や、ロシアがイスラム国に対して核ミサイルの使用の可能性を言及など、世界的にリスクオフが強まったことによるものでした。
また、ネネ財務相(緊縮財政派の財相)が更迭されたことにより政局が不安視され、「リスク資産の中でも特に南アフリカランドが売られやすい」という状態になり、南アフリカランドは、新興国通貨の中でも大きく下落することとなりました。
2016年の南アフリカランドの推移とその理由の分析
2016年以降の値動きをチャートで見てみましょう。
【2016年以降 南アフリカランド円チャート 週足】

2016年の年始は、為替相場は全体的に円高傾向にあり、南アフリカランドも例外でありませんでした。これは、年始いきなりの上海総合指数の大幅下落、サウジアラビアとイランの国交断絶とそこから伴う中東情勢の悪化懸念、北朝鮮の核実験等、世界的にリスクオフの動きが広まりやすい環境となっており、そうしたことが円高の原因となり、南アフリカランドも下落しました。
特に、1/11には一時的に6円台前半まで暴落し、その後また元に戻すように非常に荒い動きをし、市場を驚かせました。これについては、「ロスカット売りがさらなるロスカット売りを巻き込み、それに自動売買(今の為替の世界では、ニュースや為替の動きから自動売買するソフトが当たり前のように使われております)での売りにもつながり、一時的に暴落した」と言われております。
この日の暴落については、1/11中に7円台に戻し、終わってみれば始値と終値がそこまで変わらなかったように、「市場の暴走」が原因で、何か大きな事件があったわけではないという、かなり珍しいケースと言えます。
2月以降は10月までは6.9円から7.7円の間をいったりきたりしつつ、6月の終わりに一瞬大きく下落しておりますが、すぐにレンジ相場に戻りました。6月に一時的に大きく下落したのは、イギリスのEU離脱国民投票で離脱派の勝利(いわゆるBREXIT)によるものです。ただ、このBREXITについては、その後、「ではいつ離脱の交渉をはじめるのか」すら決まっていない中でのもので、また、特に目立った実体経済面でのダメージもなく、市場はポンドやユーロ以外は、元の水準に戻りました。
このようにレンジ相場が続いていたのですが、10月以降は上昇トレンドになります。
10月は全体的に世界のリスクオフの流れが緩和し、円安傾向にありました。その中で、南アフリカランドも例外ではなく上昇しているのですが、10月に一つ大きな陰線があり下落しているところは、10月11日に今の財務相でありズマ大統領と財政健全化をめぐって対立のあるゴーダン財相が警察に出頭を命じられ、「政局が不安定」「財政健全化への道のりが遠ざかった」という観測によるものでした。
しかし、10月31日にゴーダン財相への捜査の打ち切りが発表され、それによってレンジの上限となっていた7.8円にタッチするくらい上昇するも、そこを上抜けすることもなく、再びレンジ相場に戻りました。
その後、11月に入って、トランプ大統領当選直後に一時的に下げるも、その後はご存じ「トランプ相場」による円安の影響で、南アフリカランドについても上昇基調となり、8円の節目も突破し、8.6円まで上昇しました。
市場はトランプ大統領決定までは「トランプ大統領と言う何をするか分からない存在」に対する警戒心が強く、トランプ氏優勢と伝わるたびに円高、クリントン氏が盛り返したときには円安というような展開になっておりましたが、トランプ大統領が決定すると、その後は円安の方向にシフトしました(「リスクオフ」としての性質が強い円は、リスクが高まった時に買われて円高に、逆に下がった時に円安になります。これは対南アフリカランドでも同様です)
2017年の南アフリカランドの推移とその理由の分析
2016年は年末に上昇し、2017年も3月くらいまでは9円近くまで上昇するなど、順調に推移していたのですが、3月末から4月上旬にかけて大きく下落します。
これは二つの下げ要因があり、一つはアメリカでのトランプ大統領が医療保険制度改革について、共和党の支持を得られず法案提出を撤回したこと、もう一つが3月31日に緊縮財政派のゴーダン財相が辞任させられたことにより、政局が混乱したことです。
まず前者の医療保険制度改革の失敗については、トランプ大統領はオバマケアの撤廃・新制度の導入を目指していたものの、これが共和党(トランプ氏は共和党)の支持を得られず、可決できない見通しになったため法案撤回となりました。これはトランプ大統領の政策の中でも重点政策であり、これに議会がNoを突きつけたことで、トランプ大統領の議会運営に疑問視され、ドル高・円安の大きな要因となっていた減税・公共投資といった政策も実現可能性に疑問符が付いたことにより、為替相場全体がリスクオフで円高になりました。
もう一つのゴーダン氏の退任は、上でも書いたように元々財政再建について、積極的に財政再建を進めたいゴーダン氏と先送りにしたいズマ大統領の間には対立があったのですが、そのズマ大統領のストッパーとなっていたゴーダン氏の退任によって、南アフリカの政局の混乱・財政再建の遅れを問題視されたものです。
これによって、4月3日に、格付け機関のS&Pは南アフリカ国債の格下げを行い、その結果南アフリカ国債は「投資適格級」から「投機的水準」となりました。
こうした要因によって、4月の上旬まで南アフリカランドは下落基調にありました。
その後は、南アフリカランド特有の「特に明確な材料がない時にレンジ相場」という状態が続いておりましたが、年末に大きく上昇しました。
11月下旬に入ると、12月16-20日にあるアフリカ民族会議の党首選でラマポーザ氏(現在の大統領)が選出される可能性が高いと見られズマ大統領の財政赤字拡大路線が修正されるのではないかと言う期待から、若干戻す動きを見せ、実際に党首選でラマポーザ氏が選出されたことにより、南アフリカランドは大きく上昇しました。
2018年の南アフリカランドの推移とその理由の分析
2018年の南アフリカランドは、2017年末のラマポーザ氏当選の勢いもあって、年始は上昇基調にありました。2018年に入ってからのチャートを見てみましょう。
【2018年 南アフリカランド円チャート 日足】

ANC党首選でラマポーザ氏が当選したことで、ズマ大統領がいつ辞任するのかということに注目が集まっておりましたが、2月14日、ついにズマ大統領の辞任が発表され、ラマポーザ氏が大統領に就任しました。
2018年の3月までは、南アフリカランドは、ラマポーザ新大統領への期待もあって、NYダウの急落などのリスクオフ要因で為替相場が全体的に円高になる中で、南アフリカランドは堅調に推移し、対ドルでは上昇し、対円でもレンジ相場となっておりました。
しかし、4月に入ると、アメリカの長期金利が上昇したことで、「高金利」目的での投資が米国債に集中したことで、高金利通貨である南アランドは下落します。
また、6月に入ると、南アフリカの2018年1-3月のGDPが2.2%のマイナス成長となったことで南アフリカランドは大きく売られました。
これによって、南アフリカランドは、対円では8.5円を割り、対ドルでも13.00や13.50の節目をあっさり突破し、米中貿易問題によるリスクオフからの全面的な円高もあって、8円を割る水準となりました。
さらに、8月に入ると、トルコリラが年初から40%超下落と暴落したことによって、新興国通貨全般に対して売りが入り、南アフリカランド円は8円割れ、USD/ZARも14を超えて上昇しました(南アフリカランドにとっては下落)
8月の中頃に一本異様にヒゲの長い陰線がありますが、これは8月10日の「トルコ・ショック」の翌営業日の8月13日のことで、新興国通貨が投機筋から狙われ、一瞬大きく売られたことが原因でした。(南アフリカランド円は、一瞬だけ7円を割りました)。これは当日中に戻しましたが、その後も下落基調は続きます。
9月に入ると、まずは4-6月期のGDPが前四半期と比べて-0.7%と、マイナスとなったことが発表され、2四半期連続でマイナスとなって景気後退局面に入ったことから、大きく下落します。
しかし、そこで南アフリカランドはいったん悪材料出尽くしとなって買い戻され、そんな中で、9月13日にはトルコが政策金利を17.75%→24%に大幅利上げしたて新興国通貨不安がマシになったこと、さらに先日9月21日には、ラマポーザ大統領が500億ランドの景気刺激策を優先すると発表したこともあって、南アフリカランドは上昇しました。
また、11月には、トランプ大統領が「中国との貿易協定の合意草案作成指示」という報道があったことで、全体的にリスクオンの空気になり、高金利通貨が全般的に上昇し、その中で南アフリカランドも上昇しました。
しかし、12月に入ると、ファーウェイCFO逮捕やNYダウの下落など、リスクオフの傾向も出てきて、さらにNYダウの急落もあって南アフリカランドは大きく下げました。
2019年の南アフリカランドの推移とその理由の分析
2019年は、年始に急落後、しばらくは持ち直す動きを見せましたが、2月以降は下落基調にあります。2019年以降のチャートを見てみましょう。
【南アフリカランド円 2019年以降日足チャート】

1月にいきなり急落していますが、これは、
というもので、相場のオーバーシュート(行き過ぎ)が如実に表れたもので、南アフリカランドは、対円では7円台前半まで急落しました。
その後、1月は中国の景気刺激策への期待感からランドも上昇しましたが、2月に入ると、南アフリカの最大手電気供給事業者のエスコムの経営破綻リスクが出てきて、その関係で計画停電が行われていること、また、上でも書いたようにラマポーザ大統領が中銀の国有化について言及したこともあって、南アフリカランドは下落しました。
4月に入ると、ムーディーズが格付発表を延期(=格下げではない)したことで、南アフリカランドは少し上昇しましたが、5月に入ると、しばらく大人しくしていたトランプ大統領がいきなり「中国に追加関税を課す」と発表し、米中対立の懸念が再び高まったことで、リスクオフから南アフリカランドは売られました。
また、6月には南アフリカのGDPが発表されましたが、前期比マイナス3.2%と非常に悪い結果で、そのことから南アフリカランド派また売られ、今後どうなるか・・・・・という状態となっております。
以上がこれまでの南アフリカランド円の推移とその理由でしたが、ドルストレートで見た場合にどうなるかを次に確認したいと思います。
南アフリカランド、ドルストレート(USD/ZAR)の推移の分析
それでは、まず、USD/ZARの2016年以降のチャートを見てみましょう。(USD/ZARなので、南アランドが上昇するとチャートでは下落、逆に南アランドが下落するとチャートでは上昇に見えます)
【2016年以降 USD/ZAR 週足】

これを見るとわかるように、2017年末から2018年始にかけて南アフリカランドは大きく上昇(USD/ZARで見ると下落)していたのが、最近は徐々に安値を切り上げて上昇しつつあり、15.0の節目も突破して、どこまでいくか・・・・・という状態です。
クロス円で見ると円高・円安の関係もあっていまいちトレンドが分かりづらいですが、こうやって見ると、
と、かなり分かりやすいトレンドになっており、今は下落トレンドの中にあるということが、よりはっきりと分かります。
次の節目は、2018年に破れなかった16.0、さらには2016年のチャイナショックでつけた17.5といったあたりが重要となり、この時ドル円が110円であれば6.85円、6.28円、仮に105円まで落ちていれば6.56円、6円というように、7円割れというのは十分現実的な水準であり、6円くらいまでの下落があってもそこまでおかしくないということが分かります。
そのため、南アフリカランドについては、今から買って行ってもいいとは思いますが、下値には余裕を持って、ゆっくりと買い下がれるようにトレードするべきだと考えております。
以上が南アフリカランドのこれまでの推移です。なお、上の分析でも使ったUSD/ZARのチャートは、サクソバンク証券のものを使っております。
為替相場は基軸通貨であるドルをベースに取引されるので、USD/ZARは、テクニカル的には非常に重要なチャートであるのですが、FX会社で取り扱いが少なく、なかなか見ることができません。
その中で、サクソバンク証券ではUSD/ZARだけでなく、トルコリラやメキシコペソ等も対米ドルでチャートを表示することができるので、それらのチャートを見たい場合、サクソバンク証券でも口座を持っておくことをおすすめします。
口座開設は、
サクソバンク証券

南アフリカランドの今後の見通し予想
それでは、南アフリカランドの今後の見通しを説明したいと思います。
結論から書くと、
と予想しております。
南アフリカランドの短期的な見通し(2019年7月くらいまで)
短期的には、7円-7.7円くらいのレンジで推移すると考えており、今の7.46円という水準から考えると、売りの方が分が良いのかなと考えております。
まず基本的に現在は、エスコム社の状況や、中銀国有化発言等もあってかなりネガティブな状況であり、どちらかというと、マイナス方向に振れる可能性の方が高いのではないかと予想しております。
チャートで見ても、現在は南アフリカランド円は下落トレンド、USD/ZARは上昇トレンドにあり、基本的には南アフリカランドは下落基調(USD/ZARで見ると上昇基調)と考えられます。
【南アフリカランド円の日足チャート】

【USD/ZARの日足チャート】

このように、相場の材料的にも、チャート的にも上方向よりは下方向に振れる可能性が高いと考えており、基本的には下落基調と予想します。
具体的には、まず15.0の節目が過去においても意識されやすい一つのポイントで、この時ドル円が108円とすると、7.2円、110円なら7.33円なので、このあたりが短期的な一つの目安だと考えております。
そこを抜けると、次は2019年8月から9月のトルコショックや南アフリカのリセッション入りで下落していた時期に意識された15.5が次の節目になり、チャートに引いた平行線を見ても、そのあたりまで行ってもおかしくはなく、その場合108円で6.967円、110円で7.096円というように、クロス円で7円の節目を割る可能性も見えてくると思っております。
一方で、上値としては、一目均衡表の雲を下抜け、90日移動平均線を抜けた次の節目である14.25は意識されるポイントと考えており、この場合110円で7.71円、108円で7.57円となるので、7.7円くらいを一旦の上値の目安と考えております。
以上から短期的には7-7.7円で推移すると予想します。
南アフリカランドの中長期的な見通し(2019年内~10年程度)
次に、南アフリカランドを中長期的な視点で見る場合、まずは南アフリカが基本的には今後成長が期待される資源大国であり、PWCの2050年までの世界情勢を予想したレポートでも、2050年までの平均年間GDP成長率5.8%と予想されているほどの伸び代のある国であることから、基本的には上昇が期待できます。(PWCレポート 2050年の世界)
しかしその一方で、南アフリカランドは「リスクオフ」の際には大きく売られやすい通貨でもあるので、何か大きな事件が起こった場合には一時的に大きく下落する可能性はあります。そうした点から、「レンジを広めにとる」「ある程度取引単位を大きくするのであれば、ロスカットをしっかりと入れる」といったことは必要と考えられます。(南アランドのような新興国通貨には「全財産を投資」というのはおすすめせず、投資先の一つとして長期で持つのが良いです)
では、南アフリカランドに影響を与えそうな要素について、それぞれどうなるか、どういう点に注目していけばいいのかということを書いていきたいと思います。南アランドに影響を与えるものとして、以下のものを考えております。
南アフリカの動向
南アフリカ以外の情勢
それぞれについて簡単に説明していきます。まず南アフリカの動向から見ていきましょう。
南アフリカについてみると、「ラマポーザ大統領が何をするか」「それによってGDPや経常赤字は改善されるのか」「ムーディーズの格下げはあるか」という点がポイントになります。
まず前提として、2017年に辞任したズマ大統領については、汚職疑惑や、財政再建に積極的であったゴードン氏を退任させたこと、財政赤字が続いている中で教育無償化を打ち出す等、財政規律を高めるということへの意識は低く、こうした点が格付け会社等からも懸念されておりました。
その中で、脱ズマ路線を打ち出したラマポーザ氏がANC(南アフリカの与党)の党首選で勝利したことにより、2017年末に南アランドは大きく上昇しました。
このラマポーザ氏は、上でも書いたとおり、脱ズマ路線を打ちだしたというだけではなく、南アフリカのアパルトヘイト政策(人種隔離)を廃止したネルソン・マンデラ大統領の右腕として活躍し、その後ビジネスの世界でも大成功を収めた人でもあり、その実力は政財界から非常に高く評価されている人であるため、そのラマポーザ氏が党首に選ばれたとき市場は好感したのですが、では、実際にどこまで脱ズマ路線を実現できるのか、経常赤字改善の見通しをきちんと示せるか、というのが重要となります。
ラマポーザ大統領は、「財政削減派の議員を積極的に閣僚に登用」「中国等から資金調達のディールを成功させる」等、様々なことをして期待は高まっておりましたが、現時点ではGDPのマイナスや経常赤字に大きな改善傾向はみられず、また、エスコムの経営破綻リスクからの計画停電などもあって、今後も見通しはしばらく厳しいものとなると考えられます。
また、最近ではラマポーザ大統領自身にも「汚職疑惑」も出てきており、こうしたものは「シロと証明するのが極めて難しい」「しかし疑惑がある時点で指導力を発揮しづらくなる」というように、非常にやっかいなものなので、今後南アフリカは政局的にもかなり難しい場面が来ると思っております。
他にも、ラマポーザ大統領の政策で気になるのは、やはり白人土地収用問題と銀行国有化で、これを本当に行うのか、行うとしてどうなるかということについては、注目が必要です。
トランプ大統領が問題視したり、また、実際に土地を収用した場合に経済にどのような悪影響を及ぼすのかは強く懸念されております(例えば、ジンバブエのように白人の農業技術が失われることで農業が衰退することや、また、土地を担保にしたローンがある場合などには、金融機関への影響等も懸念されております)
また、中銀の国有化というのは、中銀の独立性という観点からありえない政策で、その点についても懸念材料と考えております。
次に、最近は「格付延期」がされ続けているムーディーズの格付けですが、ここで格下げがあった場合は、南アフリカ国債がFTSE世界国債インデックス等の指数から外されて、南アフリカ国債から機関投資家の大量の資金が流出→南アフリカランド急落という可能性があります。
この格下げによる資金流出のインパクトは、昨年話題になった時は100億ドル以上の資金流出とも言われたものなので、かなり大きな材料となると考えられます。
次に、南アフリカ以外の情勢で南アフリカランドに影響を与えそうなものを見ていきましょう。
まず昨年NYダウ安からはじまった世界的な株安状況については、また株安がいつ起こってもおかしくない状態にあります。
2019年にはアメリカの景気のピークアウトが予想されており、世界的な景気見通しも悪化し、指標結果も悪いものが散見されたり、逆イールド等の発生もあって、株価はいつ大きく下落してもおかしくない状態となっております。
ただし、NYダウは世界のトップ中のトップ企業を集めたものであり、数十年以上基本的には右肩上がりで伸びていることから、長期的にはこうしたリスクオフの動きは解消されると考えております。
中国経済については、経済のけん引役の不動産の上昇がバブルである可能性があり、バブルが崩壊した場合中国経済に大打撃となるというように、リスクとしてあるだろうと言えます。
2019年に入ってからは景気刺激策を積極的に打ち出し、最近では指標も良い結果が散見されるようになり、上海総合指数も5月まで上がっておりましたが、この「景気回復が本物なのか」ということについては疑問があり、例えば、Three Reasons To Question China's Blockbuster Economic Dataでは、
「もし本当に景気が回復しているとすると、
・土地の売上が減少している
・輸入量が減少している
・エネルギー消費量が減少している
ということが考えづらく、真実性に疑問がある」「ただし、こうした公式発表をした以上、金融緩和を抑える方向で政策が行われる可能性がある」(管理人の意訳)
というように書かれており、中国経済が本当に回復したのかどうかはいまだ疑わしく、今後も見ていく必要があると思っております。
中国経済の見通しが悪化した場合、中国との関係が深い南アフリカランドにとってはネガティブな影響を与えます。
EU動向については、景況指数が悪化してきていることや、BREXITがどうなるか等、様々な問題が出ており、特にBREXITについては、ボリスジョンソン氏が党首選でかなりのリードを奪っており、今後どのように離脱するのか、それが経済にどのような影響を与えるのか等、何一つとして予想しづらいものばかりであり、「今後も動向を注目する」以外にはないと思っております。
日本の緩和動向については、自民党総裁選で安倍首相が再任され、また、日銀も緩和の継続を明言しているため、当面は意識しなくてもよいと考えられますが、物価上昇率が2%に近づいてきた際には、再び大きな論点となり、その時には円高が進むと考えられます。
最後のテロや戦争などの世界的なリスク要因については、正直「起こってみないとわからない」面がありなんともいえませんが、ここれについては、「何かがあった時に下がるリスク」として認識しておいて、買う場合はある程度余裕を持った投資を行い、売る場合はタイミングを見計らって、しっかりロスカットを入れて行うことが良いと思います。
このように、ある程度中長期で影響しそうな南アフリカランドのリスクとしては、
等があり、これらには注意する必要があり、こうしたことを考えると、しばらくは南アフリカランドは、下落基調が続くのかなと考えております。
ただし、人口動態や成長余地を考えると、基本路線としては、中長期的にアフリカが伸びていくのは間違いなく、その時にはその成長の中心である南アフリカも成長できると考えられ、何より、今後工業で需要が確実に見込まれるレアメタルを安定して産出できるという強みがあることから、中長期ではプラスとなることを予想します。
また、高金利という強みもあり、FXでも南アフリカランドのスワップポイントは1日150円で、年換算54,750円、今南アランドがおおよそ7.5円なので、レバレッジ1倍でも年収益率約7.3%となるため、下がっている間も高い収益率で運用できます。
南アフリカランドは、歴史的には高値を付けていた時には20円台のときもあり、また直近5年間でもほとんどの時が10円台だったことを考えると、今の水準であればまだまだ伸びる余地は大きく、それまではスワップをもらいじっくり投資をして、大きく伸びたら売ることで、二重に利益を上げることが期待できます。
なお、南アフリカランドをFXで取引する場合には、スワップポイントがFX業者の中で一番高く安定しており、取引単位も千通貨単位で可能(=南アフリカランドなら1万円なくても取引可能)な、みんなのFXか、LIGHT FXがおすすめです。
この2社は、どちらも同じトレイダーズ証券という会社が運用しているFXで、スプレッド、スワップポイント、取引単位など、基本的な条件が全部同じになっているところです。
南アフリカランドのような新興国通貨のポジションは、一時的に急落する可能性もあり、他のポジションと同じ会社で取引をすると、何かが起こったときに一瞬下落して全部まとめてロスカットというリスクがあり、また、どの通貨で利益が出てどの通貨で損失が出ているのかの損益管理も面倒になるため、これから南アフリカランドへの投資をはじめる場合、今使っていない口座を南アフリカランド専用口座にするのがおすすめで、その点同じスペックの会社が2つあるのは、大変ありがたい状況となっております。
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また、為替の変動によるリスクを抑えて運用したい場合、これらに加えて、もう一つ、売りスワップ(マイナススワップ)が一番安いセントラル短資FXで同額の売りポジションを持つのがおすすめです。
買いと売りのポジションを同額持っていれば、為替レートが上がったときは買いポジションがプラスに、売りポジションがマイナスになってトータルではプラスマイナスゼロに、下がったときは買いポジションがマイナス、売りポジションがプラスになって、やはりトータルではプラスマイナスゼロというように、為替リスクをほぼ0に抑えながら、買いスワップと売りスワップの差額分だけ毎日貰うことができます。
そしてその差額についても、みんなのFXやLight FXで買い、セントラル短資で売りを持つと、執筆時現在のスワップポイントだと10万通貨あたりで1日60円の差額が貰え、年間21,900円、利回り4%近くと、決して悪くない利回りとなっております。
※現在のレートでレバレッジ3倍でポジションを持つことを前提に計算
そのため、為替リスクを抑えて投資したい場合、このように買いポジションだけでなく、売りポジションも別のFX会社で持つことで、差額分だけを貰うという方法もおすすめです。
この方法で売り口座として使うセントラル短資FXへの口座開設は、
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(参考)野村證券、ゴールドマンサックスの南アフリカランドの見通し予想
最後に、有識者が南アフリカランドをどう見ているのかということについて、野村證券とゴールドマンサックスの見解を紹介します。結論から言うと、
となっております。
野村証券の南アフリカランド円の今後の見通し予想
野村証券は、6月17日更新のマーケットアウトルックで、南アフリカランドについて、以下のように書いております。
5月23日の金融政策委員会では、政策金利が3会合連続で6.75%に据え置かれました。声明文では、電力供給の制約や主要な金鉱山でのストライキの影響による景気弱含みが指摘されました。
2019年1-3月期の実質GDP成長率が前期比年率-3.2%と過去10年で最大の落ち込みとなったことや、政府の調査で企業献金や汚職問題が明らかになったことは足元のランド安要因となっています。
2019年6月14日15時現在、南アフリカランドは対米ドルで14ランド台後半、対円では7.2円台後半で推移しています。向こう1年間の南アフリカランドの対円相場レンジを1ランド=7.5~9.2円と予想します。
野村証券マーケットアウトルック
今時点で7.5円前後でこのレンジで言うと下限ですが、それを割っていた時期も多くあり、また、文章のニュアンスもどちらかというとネガティブに見ている感じがあるので、このレンジを今もそのまま信じてよいのかは、正直よく分かりません。
ゴールドマンサックスの南アフリカランドの今後の見通し予想
次にゴールドマンサックスの予想ですが、これは、Pound Sterling Live(英語)の2019年5月29日の記事で書かれておりました。
英語なのでざっくりと要約すると、
と、要するにラマポーザ大統領が改革できるのがその前提ですが、基本的にポジティブに見ておりました。(USD/ZARは現在14.5程度で、これが13.5であれば、ドル円108円で8円、105円でも7.77円、114円なら8.4円で、今よりは良い水準です)
このように、ゴールドマンサックスは、南アフリカランドについて、比較的ポジティブな見解を持っております。ただし、ANCのメンバーで、ズマ派(元大統領派)であるマブザ氏とドラミニ・ズマ氏(ズマ元大統領の奥さん)が入っている等、ズマ派の影響力はまだ残っている状態であり、また、上でも書いたようにラマポーザ大統領自身にも汚職疑惑が出ている現状で、そこまで改革路線を貫くことができるかというと、今は少し前提が変わっている可能性もあるかなとも思っております。
以上が南アフリカランドの見通しについての説明でした。
南アフリカランドへの投資でおすすめの会社の口座開設は、
【買いでおすすめ(スワップポイントが安定して最高レベル、1,000通貨単位取引可能)】
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