2019年10月04日 21:02

今回は、FXでも長期投資派から人気の高い豪ドル(オーストラリアドル)について、今後の見通しを予想し、その上で豪ドルをトレードする場合のおすすめの戦略について解説します。(2019年10月更新!)
豪ドルは、
というように、長期投資に向いている通貨である一方で、現在は利下げフェイズにあり、ついに政策金利は1%割れの0.75%まで落ちて、為替レートも下落基調にあるので、今後どこまで下げる可能性があるのか、将来的に値上がりが期待できるのか?といったことを書きたいと思います。
結論から書くと、
と考えております。
短期的には、まだしばらく利下げフェイズが続く可能性が極めて高く、また米中対立も再燃しており、世界経済も停滞見通しもあることから、基本的には今後よほどの好材料が出てこない限りは、戻り売りが良いと考えております。
一方で、豪ドルを長期で見た場合には、見通しが悪化したとはいえ経済成長も2.8%は予想され、公的債務残高も小さく安定性があること、資源国で、元々は高金利でもあり、売りポジションも限界近くまで溜まってきていることから、このままどこまでも落ちていくとは考えづらく、どこかのタイミングで反発するとは考えており、長期では買いで良いと思います。
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以下の順番で豪ドルの見通しを説明していきます。
オーストラリア経済の基本
豪ドルはオーストラリアの通貨であり、その為替相場の見通しには、オーストラリア経済が今後どうなるか、ということも影響してくるため、まずは簡単にオーストラリア経済の基本について説明します。
オーストラリア経済は、先進国でありながら、継続的に経済成長していて、財政リスクが低い(公的債務比率が低い)という特徴があります。
まず、オーストラリアの一人当たりGDPは、日本より高い56,351ドル(日本は39,305ドル)と、豊かな国です。
国内の産業構造としてはサービス産業等の第三次産業が74%、工業等の第二次産業が23.4%、農業等の第一次産業が2.6%というように、典型的な先進国型の経済となっております(出典:外務省 オーストラリア連邦基礎データ)
国外への輸出としては、鉄鉱石(15.2%)、石炭(15.0%)、教育関連旅行サービス(8.0%)の順番であり、基本的に資源と旅行サービスを輸出することに強みを持った国といえます。輸出の相手先としては、上位3か国が中国30.6%、日本12.7%、韓国5.9%というように、特に中国との結びつきが強くなっております。
また、主要な輸出品である資源についても、中国が世界一の資源消費国であるため、資源価格は中国経済の影響を大きく受けることとなり、このように様々な面からオーストラリアは中国経済の影響を受けやすくなっております。
ただ、中国経済の影響を受けるとはいえ、2015年の8月や2016年はじめに中国株価の暴落(いわゆるチャイナショック)が起こった時にもオーストラリア経済は安定して成長を続け、1991-1992年にかけての成長から27年連続で経済成長が続いております。
この27年連続経済成長というのは、経済成長期間の長さとして、世界最長記録を現在進行形で更新しております、今後も2-3%で成長していく見通しとなっており、最近も経済成長の見通しが引き下げられたとはいえ、それでも2019年2.1%、2020年2.8%と予想されております。(出典:ニッセイアセットマネジメントレポート IMF世界経済見通し(2019年7月時点))
この27年間には、アメリカのITバブル崩壊、リーマンショック、欧州債務危機、中国株価大幅下落も当然含まれていおり、その中でもずっと経済成長を続けられているということで、オーストラリア経済がいかに強いかがよくわかります。
このように経済成長を続けているオーストラリア経済ですが、そういう成長を遂げている国にとっては珍しく、公的債務の残高が世界的に見ても非常に低いレベルであり、通貨危機のリスクが極めて低いという特徴もあります。
政府純債務残高対GDP比は19%程度と、世界的に見ても非常に低い水準であり、その結果として、ムーディーズ、S&P、フィッチという代表的な格付け会社三社の評価すべてでAAAとされており、財政面での健全性については、世界的にも強い信頼があります。
以上、まとめると、オーストラリア経済は、最近では中国経済や資源価格の低下の影響を受けつつも、それでも安定して成長しており、かつ、財務的にも非常に安定しているということができます。
豪ドルの政策金利の見通し | 何故最近利下げをしている?今後利上げはある?
豪ドルというと、少し前まで「先進国トップクラスの高金利通貨」だったのですが、残念ながら2019年10月現在、オーストラリアの政策金利は0.75%と、そこまで高いとは言えない水準まで落ちてきております。
【オーストラリア 政策金利推移】

そして、ロイターのレポートによると、2020年2月と5月に0.25%ポイントずつ利下げが続くと予想されております。
出典:RBA meeting next week - quick preview 9/27
今が0.75%なので、もしこの記事の通りあと2回利下げが行われると、オーストラリアの政策金利は0.25%となります。何故このように利下げを続けているのかというと、大きく理由は3つあり、
ということがあります。
オーストラリアの利下げの理由1 インフレ率が低い
オーストラリアの金融政策(政策金利をどうするかということを含む)はインフレターゲットを採用しております。インフレターゲットというのは、消費者物価上昇率等のインフレ率の指標について、マイルドなインフレ率を目標値を決めて、その目標値に入るように金融政策を決めるもので、日本でも採用されております。
インフレターゲットでは、今のインフレ率が目標より低ければ利下げ、逆にインフレ率が目標より高ければ利上げをすることが基本となり、オーストラリアの目標インフレ率は2~3%となっておりますが、最近はインフレ目標である2~3%のレンジより低いインフレ率であったため、利下げ方向で金融政策が行われておりました。
【オーストラリア消費者物価指数(インフレ率)推移】

何故インフレ率が低いと利下げをするかというと、非常に簡単に説明すると、インフレ率が低いというのは、物が売れにくくなって値段が下がるということで、それを直すためには、政策金利の引き下げ(=銀行への貸付金利の低下)によって、銀行が金を借りやすくなる→企業や消費者が銀行から金を借りやすくなる→金が市中に回って使われるようになる→物が売れてインフレ率が上がるというようなロジックです。
このように、インフレ率が目標値より低いことから最近までは豪ドルは利下げのトレンドにあります。
オーストラリアの利下げの理由2 米中対立等で、世界的に経済見通しが悪い
2018年からはじまった米中貿易戦争は2019年10月現在も止まるどころか、全体的には激化傾向にあり、その影響や、また中国の不動産バブル崩壊での景気減速等も重なって、2019年は世界的に景気後退への懸念が強まっております。
例えば、中国の経済指標は軒並み悪化し、ドイツやアメリカでも「リーマンショック以来」というような悪い数字も出始めていること、さらにはアメリカで景気後退の前触れである「逆イールド」が発生する等、「景気後退の兆候」は色々と出ております。
このように景気見通しが悪化すると、景気対策のためにも金融緩和が必要になります。
オーストラリアの利下げの理由3 世界的に金融緩和競争(利下げ競争)になっている
2019年に入ると、アメリカ、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、メキシコ等、様々な国で利下げが行われております。
このように世界的に利下げの流れになると、「金融緩和をしない→その通貨が買われる→自国通貨高→輸出が不利になる」ということで、他の国も追随して金融緩和や利下げを行おうとすることになります。
この流れの中で、オーストラリアも金融緩和の方向に向かっております。このように、金利の見通しについては、短期的にはかなりネガティブなものとなっております。
ただし、長期的なスパンで見ると、オーストラリアの今の政策金利は史上最低水準であり、安定して経済成長を続けていれば、いずれは「いつ利上げするか」ということが注目されるようになり、利上げトレンドに戻した場合、豪ドル円も大きく上昇することが期待されます。(通貨は、金利据え置きや利下げトレンドから利上げトレンドに変わった時に、大きく、かつ長い上昇トレンドに入りやすいです)
そのため、豪ドルに投資する場合は、短期的なスワップポイント狙いというよりは、安いうちに仕込んでおいて、しばらくはスワップポイントを貰ってゆっくり待ちながら(利下げされて下がる可能性はあっても、マイナスになるとは考えづらい)、中長期での利上げトレンドに転じたときの為替差益を狙うというのが良いと思います。
これまでの豪ドルの為替推移の分析
では、これまでの豪ドルの推移を分析し、何故動いたのか、ということから見ていきましょう。まずは、長めに、直近10年ちょっとのチャートを見てみましょう。
【豪ドル円 過去10年超 月足チャート】

このように、豪ドルの過去10年間の推移としては、
となっております。
豪ドルは2008年のリーマンショックで大きく下落
まず、2008年には、リーマンショックにより、豪ドルは大きく下落しました。
リーマンショックではほぼ全ての通貨で円高に振れているのですが、豪ドルは、「公的債務残高が少ない」「高金利」ということから、リーマンショック前は特に人気の強い通貨ペアだったのですが、2008年10月に政策金利を7%から6%と一気に1%ポイント引き下げ、その後の利下げも示唆したことから、それまでの人気の反動もあって豪ドルは大きく下落し、一時期100円超であったのが50円台と、なんと4割超も下落しました。(一般的に利上げにしても利下げにしても0.25%ポイントずつ行うのがほとんどで、1%ポイントと言うのは異例の下落幅です)
2009年から2015年まで豪ドルは上昇トレンド
しかし、その後は豪ドルの財務の安定性、経済成長、先進国の中での相対的な高金利といったことから、豪ドルは徐々に買い戻され、一時的に上下することはあれど、2015年7月くらいまでは全体としては上昇トレンドにありました。
豪ドル円が2015年7月、8月、2016年1月に「チャイナショック」で下落
その後2015年7月、8月、2016年始に大きく下落します。
直近4年ちょっとのチャートをご覧ください。
【豪ドル円 週足チャート】

これは、いわゆる「チャイナショック」と呼ばれる、上海総合指数の急落からの中国経済への警戒心の高まりで、豪ドルは大きく売られました。
このあたりでは、豪ドルだけではなく、ほとんどすべての通貨で円高に振れたのですが、中国との関係が深い豪ドルについては、特に強く売られました。
豪ドル円が2016年5月に下落した理由
その後5月にふたたび大きく下落しますが、これは5月3日にRBA(オーストラリア準備銀行)が0.25%ポイントの金利引き下げを発表したこと、及び、5月6日には、中国経済への懸念から、インフレ目標を2-3%から1-2%に引き下げることを発表するなどによるもので、この時レンジの下限であった81円を破り下落しました。
とはいえ、その一方で、住宅建設許可件数(住宅需要の動向が分かる指標)、貿易収支、小売売上高等の指標は市場予想よりも良い等、オーストラリアの実体経済面の強さもあり、下値も78円でとまり、こうした実体経済の強さと、金融政策の動向が拮抗した結果、5月以降は78円から80円の間で、小幅なレンジ相場となっておりました。
豪ドル円は2016年6月にBREXITの国民投票で大きく下落
2016年6月末には大きく下落しました。これはご存じのように、日本時間で6/24にイギリスのEU離脱の国民投票の結果、まさかの離脱派勝利によるもので、このときには全面的に円高になりました。
しかし、その後実体経済への影響は今のところ大きく見られず、また、7月10日にあった日本の参院選の結果、自民党が圧勝したことで今後も引き続きアベノミクス(追加緩和等)がより力強く継続されるという見通しから、ポンドやユーロ以外の通貨については、元の水準に戻りました。
2016年11月からアメリカでトランプ大統領就任による円安で上昇基調に
豪ドルは10月から11月上旬にかけて若干の上昇基調を見せ、一度大きく下落して、その後節目の80円を上抜けしまし、2017年中ごろまでは上昇基調になっておりました。
これについては、10月の上昇と、11月~12月半ばまでの上昇で若干理由が異なるので、分けて説明します。
まず、10月には、アメリカの大統領選挙において、クリントン優勢と伝えられ、これによって全体的に円安トレンド(=豪ドル円については豪ドル高)になっておりました。
これは、トランプ氏というのが政治経験が全くなく、様々な問題発言もあったトランプの大統領就任はマーケットでリスク要因と認識され、トランプ氏有利ならリスクオフの円高、クリントン氏有利ならリスクオンの円安、というような動きになるためです。
そんな中、日本時間で11月9日、市場の事前予想に反し、アメリカの大統領選挙でトランプ氏が大統領に選ばれました。
これに対しての市場の反応は、はじめは上で書いたように「定石通り」一時的に大きく下落しましたが、その後トランプ氏もしばらくは「おとなしく」していたことや、保守的な政策よりも財政支出や減税等の「ドルを強くする」政策が強調されたこともあり、米ドルが強くなり、逆に「安全資産」である円は売られ、対円ではほとんどの通貨が上昇することとなり、豪ドルも例外ではなく12月半ばまで上昇トレンドとなりました。
2016年12月以降は、その時その時で見るといくつかの材料によって動いておりますが、全体としての動きは小さく、緩やかな上昇の中で、レンジの値動きをするような形となりました。
豪ドル円2017年の推移とその理由
3月の終わりからの下落の理由は、トランプ大統領の医療保険制度改革(オバマケアの撤廃と新制度の導入)が否決されたことにより、トランプ政権の実行力に疑問が呈され、上で書いたのと逆のロジックでドル安・円高が進んだことによるものです。また、4月に入ると北朝鮮問題が大きくクローズアップされるなど、世界的にリスクオフの動きを見せ、そのことが為替相場にも影響を与えました。
しかし、6月に入ると、オーストラリアの小売り、雇用統計等の指標が好調で、7月に入るとRBAが議事録でも「ポジティブ」という表現を多用する等、オーストラリア経済については、かなり良い状態にあることが分かり、それによって上昇しました。
また、このように好調になってくると、今度は逆に「景気の過熱」、特にその中でも住宅市場に資金が集まりすぎてバブルが発生することを防ぐことから、「利上げ」の可能性も一部で指摘され始め、たとえば6月にはRBAの元理事であるジョン・エドワーズ氏が「18年と19年に0.25ポイントの利上げが計8回行われる明確な可能性があるように私には思われる」とコメントする等もありました。
8月に入ると、上昇材料についてもある程度織り込まれ、また北朝鮮情勢やインフレ率、資源価格等、その時の材料を拾って上下するも、全体としてトレンドになるほどの材料もなく、レンジが続きました。
豪ドル円2018年の推移とその理由
2018年に入ると下落基調に入り、それが今も続いております。2018年以降のチャートを見てみましょう。
【豪ドル円 日足チャート 2018年以降】

このように、豪ドル円は2018年に入って下落しましたが、これは大きく
という、3つの要因があります。
2018年に入ると、1月は大きな材料がない中で、日銀の金融緩和終了という噂が出たこともあり、若干円高基調となりました。
2月になると、NYダウの急落があり、為替相場は全体的にリスクオフの円高となりました。これについては、簡単に言うと、「NYダウが高くなりすぎていたことにより、その調整の下落」であり、ダウが大きく下落したことで市場は動揺し、全体的にリスクオフの円高になりました。
ただし、こうした円高トレンドも、4月以降は市場もそうしたリスクオフ要因にも徐々に慣れはじめ、アメリカ経済の好調さや長期金利が高く推移していることから、米ドル円については少しずつ円安トレンドとなっておりますが、豪ドル円は、基本的にはレンジ相場というように、上げ切らない状態になっておりました。
8月に入ると、トルコリラの暴落で全体的にリスクオフ相場になったことによる円高に加えて、オーストラリアのターンブル首相への退陣要求で政情が混乱する等で下落したことも嫌われて下落しました。
政情の混乱については、結局ターンブル首相が退陣し、モリソン新首相が誕生したことで一度落ち着きを取り戻しましたが、9月に入ると政策金利のところでも書いた、「大手銀行による住宅ローン金利の引き上げ」によるオーストラリア経済へのマイナスの影響が懸念されて下落し、その後リスクオンによる円安もあって82.5円まで戻したものの、南シナ海で米中の駆逐艦が衝突の危機に陥る等で、米中対立が意識されて、豪ドルはまた下落しました。
10月は、NYダウが27,000近い水準だったのが一時24,100まで落ちるというように、米国株が再び下落し、それによるリスクオフで若干下落基調となりました。
しかし、10月終わりから11月頭にかけては、米国株も戻してきたことや、トランプ大統領が中国との貿易協議に向けて合意草案の作成を指示といった報道もあって、米中対立緩和期待から豪ドルは上昇し、米中首脳会談で追加関税の一時見送りが決定されると、一時的に84円まで上昇しました。
しかし、それも利確売りや、ファーウェイCFO逮捕、NYダウ安等によって戻し、さらに12/19のFOMCでアメリカが「2019年に2回、2020年に1回の利上げ」というように、「市場が思っていたよりも利上げをちゃんとする見通し」が示されたことで、世界的に株安となり、その影響もあって豪ドルも77円台まで下落しました。
2019年1月のフラッシュクラッシュ、2月のロウ総裁発言での急落
豪ドルは、2019年に入って、さらに下落します。2019年以降のチャートを見てみましょう。
【豪ドル円 2019年以降 日足】

2019年に入ると、まず1月3日に、「フラッシュクラッシュ」「アップルショック」ともいわれる相場の大暴落があり、豪ドル円も大きく下げて、FX会社によっては、一時70円割れをしました。
これは、
というもので、相場のオーバーシュート(行き過ぎ)が如実に表れたものでした。
その後元の水準にすぐ戻して、さらに1月中は緩やかに上昇基調であったものの、2019年2月6日にロウ総裁が「利上げの可能性も利下げの可能性もどちらもある」と発言したことで利下げの可能性が市場で意識され、豪ドル円は大きく下落し、さらに2月8日にもRBAの四半期金融報告で、経済成長見通しとインフレ見通しが大幅に引き下げられたことでさらに下落しました。
しかし、その後は米中の対立緩和見通しや、また3月の中国PMIが良かったことから中国の景気回復見通しが出たことによって、豪ドルは徐々に戻していき、4月には一時80円超えもありました。
2019年4月から5月にかけて豪ドルが下落した理由
しかし、4月16日のRBA議事録公開で、「インフレや失業率によっては利下げが適切」「インフレを鑑みると、目先の利上げの可能性は低い」といった内容が嫌われて豪ドルは再び下落し、さらには4月24日にはオーストラリアの消費者物価指数(インフレ率)が1.3%と、非常に弱い結果であったことから、5月にも利下げがあるのではないかという見通しが強まり、豪ドルは下落しました。
その後5月に入ると、
といったこともあって、軟調な状態が続くも、大崩れはせずにおりました。
2019年8月~9月の豪ドルは米中対立の激化やBREXIT等で上下
8月に入ると、トランプ大統領が「9月1日から中国製品に10%の追加関税を課す」と発言したことで、世界的にリスクオフの流れが強まり、豪ドルも急落しました。
しかし、9月に入ると、
等、リスクオフ→リスクオンの流れになり、その中で、豪ドルも上昇しました。
しかし、RBAのロウ総裁が講演で金融緩和の必要性について述べて、10月の利下げの可能性が高まると豪ドルは徐々に下げていき、10月に入ると実際に利下げが行われたこと、さらにアメリカの経済指標が悪く、相場全体が円高になったこともあって下落基調にあり、今後どうなるか・・・・というのが今の状態です。
以上が豪ドルのこれまでの推移でした。
豪ドル投資のリスク| 何が起きると相場は動く?
ここまで過去の豪ドルの動きを見てきましたが、豪ドル円相場に大きな影響を与えるリスク要因は、主に以下です。
それぞれ詳しく説明します。
豪ドルは中国経済の見通しによって大きく相場が動く
オーストラリアの主要な貿易相手が中国であり、また、オーストラリアは資源国で、その資源価格の動向には世界最大の消費国である中国の景気状況が大きくかかわるので、豪ドル相場は、中国経済の影響が非常に大きいです。
そのため、チャイナショックの時のように中国経済への悲観論が高まったり、最近では米中対立が激化する等があれば、豪ドルは、他の通貨以上に下落しやすい傾向にあります(こういう状況では他の通貨も円高にはなりやすいのですが、豪ドルはその影響を特に受けやすいという意味)
豪ドルは政策金利が下落する見通しだと下がる
豪ドルは、元々「高金利通貨」であり、最近も利下げの影響で下落しているように、政策金利がどうなるか、というのは豪ドル相場にも大きく関係してきます。
そのため、豪ドルについては、スワップポイントを短期的に狙って投資していると、利下げがあった時に
というように、ダブルパンチになる点はリスクとしてあります。
ただし、これは逆に言うと、利下げフェイズが終わり、「今後どのタイミングで上げてくるか」というような状態になれば、
というように、両方狙うことができるということでもあるので、個人的にはあと1、2回利下げした後に良い買いのチャンスが来るのではないかと思っております。
世界的なリスクオフで円高になった時に豪ドル円は下がる
これは「豪ドル」のリスクというよりは、どちらかというと「円」という通貨に由来するものなのですが、例えばBREXIT周りで合意なき離脱見通しが高まったり、どこかで戦争が起こったり、世界的に景気見通しが悪化する等あれば、安全資産である円が買われ、相対的に外貨は何を買っていても落ちるという特徴があります。
円という通貨は、日本人にとっては当たり前すぎて意識しづらいのですが、実は世界的に見てかなり独特の動きをする通貨でもあり、
という特徴があります。
この理由には、
等々、様々な説はあるのですが、いずれにしても、今の相場の世界では、リスクが高まれば円買いというのがほぼ確実に起こっております。
そのため、豪ドル円は、世界的に何かリスクが高まれば、円が高くなることで相対的に豪ドル円が安くなることになります。
以上が豪ドル円投資のリスク要因でした。では、それも踏まえて、今後の豪ドル円の見通しを次で予想します。
豪ドル為替の今後の見通し
さて、それでは、豪ドルの今後の見通しを予想したいと思います。
結論から書くと、冒頭にも書いたように、
で、短期的には戻り売り、長期的には「安い時に買いを入れて、長期でスワップをもらう」というのが良いと思います。その理由を説明していきます。
豪ドル円為替の2019年の見通し予想
豪ドル円について、2019年の見通しとしては、下がる可能性の方が高いと予想しており、レンジとしては68-76円と予想します。
豪ドルに影響を与える要素としては、引き続き
といったあたりだと考えますが、もう1-2回の利下げの可能性は高く、また米中対立は色々と錯綜しているものの、全体として見ると激化の一途をたどっていること、さらに世界的経済の見通しも景気減速が懸念されていることから、上がるよりは下がる可能性の方が高いと考えております。
ただし、では今この瞬間に売りかというと、それもそうと言い切れず、というのも、豪ドルはドルストレートで見た時に現在「下落トレンドには明確にあるが、下値も固くなっている」というような状態にあり、また、IMM通貨先物で見ても売られすぎの状態にはあり、「ここからさらに下げる」とは一概には言えない状態だからです。
【豪ドル/ドル(AUD/USD)日足チャート】

【豪ドル/ドル IMM通貨先物】

このように、豪ドルは確かに下落基調ではありますが、かといって、今ここで下抜けをするかと言われると難しいところで、売るとしたら、トレンドラインの抵抗線に近づいてきたり、問題が何も解決していない中で市場が過度に楽観視しはじめた時に戻り売りという戦略が良いと思います。
2019年の下値としては、豪ドル/ドルのコアの動きをチャネルにした時の2019年12月の下値が、ちょうど節目の0.65近辺なので、豪ドル/ドル0.65、ドル円105円と考えて、68円を当面の下限と考えます。
一方で、上限としては、これから2020年にかけて豪ドルは利下げがほぼ確実視される中で、0.7の節目を再び超えるのは難しいと考えられ、この時ドル円が109円として、76.3円なので、76円を上限と考えます。
以上から、2019年の豪ドルレンジは、68-76円と予想します。
豪ドル円の2020年以降の見通し
2020年は、引き続き
といったことから、基本的には下目線で見ております。
【豪ドル/ドル 長期チャート】

下値余地としては、リーマンショック直後の豪ドル/ドルが0.6くらいで、ドル円が100円まで落ちたと仮定すると豪ドル円が60円なので、60円割れがあってもおかしくはないと思っております。
ただし、2020年に1-2回利下げすると、インフレ率も今でも1%台後半はあり、ゼロ金利やマイナス金利までは実際には至らないと考えられること、さらに他国も「これ以上どこまで緩和できるのか?」という問題が出てくると考えられることから、どこまでも落ち続けるということは考えづらく、60円台まで落ちてくれば、そろそろ長期での買い仕込みをしていきたいと考えております。
こうしたことから、2020年には買いチャンスが来る可能性が高いのではないかと考えております。
豪ドル円の長期見通し(5年後、10年後)
これまで短期見通しでは豪ドルは下落を予想しておりましたが、豪ドル円については、「長期的には基本的には買い」と考えております。
オーストラリアは一番はじめにも書いたように、債務残高が小さく、GDP成長率も安定してプラスで成長している、住宅需要や貿易収支、景気指標も好調というように、基本的にはプラス要素が多く、また、オーストラリア経済自体から「リスク」が発生することはあまりなく、外部要因(中国経済、アメリカ経済、資源価格等)による影響を、金融政策でいかに調整していくか(豪ドル金利がどうなるかを含む)、ということにかかっているためです。
過去10年間のチャートを見てもらっても分かるように、元々は100円超えの水準の通貨であり、それが下がったのもオーストラリアの経済自体に何か大きな欠陥があったというよりは、世界的なリスク状況によるものなので、長期的にはリーマンショック前の水準である90円くらいの水準には戻すと考えております。
このように、オーストラリア経済は中長期で見た時に安定感があり、金利動向も利下げの可能性が大きく減少したことから、基本的には買いポジションで、下がれば買い、上がれば売り、ロスカットまでいかない範囲の下げ幅であればスワップをもらいながら上がるのを待つ、というのが良いと思います。
以上が豪ドルについての見通しです。まとめると、一時的に下落するリスクはあるものの、全体的には良好な経済環境と安定した財務環境から、長期的には高い確率で上昇するというのが妥当かと思っております。
オーストラリアは世界でも珍しい公的債務残高の少ない低リスクな投資先でありながら、成長性もあり、今は価格が落ちているとはいえ資源もあるというように、非常に安定感のある投資先であり、こうした安定性について中長期的には必ず注目を浴びる機会が来て、その時には大幅に値上がりすることが期待でき、その値上がりするまでもプラスのスワップをもらえるので、安い間に買って持っておくのが良いと考えております。
ですから、長期目線で取引をするなら、安くなった時に買い、中長期で保有する、というのが良いと考えております。
このように、
という状態なので、おすすめのトレードとしては、
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(参考)野村証券の豪ドル見通し予想
最後に、参考として、当サイトの予想以外にも、野村証券がどのような見通しを持っているかについて書きます。
野村証券 5月13日(今後1年間)
野村證券では、2019年後半の豪州景気回復を予想していますが、利下げ打ち止め感が広がるまで、豪ドルは上値を重くするとみています。向こう1年間の豪ドルの対円相場レンジを1豪ドル=67.0~78.0円と予想します(従来予想は同69.0~78.0円)。
野村証券でも、豪ドルはやはり短期的には上値が重そうな展開が予想されております。