2018年09月25日 10:34
【トルコリラ円 15分足チャート】

【USD/TRY 15分足チャート】

(USD/TRYでは、トルコリラが上がるとチャートとしては下がって見えます)
この上昇の背景は、大きく2つあり、
という要因です。(シンジケートローンというのは、簡単に説明すると、複数の金融機関が協力してお金を貸すということです)
まず1つ目のブランソン牧師解放については、9/24にもWSJで牧師解放報道という話がありましたが、ポンペオ国務長官も今月解放されるだろうと発言しました。

(出典:ヒロセ通商ニュース)
ブランソン牧師解放を巡ってのアメリカとの関係悪化や経済制裁は、トルコリラの見通しに大きな悪影響を及ぼしていたので、このことが解決に向かうというのは、トルコリラにとって大きなニュースとなります。
関連記事:【利上げ反映】トルコリラ今後の見通し2018年9月 | トルコリラはどこまで下がる?
もう一つが、これもまたトルコリラ下落の大きな要因となっていた、トルコ民間企業が対外債務を返済できるのかという問題について、トルコ大手銀行のアクバンクが約1,000億円の資金を調達できそうだという見通しで、これもトルコリラ上昇の理由の一つとなりました。
トルコ大手銀行のアクバンクは約1000億円のシンジケートローンを確保しそうだと報道されています。これはイスタンブール市場でかなりストレスだったので足元のリラ上昇は牧師よりもこっちの方の影響だと思います。
— エミン ユルマズ (JACK) (@yurumazu) 2018年9月24日
Akbank sendikasyon kredisinde son aşamaya gelindi https://t.co/B16tWGlpk4
FX会社のニュースなどではこれについてはあまり報じられておりませんが、エミンさんが
足元のリラ上昇は牧師よりもこっちの方の影響だと思いますというくらいで、また実際に今でも対外債務の返済はトルコリラにとって大きな足かせとなっていることから、これも非常に大きなニュースだと分かります。
トルコリラ円については、こうした要因によって18.5円まで上昇しましたが、執筆時現在は18.27円前後となっております。日足チャートで見ると、18.5-6円くらいの上値が非常に重い印象で、前回の利上げの時もここで反落しております。
【トルコリラ円 日足チャート】

トルコリラ円にとっては、ここを超えられるかが一つのポイントです。
ただ、USD/TRYで見ると、少し風景が変わってきます。USD/TRYの日足チャートを見てみましょう。(USD/TRYでは、トルコリラが上がるとチャートとしては下がって見えます)
【USD/TRY 日足チャート】

味方によって上昇ペナントにも下降ペナントにも見えて難しいですが、いずれにしてもサポートラインとレジスタンスラインの幅がどんどん狭まっており、ブレイクアウトが近々起こってもおかしくないということが分かります。
トルコリラは、専門家によっても20円を超えて上がるという人もいれば、13円台まで下落すると予想する人もいて、予想がかなり難しい局面ですが、今回のブランソン牧師解放にしても、アクバンクのシンジケートローン調達にしても、本当に実現すればトルコリラをもう一段階上げる材料になると思います。
USD/TRYが7.1を超えてトルコリラが下落すると、トルコの金融機関に致命的な打撃を与えるというゴールドマンサックスの試算もあり、実際にトルコリラ安でトルコの民間企業は外貨建て債務の返済に四苦八苦しているというように、トルコリラ安は実体経済にもかなりの悪影響を及ぼしているので、何とかトルコリラ安が止まって欲しいものです・・・・・・
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