2020年09月27日 16:28

EUR/PLNは、コロナショックの時に急上昇し、その後しばらく下落基調にありましたが、先週また急上昇しました。
【EUR/PLN日足】

そしてこれは長期的に見てもとてつもない高値圏であり、リーマンショックのあった2008年以降のチャートで見ても、以下のようにトップレベルに高い水準にあり、最近だとコロナショック直後の水準に近づいてきた状態となっています。
【EUR/PLN月足】

なお、2008年以降の終値ベースで見ると、今の水準は上位2%内に入る水準で、とてつもない高水準であることが分かります。
ここまで上昇してくるとズロチユーロサヤ取り(ズロチを買ってユーロを売る取引で、EUR/PLNの売り)をしている人は含み損もかなり大きくなってきて、実際私のポジションでも半自動売買も今は久しぶりに含み損込だと赤字水準まで転落しております。
【関連記事】
【新戦略】ズロチユーロ半自動売買、設定と実績 | スワップサヤ取りの改良版
ズロチユーロFXスワップサヤ取りを解説 | 相関を使った年利20%の投資方法
そこで今回は、何故今EUR/PLNが上昇しているのか、今後どうなるのかについて解説したいと思います。ズロチについては日本語ではほとんど記事がないので、ポーランド語の記事を読んでみたり、色々な資産の値動きを比べてみたり、IMMポジション(ズロチはないので他の通貨で傾向を掴む)も見たり、各国のコロナウィルスの現状を見たりと、かなり色々と調べて書きました。
結論からいうと、私の見通しとしては
というように、実はそこまで心配しておらず、むしろ投資チャンスくらいに思いながら見ています。
なお、ズロチユーロを取引する場合、
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レポートの方は私が書いたものですが、豪ドル/NZドルやズロチユーロみたいなマイナー通貨についてここまでマニアックに書いたレポートは他にないと思うので(笑)、是非貰っていただければと思います。
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以下の順番で書いていきます。
ポーランドの新型コロナウィルスの感染状況
ポーランド中銀の政策金利や金利・経済見通し
ポーランドの毛皮農場禁止法案
EUR/PLNは何故9月に再び上昇しているのか?
まず、9月に入ってEUR/PLNが上がっている理由から説明したいと思います。これについては、世界的にリスクオフの状況になっており、通貨については、基本的に流動性の高い順番に買われやすい状況になっているからだということで説明がつきます。
まず、先週のEUR/PLNが上昇した時というのは、NYダウが急落した時間と同じであり、その時同時に南アフリカランドという別の高金利通貨も下落しています。
【EUR/PLN時間足、ダウ、南アフリカランドも追加版】

そして、この辺りの期間での通貨の強弱を見ると、以下のように、若干のブレはあるものの、大まかな流れとしては流動性の高い通貨順に強い関係になっております。

このように、
ドル>円>ユーロ>カナダドル>ポンド>スイスフラン>トルコリラ>豪ドル=ズロチ>ランド>メキシコペソ
という順番で、「トルコリラが謎に強い(実はこれはサプライズ利上げの影響であり特殊要因)、「豪ドルが謎に弱い(これは本当に謎)」、「メキシコペソさすがに弱すぎ(逆に少し前まで異様に強かったので反動減)」というのはあれど、コロナショックの時と似た並びとなっていることが分かります。
最近はダウ等の株価指数、金、仮想通貨等も下落していることを考えると、今回もまた「現金化」の流れが進んでおり、その中で世界2位の流通量を誇るユーロの方が買われやすいということで、EUR/PLNで見ると上昇しています。
なお、ズロチの上昇理由については日本語や英語ソースだと全然記事が見つからなかったのですが、ポーランド語ソースだといくつか記事が見つかり、そこでも「世界的なリスクオフによる上昇」とありました。(ポーランド語はさすがに読めないのでGoogle翻訳でご容赦ください)
木曜日にポーランドの通貨がノックアウトされた後、金曜日の朝はユーロ為替レートの安定をもたらしました。ズロティは、米ドルへの資本飛行によって明らかにされたリスク回避の波の犠牲になりました。
Bankier.pl 2020・9・25
クラリダは昨日、米国経済は労働市場と需要の面で深い穴にあると述べた。ウォールストリート しかし、それは主にそこでのハイテク企業の修正から圧力を受けているようです。気分を冷やすと、ユーロドルがさらに下落し、EM通貨(エマージング通貨、新興国通貨のこと)周辺の供給が増加します。ルールによれば、ドルが強いほど、EMは悪化します。PLNへのボラティリティの回復を目の当たりにしており、150万の統合後、再び活動の増加が見られます。USD / PLNは、最近のPLN3.7に対してPLN3.87をテストしています。EUR / PLNはPLN4.5115に引き上げられました。
FXMAG
こういったポーランド語ソースの記事を見ても、「ポーランドに何か悪材料が起こった」というより「リスクオフでのドルへの資金移動」によるものだと分析しております。
ポーランド側で何か悪いことは起こっていないか?
では、次にポーランドサイドで何か悪材料が出ていないかを確認したいと思います。結論から言うと、毛皮農場禁止法案は若干気になるものの、特に市場は反応しておらず、そこまで大した悪材料はないと判断して差し支えないと思います。
ポーランドの新型コロナウィルスの感染状況
ポーランドの新型コロナウィルス感染者数は、確かに最近また増加傾向にあります。(今後コロナ周りの数字や図表の出典は全て日経新聞社 新型コロナウィルス感染 世界マップ)
【ポーランドの新型コロナ感染者数推移】

しかし、これはヨーロッパ全体での傾向であり、ドイツ、イタリアは善戦しているものの、その他ヨーロッパの国々は、最近よく報道でもあるように、多くの国で最多を更新しながらの推移となっております。
【ドイツの新型コロナ感染者数推移】

【イタリアの新型コロナ感染者数推移】

【英国の新型コロナ感染者数推移】

【フランスの新型コロナ感染者数推移】

【スペインの新型コロナ感染者数推移】

そして、新型コロナの感染者数の人口比で見ても、ポーランドはヨーロッパの中ではかなり善戦している部類にあります。
人口 | 新型コロナ 感染者数 | 割合 | 日本比 | |
ドイツ | 83,020,000 | 280,223 | 0.34% | 5 |
フランス | 66,990,000 | 498,732 | 0.74% | 12 |
スペイン | 46,940,000 | 716,481 | 1.53% | 24 |
英国 | 66,650,000 | 425,765 | 0.64% | 10 |
イタリア | 60,360,000 | 306,235 | 0.51% | 8 |
ポーランド | 37,970,000 | 82,809 | 0.22% | 3 |
日本(比較対象) | 126,500,000 | 80,497 | 0.06% | 1 |
以上から、新型コロナウィルスの直接的な悪影響でEUR/PLNが上がったとは考えづらいです。
ポーランド中銀の政策金利や金利・経済見通し
ポーランドは9/15に金融政策委員会があり、政策金利据え置きになりました。
出典:モーニングスター 9/16
その声明の中で「(経済活動が段階的に緩和され)経済活動が回復し、景況感も徐々に改善している。今後数カ月、景気回復が一段と進む可能性がある」、「(これまでの3回の)利下げを含むさまざまな経済対策と(経済活動の再開による)ポーランド経済の一段の改善により、景気回復が支えられる」という文言もあることや、「金融緩和政策により、インフレ率が物価目標を下ブレするリスクは減じている」というのもあり、今時点で金利を下げることを示唆する文言はありません。
「景気回復の程度はパンデミックの悪影響が不透明なことや所得の減少、通貨ズロチの相場変動により限定的となる可能性がある」という文言もあり、経済見通しについて慎重な見方も見せておりますが、これは今の状況で見通しが不透明でないというのはありえないので、特におかしなことでもなく、ポーランド中銀としては基本的にはある程度ポジティブに経済環境を見ており、金利見通しも悪くはないと考えられます。
ポーランドの毛皮農場禁止法案
これは普通にニュースを見ている中で発見した記事だったのですが、最近ポーランドでは毛皮用の動物飼育を禁止する法案が可決されたようです。
ポーランド下院は18日未明、毛皮用の動物飼育の禁止とイスラム教やユダヤ教の戒律にのっとった肉の輸出停止を定めた動物愛護法案を可決した。法案をめぐっては、連立右派政権の支持基盤である毛皮農家や肉生産者らが猛反対し、政権内が分裂状態に陥っていた。(中略)
日刊紙ガゼタ・ビボルチャ(選挙新聞、Gazeta Wyborcza)は、法案が可決・施行されれば経済的打撃は約16億ユーロ(約2000億円)に上るとの専門家の見解を報道。ポーランド食肉協会(Polish Meat Association)も、「法案は経済的に有害」で食肉加工労働者や農家、農村地域の住民の生活を脅かすと懸念を表明していた。
ポーランドの毛皮農場禁止法案、野党の支持で一転可決
この法案については普通に日本語で記事になるくらいに関心が高い事件のようですが、ただ、この法案が可決したのが18日未明、記事配信が日本時間14:52で、18日というと普通に金曜日で相場も開いている時間ですが、そこでそんなに相場が動いたかというと実際にはほぼ動いていないことも考えると、相場的には大した影響ではないようです。
また、上で各国の通貨の動きを比較しても「ズロチだけ特別に弱い」というわけではなく、全体的に新興国通貨が弱いことを考えると、EUR/PLNの上昇については、こうした「ポーランドがどうだから」という要因での動きではなさそうだと考えられ、やはりリスクオフの中で「現金化の流れが進んだから」という点に尽きるのかなと思います。
EUR/PLNの今後の見通しはどうか?
では、その上で今後どうなるか、見通しを考えたいと思います。
結論から言うと、ここから先はそこまで上がる余地は少ないだろうと考えており、今は歴史的にも超高値圏であることを考えると、数か月単位で見れば下がって行くだろうと考えております。
上値余地としては、まず前回のコロナショック時の4.6強が一つの水準で、そこからオーバーシュートしてもリーマンショック時の5近くまではいかないのではと今のところ見ております。
ただし、「ではいつ下がるか」というとそれは全く読めず、株価が低迷するようであれば、こうした高値圏(もう少し上がるかもしれない)で当面レンジが続く可能性もあると考えており、投資するなら「余裕資金で」「1年以内にはさすがに決着するとは思うが、数か月単位で資金拘束される可能性は十分あると考えながら」というのが重要かなと思っています。
以下その理由を書いていきます。
まず、EUR/PLNの値動きが「現金化」である以上、今ズロチを持っている人がユーロを売るということですが、少し前ならともかく、
というズロチを今わざわざ買っている人がいるか・・・?というと、正直かなり少ないと考えられ、そもそも「売るための玉」がそこまでないのではと考えております(というのをズロチに積極投資している自分が言うのもあれですがw)
実際、IMMポジションを見ても、ズロチは対象外なので直接は見ることができませんが、ランドやペソ等の他の新興国通貨で見ても、今はコロナショック直後に比べて買い玉もかなり少なくなっております。
【南アフリカランド IMMポジション】

【メキシコペソ IMMポジション】

なお、ランドのチャートが妙に歯抜け状態なのは、元々の公開されているデータがそうなっていたからです(笑
一方で、逆にユーロは無茶苦茶買い玉が増えており、売り買いのネットで見ても、見たことがないレベルまで買いが膨らんでいます。
【ユーロ IMMポジション】

こうしたことから、これ以上ズロチを売ろうにも売るための玉もない状態と予想され、EUR/PLNで見ると、これから多少上がることはあるかもしれないものの、そこまで大きな上値余地はもうないのではないかと思っています。
「新規で売り玉が増えるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、これについては、上でも見たようにポーランドそのものに固有の大きな悪材料があるわけでもなければ、さらに元々格付としてもAランクはあり、さらに過去にズロチ安に対して中銀介入した実績もあるズロチにわざわざ仕掛けをするか・・・?と考えると、その可能性もそこまで高くなさそうで、むしろそういう場合には絶好のチャンスになるのではと考えています。
そしてもう一つのユーロについては、夏くらいまではヨーロッパのコロナの抑え込みが機能していたこと、さらに欧州復興基金の成立等もあってかなり買われていましたが、最近はラガルド総裁がユーロ高牽制発言をしたことや、欧州圏でも再びコロナが猛威を振るっていることからも、ここからさらに買われる材料も少ないと考えており、そう考えると、EUR/PLNで見た時には中長期的にはむしろ下がる方向で考えるのが自然かなと思っています。
こうした点や、レンジ通貨が今歴史的な高値水準にあることを考えると、今は売りの方がチャンスが多いと見ており、私も今売りながら、今後さらに上がるようであれば叩いていきたいと思っています。
ただし、ズロチは流動性が低いので、ちょっとした売買でも大きく動く可能性はあり、それで一瞬異常な高値を付ける、というくらいはあってもおかしくはないと思っています。
また、仮に株価が落ち着くにしても、ズロチが買われるのはタイムラグがある可能性もあり、実際コロナショック直後も株価が回復基調になってから、EUR/PLNが落ちるまでにはタイムラグがあったことも考えると、「ではいつ下がるか」というと、「まあ1年以内には下がるんじゃないだろうか」とは思うものの、「それが明日なのか来月なのか再来月なのか」と言われると、正直よく分からないなとも思っています。
【EUR/PLNとダウのコロナショック後の関係】

以上から、EUR/PLNについては、今絶好の投資チャンスではあるとは思うものの、投資するなら「余裕資金で」「1年以内にはさすがに決着するとは思うが、数か月単位で資金拘束される可能性は十分あると考えながら」というのが重要かなと思っています。
EUR/PLNをFXで取引する場合のおすすめの会社と方法
最後にズロチユーロで投資する場合のおすすめの会社と、手法を書きたいと思います。
結論から言うと、おすすめは2パターンあり、
ということになります。
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という点でメリットがあるので、もし1万通貨取引でやるのであれば、IG証券がおすすめです。
特に、最近だと「上がったからエントリー」「下がったから利確」というようにしないといけないので、指値注文が入れられて、相場を気にせずに待つことができるという点は、非常に大きなメリットといえます。
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このキャンペーンは、期間限定&先着順なので是非お早めに!
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ちなみに、IG証券でのユーロズロチサヤ取りのやり方については、こちらのページで画像付きで解説しているので、よろしければそちらもご覧ください。
関連記事:IG証券でのユーロズロチサヤ取り(EUR/PLN売り)のやり方を画像付きで解説
一方で、1,000通貨単位で取引したいか、またはスワップを重視するなら、みんなのFXかLIGHT FXでズロチ円の買い、ユーロ円の売りにするのがおすすめです。
みんなのFXとLIGHT FXは、どちらもトレイダーズ証券が運営しているFX口座で、スプレッド、スワップポイント、取引単位等、全て条件は同じなので、どちらを使っても大丈夫です。
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正直、豪ドル/NZドルやズロチユーロみたいなマイナー通貨についてここまでマニアックに書いたレポートは他にないと思うので(笑)、これらの通貨に興味がある方は是非貰っていただければと思います。
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今回は以上です。また何か進展があったり、状況が変わったら記事を書いていきたいと思いますので、今後もよろしくお願いします!
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